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愛おしいということは、愛しているということは 〜内藤昴 スピンオフ〜

重なる ①

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「今……俺のこと、圭太って……。愛してるって……。嘘ですよね。言い間違い、ですよね?」
 俺のどんな表情も見逃すまいと、圭太は怯えるような、本心を探るような視線を向ける。

「嘘じゃない。本当だ。圭太が信じられないなら、信じられるまで言い続ける。俺はお前のことを、圭太のことを愛している。誰よりも」

 誰よりも愛してる。
 もう誰も愛することなんてないと思っていたのに、圭太と出逢い、再び愛することの喜びを圭太は俺に教えてくれた。

 俺にとってたった一人の愛しい人。
 もう何にも傷ついてほしくない。

「内藤さんは怒らないんですか?俺、内藤さんの親切を裏切るようなことをして、騙して嘘をついて……。それでも俺を受け入れてくれるんですか?」
「圭太は俺と一緒にいることが嫌か?」
 俺の目をじっと見つめながら、圭太は大きく頭を横に振る。

「じゃあ俺と一緒にいてくれる?」
 そう聞くと圭太の大きな瞳に涙が浮かび、大きく頷くと俺の胸に顔を埋めた。

「俺も内藤さんのことが大好きです」
 そう言いながら、もう一度顔を上げると、
「愛しています」
 俺の目をしっかりと見る。

「え?」
 まさか……?
 俺の聞き間違いじゃないだろうか……?
「今、なんて?」
「内藤さんのことを、昴さんのことを愛しています」
 気がつけば、俺は圭太に覆い被さるようにし、後頭部を手で支えながらキスをしていた。

 指の間を通る圭太の髪は柔らかい。
 キスをしながら圭太の前歯をこじ開けると、口内に舌を入れる。
 圭太の舌と俺の舌を絡み合わせると、上を向きながら必死に圭太も俺の舌に自分の舌を絡ませようとする。

「…ンっ…んンン……」

 舌と舌が絡み合う音と、圭太の息が混ざる。
 圭太の甘い香りが周りに漂う。
 以前は心地よかった香りが、今日はすぐにでも圭太を貪り尽くしたくなるような香り。
 圭太のフェロモンの香りだ。
 キスだけで力が抜け、今にもしゃがみ込みそうになっている圭太を抱き寄せる。

「ぅン……っ」

 鼻から抜ける甘い声が、脳内を刺激する。
 優しくしたい。
 獣のように抱きたい。
 怖がらせたくない。
 押し倒して、感じすぎて怖いと言っても責め尽くしたい。
 そんな気持ちがせめぎ合う。
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