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質問は?

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「あとあと、お着物はそんなにたくさんは要らないので、そこまでたくさん仕立てる必要はありませんよ?お金は無駄遣いしちゃダメです」

 最後に言いたいことを扇子で旦那さまを指差しながらびしっと言ったわたしは、やりきった感万歳にふんすふんすと鼻で息をしながらにっこりと笑いました。

「それで?他に聞きたいことはありますか?」
「………好きな色は何色だ?」
「琥珀色が好きです。妖魔は角を最も大事にするため、自らの角の色を好む傾向があります。覚えておくと良いですよ」
「じゃあ、好きな食べ物は?」
「旦那さまのだし巻き卵は別格ですね。作りたては特に美味しくて、ほっぺたが落ちそうになってしまいます」
「えっと、好きな花はなんだ?」
「昔は必ず牡丹が好きだと答えるようにしていました。けれど、本当は野花が好きです。素朴で小さな野花が………」
「そうか。………趣味はなんだ?」
「裁縫が好きです。これでも、国1番のお針子だったのですよ?」
「皇女なのにか?」
「はい。皇女なのにです」

 互いにころころと笑い合って、他愛もないお話をすることがこんなにも素敵なことであると、わたしは今この瞬間までまったく知りませんでした。
 食事を作る手を再開させた旦那さまを見上げながら、わたしはルンルンと身体を横に揺らします。
 そんなわたしに見られるのが恥ずかしいのか、旦那さまは緩慢でカチコチな仕草で動いています。

「お、俺は食事を作るから、あちらのテーブルを拭いておいてもらえるか?」
「賜りました」

 旦那さまはわたしが思っていたよりも、ずっとずっと優しくて、思いやりのあるお方だったようです。

*************************

読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈

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