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初めてのヒート ④

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「ひやぁ……ああ……っッ」

 瑞稀の楔は限界まで大きくなり、攻められれるたび、瑞稀の声は大きくなる。
 腰は反り返り、後孔から流れ出す蜜はとめどない。

気持ちいい…。
気持ちいい…。

 今まで味わったことのない気持ちよさと、肌を重ねることで伝わってくる晴人の愛が、瑞稀の身も心も満たしていく。

挿れて!
もう我慢できない!

 きゅーっと瑞稀の後孔が締まった時、

「はぁ…あぁぁぁ……ッ」

 晴人の長く骨張った指が、瑞稀の人差し指が中に入ってきた。
 一瞬にして瑞稀の目の前は真っ白になり、意識が飛びそうになる。
 楔を咥えられたまま内壁を擦られると瑞稀の太ももはガクガクし、蜜は溢れ、ソファーを汚していく。

「晴…人…さん…晴…人…さん…!」

 愛する人の名前を呼び続けると、晴人は指を増やし、喘ぎ声は大きくなっていると、

「あああ……ああ…!!」

 瑞稀は一段と喘いだ。
 今までとは比べものにならないような刺激が、ビリビリッと内壁に走りる。

「ここが瑞稀のいいところだね」

 ーいいところ?ー

 そう聞きたかったが、聞くより先に、晴人がぷくりと膨らんだ前立腺そこを指の腹で押し上げる。

「やッ…ダ……そこ…変……!」
 
 瑞稀が逃げようとすると、晴人は瑞稀の腰をしっかりと掴み、逃げられないようにする。

「大丈夫、すぐにもっと気持ち良くなるよ…」

 ーもっと…?ー

 これ以上の気持ちよさに対する恐ろしさと期待で、瑞稀の頭がおかしくなりそうだ。

 指を増やされ、弱いところを押し上げられると喘喘ぎ声は大きくなる。

「くる……なにか…来ちゃう…」
 
 イヤイヤと瑞稀が頭を振った時、

「ああああぁぁぁ……」

 瑞稀は晴人の口の中で蜜を放ち、晴人は蜜を全て飲み干した。

「瑞稀、挿れるよ」

 太ももと内壁を痙攣させて、頭が朦朧とする瑞稀の腰の下にクッションを差し込むと、晴人は自分のズボンをずらす。
 そして瑞稀の足を大きく広げ、ほとんど顔の横に膝が着きそうな体勢にした。
 楔も睾丸も、睾丸と後孔の間の会陰部蟻の門渡りも後孔も双丘も…。
 恥ずかくて誰にも見せられないところが、晴人に丸見えとなる。

恥ずかしい。
でも……。

 晴人の熱い視線を感じると、『早く晴人が欲しい』と後孔がひくつく。

「痛かったら言ってくれ」
 瑞稀が頷くと、ずぶりずぶりとゆっくり晴人の楔が、瑞稀の中に入ってくる。
 ほぐされたはずの中は、晴人の楔が入っていき、ますます広げられる。
 腹の中が広げられ苦しいが、その苦しささえ幸せな気持ちになってくる。
 気持ちが昂り、はらりと瑞稀の目から涙がこぼれた。

「痛い?」
 晴人は動きをとめ、心配そうに瑞稀を見る。
 フルフルと瑞稀は首を横に振り、
「晴人さんと…一つになれたことが…嬉しすぎて…、幸せ…すぎて…」
 瑞稀は晴人の楔が入っている下腹を、優しく撫でる。
「瑞稀…」
 晴人の目にも涙が溜まる。
「好きだよ…。初めて会った時から、ずっと…」
 瑞稀を抱きしめながら、晴人は瑞稀の内壁をこじ開けるように、楔を瑞稀の中に挿れた。
 あまりの圧迫感に、瑞稀は息を止めてしまう。

「瑞稀…息…できる?」
 晴人に髪を優しく撫でられるが、瑞稀は力が入りすぎて息ができない。
 晴人は瑞稀の唇にキスをし、力が入る瑞稀の唇と前歯を舌でこじ開け、優しく舌を絡める。
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