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第二章 これより立ち塞がるは更なる強敵。もはやディーノに頼るだけでは勝機は無い

第十一話 偉大なる者の末裔(2)

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   ◆◆◆

 出発してからほどなくして、クラウスがアランに話しかけてきた。

「アラン様、今のうちにこれから我らが戦う相手のことをお教えしておきます」

 頷くアランに、クラウスは言葉を続けた。

「クリス将軍とディーノ殿が戦っている敵将、その名をリックと申しますが、この者は皆が知っているあの『偉大なる大魔道士』の血を引く者なのです」

『偉大なる大魔道士』という部分にアランは強く反応した。

「この一族はかつてその強大な力で世に君臨していましたが、最近は血が弱くなったのか、戦いには姿を見せなくなっておりました。
 久しぶりに戦いに姿を見せた一族の者、リックは魔法力こそ決して強いとは言えませんが、『偉大なる大魔道士』が有していたある特徴をしっかりと受け継いでおります」
「特徴? それはなんだ?」

 興味深そうに尋ねるアランに、クラウスはその『特徴』をゆっくりと話し始めた――

   ◆◆◆

 アランが出発してからおよそ二週間後、サイラスは隊長格の人間を集めて軍議を開いた。
 軍議と言っても、次の行動は暗黙の了解のように決まっていたらしく、結論はすぐに出た。
 それはクリス将軍に降伏を勧める使者を送るというものだった。

 しかしこれに若き将、リックが反発した。

「サイラス将軍、何故降伏勧告なのですか? 我々は敵を圧倒しています。何故戦わないのですか?」
「……今この地を奪取しても、長い目で見ればそれほど意味は無いからだ」

 この回答にわからないという顔をするリックを見て、サイラスは言葉を続けた。

「……意味が無いと言った理由は、いずれはカルロによってこの地を奪われてしまうからだ」

 カルロの名が出たが、リックにはまだサイラスの言わんとしていることが掴みかねている様子であった。

「長く戦っている古参の人間なら皆知っていることだが、敵国はカルロ一人の力で戦線を支えているようなものなのだ」
「カルロ一人でとはどういうことなのですか?」
「言葉通りの意味だ。カルロがいなければこの戦争はとうの昔に我等の勝利で終わっていただろう。いい機会だ。今後のことも含めてこの戦争がどういうものなのか説明してやろう」

 サイラスのこの言葉にリックだけでなくジェイクも反応した。彼もまたリックと同様に若い将である。今の戦争がどういうものなのか興味があった。

「現在、平原の地はカルロによってほぼ制圧されたようだ。だが、おそらく平原の侵攻に当たっている我が軍はまともな戦闘など行っていない。せいぜい遠距離から適当に弓を撃つくらいだろう。
 正面からまともにカルロとぶつかっても勝ち目は薄い。それは奴と戦った貴殿自身がよく知っているはずだ」

 この言葉にリックは黙って頷いた。

「平原を制圧したカルロは次にこの北の地に来る。場所が変わったところで我々に何かできるわけではない。カルロを止めることはやはり難しく、この北の地も明け渡すことになるだろう」

 それではどうしようもないではないですか、とリックは口に出しそうになったが、続くサイラスの言葉がそれを遮った。

「しかし、カルロがこの北の地を攻めている間に、我々は平原を攻撃する。するとカルロが平原に戻ってくる。そしてこちらはまた北の地を攻める」

 ここまで言われてリックはようやく理解した。

「カルロは戦線を右往左往し、維持に奔走することになる。前の戦いで両国の戦線が膠着状態になっていたのはこのためだ」

 理解したと見えるリックに、サイラスは慰めの言葉をかけた。

「……リック将軍、貴殿の気持ちはよくわかる。戦いで功を立てることは武人の名誉だからな。だが血を流さずに城を奪えるならそうすべきなのだ」

 この言葉に少し残念そうな表情を浮かべたリックに対し、サイラスは助け舟を出した。

「……そう落ち込むなリック将軍。安心しろ、あのクリス将軍は降伏などしない。あれはそういう男だ。まず間違いなく戦いになる。使者を送るのはただの儀式のようなものだ」

 サイラスはここで一度言葉を切り、一呼吸置いた後、「それに――」と言葉を続けた。

「例えカルロが前線を押し上げたとしても、以前のような膠着状態にはならないと自分は予想している」
「それはどうしてですか?」
「単純に敵国が消耗しているからだ。前回の戦争で我等は敵を圧倒し、首都の目前まで迫ることに成功した。その過程で我々は多くの町や畑を破壊している。以前と同じようには戦えないだろう」

 サイラスのこの予想は当たっていた。
 読者の中にはアランの国が消耗しているという事実にピンとこない方もいるであろう。しかしそれは、この物語がディーノなどの一部の強者の活躍に焦点が置かれて描かれているからである。
 クリスのことを思い出して欲しい。前回も今回も窮地に立たされている。クリスのことを弱者だと思っている読者は多いであろう。しかし彼は良く戦っていると褒められるべき将なのである。

 そしてサイラスはリックから視線を外し、場に集まっている皆に対して声を上げた。

「使者が戻ってきたらすぐに出陣する。各自準備しておいてくれ」

 この言葉に皆は黙って頷きを返し、それぞれ席を立っていった。

   ◆◆◆

 翌日、サイラスが予言したとおり使者は突き帰された。
 サイラス達は進軍し、クリス達が篭る城の前に陣を張った。そしてサイラス達はクリス達にとって重要な補給線である谷間の道を塞ぎにかかった。
 当然これをクリスが黙って見過ごすはずが無い。両軍は再び戦うことになった。

 二週間後、クリス達とサイラス達は開けた場所でぶつかりあった。

(敗戦がこたえているようだな。クリス達の攻撃に勢いが無い)

 戦いが始まってすぐに、サイラスはクリス達の戦意の衰えを感じ取った。
 しかしそんな中、一人奮闘する男がいた。ディーノである。ディーノは槍斧と大盾を構えてリックと対峙していた。
 先に仕掛けたのはリックであった。リックは光弾をディーノの顔面に向かって放った。
 対するディーノはこの光弾を大盾で受けずに、体さばきだけで避けた。
 この光弾を受けてはならない。これは目くらまし目的の牽制、受けるべきは次の攻撃であることをディーノは理解していた。
 光弾を避けたディーノの眼前には既にリックの姿が迫っていた。リックの踏み込みの速度は普通の人間のそれを遥かに凌駕していた。
 一足でディーノの目の前まで接近したリックは、ディーノの顔面に向けて拳を突き出した。
 ただの拳ではない。その手は光魔法に包まれていた。リック、彼は光魔法と体術を組み合わせた独特の戦闘術を用いていた。
 しかしそれだけならディーノにとって特に脅威ではない。リックの真価は別のところにあり、またそれが「偉大なる大魔道士」の血を引く証明でもあった。
 ディーノは突き出されたリックの拳を大盾で受け止めた。瞬間、その攻撃の軽さにディーノの脳は警鐘を鳴らした。

(軽い! これも牽制! 本命は次か!)

 ディーノがリックの狙いを読んだのとほぼ同時に、目の前のリックはその場で旋回を始め、ディーノに背を向けた。
 背を向けた姿勢であってもリックの視線は肩越しにディーノのほうへ向けられていた。ディーノはその視線から次の攻撃を読んだ。 

(裏拳? いや、蹴りか!)

 回転の勢いを乗せた攻撃は脅威だが、動きが大きいため読まれやすい。事実、ディーノの読みは当たっていた。



 リックが回転の勢いを乗せて放った「光る回し蹴り」をディーノは盾で受けず、後ろに下がりながら体をのけ反らせることで回避した。
 光る蹴り、その言葉が示すとおり、リックは足でも魔法を使える特殊能力者であった。かの「偉大なる大魔道士」もまた同様に、この特殊性を備えていたことが文献に記されており、先の異常な踏み込み速度もこの能力から生み出されたものであった。

(かわされたか。盾ごとその腕を砕いてやるつもりだったのだが、勘がいいな)

 本命を回避されたリックは、攻撃後の隙をディーノに晒しながらもそんなことを考える余裕があった。
 そしてこの機を反撃の好機と見たディーノは、槍斧を握り締め、豪快な一撃をリックに向かって放った。
 しかしその一撃は虚しく空を切った。リックはディーノに接近した時と同じ要領で素早く後退していた。
 ディーノにとってリックはやりづらい相手であった。ディーノの攻撃は速さ威力ともに申し分ないが、小回りが利かないため、リックのような機動力のある相手には容易に接近を許してしまっていた。

(まいったな、やはり俺一人でこいつの相手をするのは厳しい)

 珍しくディーノの思考は弱気な考えで埋まっていた。そしてその解決策を見出すことも出来ずにいた。
 以前はクリス将軍も協力してリックに当たってくれていたのだが、現在クリス将軍はジェイクの相手で精一杯という感じであった。

 そんなクリス将軍とディーノ達の戦いを高所から眺める者達がいた。アラン達である。
 ここに来るまでに谷間の道が敵に塞がれそうになっていることを聞いたアラン達は、谷間の道を通らずに谷を上り、そのまま山伝いに進軍して来ていた。
 そして今、アラン達は駆け下りることが出来そうな比較的なだらかな崖を前に、隊列を組んで整列していた。
 先頭に立っていたアランは刀を真上に掲げ部隊に号令を発した。

「これより我々は敵の側面を突く! 全員突撃!」

 号令を受けた部隊は気勢を上げながら崖を駆け下りていった。これに真っ先に気がついたのはサイラスであった。

「敵の増援か。……先頭に立っているのはアランか? 大した数では無いがこのままだと側面を突かれるな」

 サイラスは剣を掲げ味方に指示を出した。

「我が隊はこれより敵増援を迎え撃つ! 前列部隊の盾となるように防御陣形を組め!」

 後列にいたサイラス隊はアラン達の進軍を阻むように移動した。結果、サイラス隊は前列部隊の側面に並ぶことになり、湾曲した一列陣形のような隊形になった。
 サイラス隊は突撃してくるアラン達に向けて矢と光弾を浴びせたが、アラン達の勢いは止まらず、両隊は激しくぶつかりあった。
 サイラス隊の前衛に配置された大盾兵達はアラン達の体当たりとも言える突撃を受け止めたが、押し返すまでには至らなかった。
 先頭のアランは大盾兵を踏み越え、敵陣の奥に切り込んでいった。他の者もそれに続き、次々と大盾を踏み台にして突撃していった。
 これによってサイラスの部隊は分断され、前衛の大盾兵達と後列の部隊の間にアラン達が割り込む形となった。
 それを見たサイラスはすぐさま号令を発した。

「大盾兵は二人一組になってお互いの後ろを庇いあえ! 魔法使い隊は前に出ろ!」

 前衛の壁をあっさりと突破されたにも拘らず、サイラス隊が混乱に陥ることは無かった。
 そして総大将であるサイラスもまた自ら前に出た。アランの突撃に触発されたというわけでは無く、そのほうが大盾兵の指揮がやりやすいからだ。

「大盾兵は全員こちらに来い! 魔法使い隊はそれを援護しろ!」

 味方に忙しなく(せわしなく)指示を出すサイラスの元に一人の男が突撃していった。

「お前がこの戦の大将と見た! いざ勝負!」
「久しいなアラン! 相手になろう!」

 サイラスに勝負を挑んだ男はアランであった。
 この時のサイラスにはまだ余裕があった。大盾と剣を構えて突撃してくるアランの姿は以前と特に変わりないように見えたからだ。
 サイラスは以前戦った時と同じように電撃魔法で迎撃するつもりであった。しかし、対するアランはサイラスの電撃魔法の射程外から剣を振った。
 すると、燃えるアランの剣から炎が伸びるように放たれ、サイラスに襲い掛かった。

(何?!)

 サイラスは反射的に大きく横に飛び、間一髪でアランの攻撃を回避した。

(何だ今のは! 斬撃が炎となって飛んできたかのようだ!)

 命拾いしたサイラスは体勢を整え、今度は油断無くアランと対峙した。

(以前より成長しているようだな。腐ってもカルロの子か!)

 射程での不利を悟ったサイラスは、アランに向かって踏み込んだ。
 これに対しアランは先と同じ「炎の鞭」で迎撃を試みたが、これをサイラスは難なく回避した。

(剣筋さえ読めれば回避はそれほど難しくないな)

 サイラスは「炎の鞭」を見てから回避しているのでは無く、アランの体さばきと剣先の動きから攻撃箇所を予測していた。
 そして間合いを詰めたサイラスは、電撃魔法を放とうとした。
 しかしその時、ほぼ同時にアランもまたサイラスに向かって踏み込んでいた。手が届く距離まで接近したアランは、右腕にベルトで固定された大盾を裏拳の要領でサイラスに叩きつけた。
 アランとサイラス、両者の攻撃はほぼ同時にぶつかりあったように見えたが、アランの大盾による攻撃のほうがサイラスの電撃魔法の発動よりも僅かに速かった。サイラスが大きく体勢を崩したことで、電撃魔法は見当違いの方向に発動した。
 そして、体勢を崩したサイラスに対し、アランは追撃の炎の鞭を放った。
 しかしアランのこの攻撃は突如目の前に現れた大盾兵によって阻まれた。
 部下に命を救われたサイラスは、すかさず部隊に指示を出した。

「魔法使い達は到着した大盾兵の真後ろにぴったりと張り付け! 合流が遅れている大盾兵を援護しろ!」

 隊列が回復し始めたのを確認したサイラスは、無理をせず後方に引いて行った。
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