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贈り物と守りたいもの ①
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「父様、母様、朝ですよ~」
ノックもなしに寝室のドアが開かれ、僕たちのベッドにハイネがダイブしてきた。
「父様と母様は本当にねぼすけさんですね。もう10時ですよ」
置き時計を目の前に持ってこられてう、時間を確認する。
本当に10時だ。
窓の方を見ると、日差しは部屋の中を明るくしている。
「ごめんねハイネ。もう朝食は食べたよね」
そう訊くと、
「父様と母様を待っていたから、まだだよ」
とまさかの返事。
「え!?食べてないの?アレク起きて。起きてってば!」
ハイネがベッドにダイブしてきたにも関わらず、アレクはまだ眠っていいる。
「ハイネが僕達が起きてくるまで、朝食食べずに待ってくれてたんだって。もう10時なのに、まだ何も食べてないんだよ」
「そうなんだ……。10時なのに、まだ食べてないんだ……。ん?食べてない?食べていないだって!?」
はじめはねぼけていたアレクだったけど、少しずつ現状を理解したようで跳び起きる。
「お腹空いているんじゃないか?」
「空いてる」
「ハイネの侍女はどうした? どうして朝食の用意をしない」
「僕が用意しないでって言ったんだ」
「どうして?」
「どうしてって……」
ハイネは怒られていると思っているのか、目に涙が浮かんでくる。
「アレク、そんな言い方したら怖いよ。ハイネおいで」
僕はハイネを手招きし、膝の上に乗せる。
「ハイネは思いがあって、僕達が起きてくるのを待っていたんだよね。もしよかったら、理由を教えて」
金色の髪を優しく撫でると、ハイネが振り返る。
「あのね、今日はま僕たちが主催するお茶会に父様と母様を招待したくて待ってたんだ」
「『僕達』?『お茶会』?」
「うん。あのね、みんなで頑張って準備したんだよ。だからガゼボまで来て欲しいんだ」
詳しく話したそうだけど、それは内緒なようで、それい以上言わないように、小さな手で口元を押さえた。
「僕、最後の準備が残っているから先に行くね~」
それだけ言い残し、ハイネは慌ただしく寝室を出て行った。
「お茶会の話、アレクは聞いてた?」
「いや。聞いていない。その様子だとユベールも聞いてなさそうだな」
二人して考えるが、心当たりがない。
「とりあえず用意をして、ガゼボに行くか」
「そうだね」
僕達は用意をし、ガゼボに行った。
ノックもなしに寝室のドアが開かれ、僕たちのベッドにハイネがダイブしてきた。
「父様と母様は本当にねぼすけさんですね。もう10時ですよ」
置き時計を目の前に持ってこられてう、時間を確認する。
本当に10時だ。
窓の方を見ると、日差しは部屋の中を明るくしている。
「ごめんねハイネ。もう朝食は食べたよね」
そう訊くと、
「父様と母様を待っていたから、まだだよ」
とまさかの返事。
「え!?食べてないの?アレク起きて。起きてってば!」
ハイネがベッドにダイブしてきたにも関わらず、アレクはまだ眠っていいる。
「ハイネが僕達が起きてくるまで、朝食食べずに待ってくれてたんだって。もう10時なのに、まだ何も食べてないんだよ」
「そうなんだ……。10時なのに、まだ食べてないんだ……。ん?食べてない?食べていないだって!?」
はじめはねぼけていたアレクだったけど、少しずつ現状を理解したようで跳び起きる。
「お腹空いているんじゃないか?」
「空いてる」
「ハイネの侍女はどうした? どうして朝食の用意をしない」
「僕が用意しないでって言ったんだ」
「どうして?」
「どうしてって……」
ハイネは怒られていると思っているのか、目に涙が浮かんでくる。
「アレク、そんな言い方したら怖いよ。ハイネおいで」
僕はハイネを手招きし、膝の上に乗せる。
「ハイネは思いがあって、僕達が起きてくるのを待っていたんだよね。もしよかったら、理由を教えて」
金色の髪を優しく撫でると、ハイネが振り返る。
「あのね、今日はま僕たちが主催するお茶会に父様と母様を招待したくて待ってたんだ」
「『僕達』?『お茶会』?」
「うん。あのね、みんなで頑張って準備したんだよ。だからガゼボまで来て欲しいんだ」
詳しく話したそうだけど、それは内緒なようで、それい以上言わないように、小さな手で口元を押さえた。
「僕、最後の準備が残っているから先に行くね~」
それだけ言い残し、ハイネは慌ただしく寝室を出て行った。
「お茶会の話、アレクは聞いてた?」
「いや。聞いていない。その様子だとユベールも聞いてなさそうだな」
二人して考えるが、心当たりがない。
「とりあえず用意をして、ガゼボに行くか」
「そうだね」
僕達は用意をし、ガゼボに行った。
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