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愛おしいということは、愛しているということは 〜内藤昴 スピンオフ〜
植物園 ②
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行く場所ね~。
昔は行きつけのバーのマスターに昼から店を開けてもらってバーを貸し切って仲間と飲んだり、使いきれない物や服を大量に買ったり、国内外に旅行に行ったり。
でもいつも1人ではなく誰か一緒にいた。
だが相手はいつも俺の肩書きや家柄に釣られてやってくる。
その時はそういうものだと割り切って付き合っていたが、晴人と一緒に仕事をし始めて遊んでいる時間があれば仕事して、そうなると自然と以前付き合っていた人たちとは疎遠になっていった。
だがその疎遠になった人たちともう一度一緒にいたいかと問われると、それは御免だ。
「ここがいいんだ。な、千景」
俺の隣に座り、ショートケーキを食べる千景に同意を求めると、千景も「ね~」と笑顔で返してくれる。
最近できた俺の新しい親友千景は、なんの欲もなく俺に接してくれる。
俺はそれに救われている。
でもそれとはまた別の感覚で、鈴木との生活で俺は救われている。
果たして鈴木はどうなのだろうか?
動物園に着いたが臨時休業。
次に水族館に行こうと思い調べると、改装中のため閉鎖。
そこで植物園に行くことになった。
今日鈴木も行っているが出発した時間も鈴木の方が早かったし、植物園内でそんなに長い時間いることもないと思っていたが、
「あ……」
「副社長?」
熱帯雨林ゾーンを歩いていると、谷川と一緒にいる鈴木に会った。
「よく会うな」
「本当に、よく会いますね」
気まずそうに俺と鈴木が言うと、
「本当に!よく会いますね!」
少しキレ気味の谷川も言い、俺は谷川に睨まれた気がした。
何か言わないと、流石にこう何度も会うのはおかしい……。
色々考えていると、
「あ!鈴木さんだ~」
鈴木の姿を見つけた千景が駆けてくる。
「やぁ千景くん。今日はみんなでお出かけ?」
鈴木は千景と同じ目の高さになるようにしゃがんだ。
「うん!僕とパパとママと清貴と昴くんで来たんだ~。僕と昴くんはしんゆうなんだよ!」
自信満々に千景が言うと、
「親友か~、羨ましい」
鈴木が言う。
俺と親友な千景が羨ましい?
それって鈴木も俺の親友になりたいのか?
「じゃあ、鈴木さんも昴くんに『お友達になってください』って言えばいいんだよ。ね、昴くん」
千景に同意を求められて
「あ、ああ」
と返事をした。
「そっか……」
と言った後、消え入る声で
「でも俺は親友じゃなくて他のものになりたいな」
と呟いた。
親友じゃなくて他のもの?
「副社長は山﨑さんご家族と来られてたんですね。俺はてっきり圭太のことをつけられているのかと思いましたよ」
やれやれといったふうに言われ、さすがの俺も言い返そうとしたが、
「谷川くん、だったっけ?身の程をわきまえた方がいいと思うよ」
そばで様子を見ていた晴人がグイッと前に出てきた。
「相手が副社長だから、思ったことを言ってはダメってことですか?」
谷川が晴人を睨む。
「そんなことは言っていない。ただ、自分の立ち位置、言葉に責任が取れないことを言ったり、したりすることは考えものだよ、と言いたかっただけだよ」
にこやかに晴人は言うが、目が座っている。
相当怒っている。
「晴人もういいよ。じゃあ鈴木くんも谷川くんも楽しんで」
俺は鈴木と谷川のそばを通り過ぎた。
ー圭太ー
俺だってまだ鈴木のことを下の名前で呼んだことがないのに、谷川はもう……。
どろっとしたものが胸の中で生まれた。
昔は行きつけのバーのマスターに昼から店を開けてもらってバーを貸し切って仲間と飲んだり、使いきれない物や服を大量に買ったり、国内外に旅行に行ったり。
でもいつも1人ではなく誰か一緒にいた。
だが相手はいつも俺の肩書きや家柄に釣られてやってくる。
その時はそういうものだと割り切って付き合っていたが、晴人と一緒に仕事をし始めて遊んでいる時間があれば仕事して、そうなると自然と以前付き合っていた人たちとは疎遠になっていった。
だがその疎遠になった人たちともう一度一緒にいたいかと問われると、それは御免だ。
「ここがいいんだ。な、千景」
俺の隣に座り、ショートケーキを食べる千景に同意を求めると、千景も「ね~」と笑顔で返してくれる。
最近できた俺の新しい親友千景は、なんの欲もなく俺に接してくれる。
俺はそれに救われている。
でもそれとはまた別の感覚で、鈴木との生活で俺は救われている。
果たして鈴木はどうなのだろうか?
動物園に着いたが臨時休業。
次に水族館に行こうと思い調べると、改装中のため閉鎖。
そこで植物園に行くことになった。
今日鈴木も行っているが出発した時間も鈴木の方が早かったし、植物園内でそんなに長い時間いることもないと思っていたが、
「あ……」
「副社長?」
熱帯雨林ゾーンを歩いていると、谷川と一緒にいる鈴木に会った。
「よく会うな」
「本当に、よく会いますね」
気まずそうに俺と鈴木が言うと、
「本当に!よく会いますね!」
少しキレ気味の谷川も言い、俺は谷川に睨まれた気がした。
何か言わないと、流石にこう何度も会うのはおかしい……。
色々考えていると、
「あ!鈴木さんだ~」
鈴木の姿を見つけた千景が駆けてくる。
「やぁ千景くん。今日はみんなでお出かけ?」
鈴木は千景と同じ目の高さになるようにしゃがんだ。
「うん!僕とパパとママと清貴と昴くんで来たんだ~。僕と昴くんはしんゆうなんだよ!」
自信満々に千景が言うと、
「親友か~、羨ましい」
鈴木が言う。
俺と親友な千景が羨ましい?
それって鈴木も俺の親友になりたいのか?
「じゃあ、鈴木さんも昴くんに『お友達になってください』って言えばいいんだよ。ね、昴くん」
千景に同意を求められて
「あ、ああ」
と返事をした。
「そっか……」
と言った後、消え入る声で
「でも俺は親友じゃなくて他のものになりたいな」
と呟いた。
親友じゃなくて他のもの?
「副社長は山﨑さんご家族と来られてたんですね。俺はてっきり圭太のことをつけられているのかと思いましたよ」
やれやれといったふうに言われ、さすがの俺も言い返そうとしたが、
「谷川くん、だったっけ?身の程をわきまえた方がいいと思うよ」
そばで様子を見ていた晴人がグイッと前に出てきた。
「相手が副社長だから、思ったことを言ってはダメってことですか?」
谷川が晴人を睨む。
「そんなことは言っていない。ただ、自分の立ち位置、言葉に責任が取れないことを言ったり、したりすることは考えものだよ、と言いたかっただけだよ」
にこやかに晴人は言うが、目が座っている。
相当怒っている。
「晴人もういいよ。じゃあ鈴木くんも谷川くんも楽しんで」
俺は鈴木と谷川のそばを通り過ぎた。
ー圭太ー
俺だってまだ鈴木のことを下の名前で呼んだことがないのに、谷川はもう……。
どろっとしたものが胸の中で生まれた。
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