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オメガ専門病院 ① 伊吹sideー
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「伊吹くんは何回検査した?」
「最後にしたのは2年前で、検索したのは2回です」
「その結果全てベータ?」
「…はい。でも不思議だったんです。自分で言うのも変なのですが、自分がどうしてもベータとは思えなくて…何度も検査したのに、ベータって結果おかしいと思ってたんです」
「そうだったんだね。でね本題に入るんだけど…」
瑆はまた真剣な面持ちになる。
「今、伊吹くんからオメガのフェロモンが出てるんだ」
「フェロモンですか⁉︎」
驚き過ぎて伊吹の声が大きくなる。
「うん。今はヒートほどではないけど結構出てるかも…。伊吹くん自身は自覚……なかったみたいだね」
伊吹の驚きようを見て、瑆は確信したようだ。
「このままここにいたら、フェロモンの香りでアルファが来るかもしれない。そうなると大変なことになるから、フェロモンが落ち着くまで、僕が働く病院で休んでいかない?」
「‼︎」
知らない人の、知らない病院。
知らない病名を告げられて、オメガのフェロモンが出てるって言われてる……
これって不信感しかないはずなのに、瑆さんの言葉には不思議と、不信感をもたない。
「不信感はあると思う。でも信じて欲しい…」
「……」
信じるって…
「実はさ、僕も後天性オメガなんだ。だから、ほら見て。アルファ除けのチョーカー付けてるんだ」
瑆は首元に巻いてあるチョーカーを伊吹に見せた。
「襲われることはあっても、襲うことはないから心配しないで」
「…」
「病院にはアルファの同僚もいるけど、彼は完全にオメガフェロモン対策をしてるから大丈夫」
「オメガフェロモン対策?」
「定期的なラット抑制剤の摂取と、毎日のホルモン確認の為の血液検査。それに注射もしてるから」
「…どうして、そこまでされてるんですか?」
「だって、あそこの病院『オメガ専門病院』だから」
「え⁉︎オメガ専門病院ですか?初めて聞きました」
知らないことだらけで、伊吹は目を丸くする。
「普通の人は知らないと思う。でもオメガの人たちの中では有名だよ。ちなみに僕は専門医で、この世界では結構有名だから」
瑆は微笑んだ。
「最後にしたのは2年前で、検索したのは2回です」
「その結果全てベータ?」
「…はい。でも不思議だったんです。自分で言うのも変なのですが、自分がどうしてもベータとは思えなくて…何度も検査したのに、ベータって結果おかしいと思ってたんです」
「そうだったんだね。でね本題に入るんだけど…」
瑆はまた真剣な面持ちになる。
「今、伊吹くんからオメガのフェロモンが出てるんだ」
「フェロモンですか⁉︎」
驚き過ぎて伊吹の声が大きくなる。
「うん。今はヒートほどではないけど結構出てるかも…。伊吹くん自身は自覚……なかったみたいだね」
伊吹の驚きようを見て、瑆は確信したようだ。
「このままここにいたら、フェロモンの香りでアルファが来るかもしれない。そうなると大変なことになるから、フェロモンが落ち着くまで、僕が働く病院で休んでいかない?」
「‼︎」
知らない人の、知らない病院。
知らない病名を告げられて、オメガのフェロモンが出てるって言われてる……
これって不信感しかないはずなのに、瑆さんの言葉には不思議と、不信感をもたない。
「不信感はあると思う。でも信じて欲しい…」
「……」
信じるって…
「実はさ、僕も後天性オメガなんだ。だから、ほら見て。アルファ除けのチョーカー付けてるんだ」
瑆は首元に巻いてあるチョーカーを伊吹に見せた。
「襲われることはあっても、襲うことはないから心配しないで」
「…」
「病院にはアルファの同僚もいるけど、彼は完全にオメガフェロモン対策をしてるから大丈夫」
「オメガフェロモン対策?」
「定期的なラット抑制剤の摂取と、毎日のホルモン確認の為の血液検査。それに注射もしてるから」
「…どうして、そこまでされてるんですか?」
「だって、あそこの病院『オメガ専門病院』だから」
「え⁉︎オメガ専門病院ですか?初めて聞きました」
知らないことだらけで、伊吹は目を丸くする。
「普通の人は知らないと思う。でもオメガの人たちの中では有名だよ。ちなみに僕は専門医で、この世界では結構有名だから」
瑆は微笑んだ。
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