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初夜 ⑧

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「愛しいユベール……」
 耳元で囁かれると全身が痺れていき、耳を甘噛みされるとビクッと身体が震えた。

 首筋から肩を通り横腹を、触れるか触れないかの力で殿下が指で撫でていく。
 身体がふわふわと浮くような感覚に陥る。

 もっと触って欲しい。
 もっと触って、知らない世界に連れて行って欲しい。

「ぁ…ぁっ……はぁぁ……ぁっ」

 殿下の指が何度も身体を這わされれるほどに、熱い吐息が漏れ始める。

「アレク、様…それ…変な…気持ちに…なり…ます…」

 下腹部に何かが集まってきて、お腹の奥がきゅっと締まる感じもする。

 気持ちいい。
 その気持ちよさに流され続けたい。

 アレク様の顔が見たくて振り返ると、視線がぶつかる。
「嫌か……?」
「あッ……っ」

 這わせていたアレク様の指が、次第に啄むようなキスになり、下腹部の刺激が楔に集まる。

「変…です……。ここが。変、です……」

 今まで体験したことのないような疼き。
 自分がおかしくなってしまいそうで、もうやめて欲しい。
 でももっと触って欲しい。
 アレク様の優しい唇の感触が全身に伝わって、ゾクゾクが止まらない。
 やめないで欲しい。
 もっとして欲しい。
 反応し硬くなってきた楔に手をおいた。

「少し苦しそうだな」

「あッッ……ああ……ッ」

 後ろからアレク様に抱きしめられ、急に乳首を指で捏ねられる。
 乳首と同時にもう片方の手で楔を扱かれ、身体がビクンと大きくはねた。
 一瞬何が起こったのかわからなかった。
 頭の先からつま先まで、得体の知れない快楽が一気に駆け巡る。

「怖いか?」
 頭を撫でられながら耳元で囁かれると、もうそれだけでとろけてしまいそう。
 問いかけにフルフルと首を横に振ると、
「いい子だ」
 そう言って殿下は僕の耳の裏に口付けをした。

 アレク様に褒められると、先程の快楽とはまた違う満たされた気持ちが満ち溢れてきそう。

 もっと褒めて欲しい。
 頭を撫でて、耳元で囁いて、僕だけを見て欲しい。 

「もっと……褒めてください」

「!」
 背後でハッと息を飲む気配がした。
「いい子だユベール。俺に身体を預けて」
 もっと褒めて欲しくて、言われた通りに身体の力を抜いて、大きくて逞しいアレク様の体に身を任せる。

 乳首を捏ねられたり弾かれたり、強弱をつけられながら楔を扱かれると、行き場のない快楽が身体の中でどんどん大きくなっていく。
 気持ちよすぎて頭が働かない。
 後ろから抱きしめられ、アレク様の心音が背中ごしに伝わってくる。

「ハァァ……ウん…はぁぁ…ああ……」

 今まで感じたことのない刺激に、熱い吐息と甘い声が大きくなっていく。
 楔をしごかれる度に脚を大きく開いてしまい、楔の裏を暖かなものが伝うのがわかる。
 自分の声ではないような喘ぎ声を、アレク様に聞かれたくなくて手で口を塞ぐが、どうしても声が漏れてしまう。

「ひゃ……あ、ぁぁ……ぅふ……んあっ」

 こんな声を聞かれるのは恥ずかしい。
 抑えなくては……。
 両手で口を塞ぐと、楔を擦るアレク様の手が早くなり脚はガクガク震え、もうどうしようもなくなってくる。
「声を我慢するな」
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