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寂しい日

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 ここにやってきて約2か月、さまざまなことを学び、体験しました。
 最初はわたしの家族と命よりも大事な角を奪った人間が憎くて、旦那さまに当たりながら生活をしていました。故郷を滅ぼす原因となった人間と同じ“華族”であり、軍人の男。今でも思うところが全くないと言えば、それは嘘になってしまいます。
 けれど、ほんの少し考えればわかることなのです。
 人間も妖魔と同じく十人十色。良い人もいれば、悪い人もいますし、豊かな人もいれば、貧しい人もいます。悪い人の家族と言えども、その人は悪い人であるとも限りません。全てはその人個人に由来するものであり、家族や家名はその人の背負うものであって、その人自身を表す言葉ではありません。

「旦那さまがいない日というのは、やはり寂しいものですね」

 今までにも何度かありましたが、やっぱりそういう日は例外なくものすごく寂しいのです。上手に家事ができたとしても、誰も褒めてくださいませんし、綺麗なお花を見つけても、不思議な雲を見つけても、誰も共感してくださいません。
 わたしは基本的に寂しがりやなのでしょう。ひとりでいるのは辛くて苦しくて悲しい。

 ーーーこんこんこん、

そう鈴春りんしゅんさまはいらっしゃいますかぁ!!」

 玄関から聞こえる大きな男性の声に首を傾げたわたしは、玄関の前で立ち止まり声を上げます。
 とっても良い子なわたしは、旦那さまのお言い付け通り、『知らない人が来たら扉を開けない』ができる子なのです。

*************************

読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈

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