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すれ違い ⑨
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「謝らないでください。俺……俺……雅成さんの力になりたいんです。その……あの……俺、ステージで雅成さんと拓海さんの姿を見ていて、こんなに美しいものが世の中にあるのかと思いました」
「……」
「この美しい二人を守っていけるのは、俺だけかもしれないと知らされて、俺はどうしても二人を助けたいと思ったんです。雅成さんは俺の初恋の人です。好きな人には、惚れた人にはずっと笑顔でいてほしいと思うんです。幸せになってほしいと思うんです」
「……」
「雅成さんは治療を拒否されていると聞きました。俺の精が体内に入る。嫌に決まっています。でも今、研究室の人たちと身体を重ねる以外での摂取方法はないかを探しています。だからもし……もし……新しい治療方法が見つかったら、少しでもいいので考え直してもらえませんか? 俺だけのお願いじゃないんです。ここにいる研究員皆さんの願いでもあるんです」
ルイは雅成の手を握る。
差し出されたルイの腕を見ると、採血された後に貼られるシールがあった。
「ルイ、これ……」
雅成がシールを指さすと、ルイはサッとしーとを隠す。
「もしかして、さっき僕と会う前、研究室で採血してたの?」
「……」
ルイは何も答えない。
でもきっと雅成と鉢合わせる前にいた研究室
で、研究のために採血したのだろう。
ルイが雅成に惚れていたとしても、どうしてここまで治療協力をして、治療を進めるのかわからない。
研究員皆んなが自分に治療を受けてほしいと、研究を続けているのもわからない。
自分にそれだけの価値かがるのだろうか?
女神としての価値以外なにもない。
「どうしてそこまでしてくれるの?」
「雅成さんは……女神は、俺たちの大切な存在です!」
ルイは力強く答えた。
(ああそうか。僕は女神だからなのか……)
すっと心が冷えていくような、でも妙に納得できたような不思議な感覚に陥った。
「うん、わかったよ。でもルイ、無理はしたらダメだからね」
雅成がルイの頭を撫でると、
「ハイ!」
くすぐったそうに頭を撫でられながら、ルイは力強く返事した。
「……」
「この美しい二人を守っていけるのは、俺だけかもしれないと知らされて、俺はどうしても二人を助けたいと思ったんです。雅成さんは俺の初恋の人です。好きな人には、惚れた人にはずっと笑顔でいてほしいと思うんです。幸せになってほしいと思うんです」
「……」
「雅成さんは治療を拒否されていると聞きました。俺の精が体内に入る。嫌に決まっています。でも今、研究室の人たちと身体を重ねる以外での摂取方法はないかを探しています。だからもし……もし……新しい治療方法が見つかったら、少しでもいいので考え直してもらえませんか? 俺だけのお願いじゃないんです。ここにいる研究員皆さんの願いでもあるんです」
ルイは雅成の手を握る。
差し出されたルイの腕を見ると、採血された後に貼られるシールがあった。
「ルイ、これ……」
雅成がシールを指さすと、ルイはサッとしーとを隠す。
「もしかして、さっき僕と会う前、研究室で採血してたの?」
「……」
ルイは何も答えない。
でもきっと雅成と鉢合わせる前にいた研究室
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「ハイ!」
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