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愛おしいということは、愛しているということは 〜内藤昴 スピンオフ〜
山崎宅 ①
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鈴木と暮らしはじめて10ヶ月。
季節は冬になっていた。
谷川と鈴木の仲はさらに良くなり、谷川の家に2回ほど遊びにも行っていた。
男性と2人きりになるのが怖いと言っていた鈴木だったので、谷川と2人で過ごせるのは喜ばしいことだが、俺以外と2人きりになっても大丈夫になってしまったは少し複雑な部分もあった。
「先輩、ここ、先輩の家じゃないんですけど」
半分呆れ顔で晴人が俺に冷えたノンアルコールビールが入ったグラスを差し出した。
「先輩のためにノンアルコールビール常備させられ、休みの日の夕飯は5人分用意してるんですからね。たまには家族水入らずの日が欲しいです」
「申し訳ないと思っている。だがあの家に1人でいるのは寂しいんだ」
「だからそれを俺じゃなくて、どうして鈴木くんに言わないんですか!?」
「束縛はしたくない……」
「あ~めんどくさい!」
晴人はこの後運転しなくていいのでビールを飲めばいいのに、なんだかんだ言いながらも後で運転する俺に合わせてノンアルコールビールを飲んでくれている。
「晴人さん。千景も清貴も昴さんのこと大好きですし、僕は昴さんが来てくださって嬉しいですよ」
瑞稀くんが俺と晴人の前に、生ハムとチーズで作ったツマミを置いていってくれる。
「瑞稀、先輩を甘やかしたらいけないよ」
「甘やかしてなんていませんよ。昴さん、今度は鈴木さんと一緒にいらしてください。久しぶりに僕も鈴木さんに会いたいです」
あくまで自分が鈴木に会いたいと瑞稀くんは言っているが、本当のところは俺が晴人の家に鈴木を誘いやすい口実を作ってれている。
本当によく気がつく人だ。
「今度誘ってみるよ」
そんな話をしている時、鈴木からメッセージが届いた。
『谷川くんとこの後飲みに行くことになったので、帰りが遅くなります』
「なに!?」
俺が急にソファーから立ち上がり、大きな声を出したのでみんなが俺を見る。
「どうしたんですか?」
「鈴木が谷川と飲見に行くから、帰りが遅くなるって……」
鈴木と谷川は夕食を食べることはあっても、その後飲みに行ったりはしなかった。
なのに今日は……。
遅くなるってどれぐらい?
迎えに行こうか?
でもそんなことをすれば、一緒に住んでいるのがバレてしまう。
この飲み会をどう回避しようか……。
「昴さん、今すぐ鈴木さんに電話をかけてください」
「え?」
「僕、鈴木さんと話がしたいです。今すぐ、どうしても」
瑞稀くんがここまで言うのは珍しい。
俺は鈴木に電話をかける。
2コールほどで鈴木が電話に出る。
季節は冬になっていた。
谷川と鈴木の仲はさらに良くなり、谷川の家に2回ほど遊びにも行っていた。
男性と2人きりになるのが怖いと言っていた鈴木だったので、谷川と2人で過ごせるのは喜ばしいことだが、俺以外と2人きりになっても大丈夫になってしまったは少し複雑な部分もあった。
「先輩、ここ、先輩の家じゃないんですけど」
半分呆れ顔で晴人が俺に冷えたノンアルコールビールが入ったグラスを差し出した。
「先輩のためにノンアルコールビール常備させられ、休みの日の夕飯は5人分用意してるんですからね。たまには家族水入らずの日が欲しいです」
「申し訳ないと思っている。だがあの家に1人でいるのは寂しいんだ」
「だからそれを俺じゃなくて、どうして鈴木くんに言わないんですか!?」
「束縛はしたくない……」
「あ~めんどくさい!」
晴人はこの後運転しなくていいのでビールを飲めばいいのに、なんだかんだ言いながらも後で運転する俺に合わせてノンアルコールビールを飲んでくれている。
「晴人さん。千景も清貴も昴さんのこと大好きですし、僕は昴さんが来てくださって嬉しいですよ」
瑞稀くんが俺と晴人の前に、生ハムとチーズで作ったツマミを置いていってくれる。
「瑞稀、先輩を甘やかしたらいけないよ」
「甘やかしてなんていませんよ。昴さん、今度は鈴木さんと一緒にいらしてください。久しぶりに僕も鈴木さんに会いたいです」
あくまで自分が鈴木に会いたいと瑞稀くんは言っているが、本当のところは俺が晴人の家に鈴木を誘いやすい口実を作ってれている。
本当によく気がつく人だ。
「今度誘ってみるよ」
そんな話をしている時、鈴木からメッセージが届いた。
『谷川くんとこの後飲みに行くことになったので、帰りが遅くなります』
「なに!?」
俺が急にソファーから立ち上がり、大きな声を出したのでみんなが俺を見る。
「どうしたんですか?」
「鈴木が谷川と飲見に行くから、帰りが遅くなるって……」
鈴木と谷川は夕食を食べることはあっても、その後飲みに行ったりはしなかった。
なのに今日は……。
遅くなるってどれぐらい?
迎えに行こうか?
でもそんなことをすれば、一緒に住んでいるのがバレてしまう。
この飲み会をどう回避しようか……。
「昴さん、今すぐ鈴木さんに電話をかけてください」
「え?」
「僕、鈴木さんと話がしたいです。今すぐ、どうしても」
瑞稀くんがここまで言うのは珍しい。
俺は鈴木に電話をかける。
2コールほどで鈴木が電話に出る。
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