愛され南田くんは、寂しがり屋の甘えたです 〜無自覚甘えたが止まりません〜

健、優美、大暴走

と、その頃、健は……。

「長野くん、早く帰って来て。話が全然進まないでしょ」

　実は健。ミーティングの最中に優斗からのメッセージと写メを受け取り、「少し席を外します」と会議室を出、優斗に電話をかけていたのだ。
　そして健の帰りが遅いため、ミーティングに参加していた優美が健を迎えにきた…と、なっていた。

「……」
　優美に話しかけられたが、健はスマホの画面を見つめ、優美の話には無反応。
「長野くん、聞いてます？」
　健の顔を優美が覗き込むと、
「有馬…優斗が可愛すぎる…」
　健はスマホの画面を凝視し続ける。
「優斗くんが可愛いのは周知の事実。今はミーティングに帰ってきて」
「え？だってこれだぞ」
　健が優美に先ほど優斗から送られてきた写メを見せると、優美は目をキラキラさせ、健のスマホを奪い取った。
「！！なにこの天使！！」
　2人して健のスマホを凝視する。
「な！この可愛さヤバいだろ？」
「うん！可愛すぎ！この写メ、私にも送って！」
「えーーー…、嫌…」
　健がサッとスマホを背後に隠す。
「待ち受けにするんだから。送って！」
　優美は背後に隠されたスマホを、取りに行く。
「俺が優斗の画像を待ち受けにできないのに、なんで有馬が待ち受けにするんだよ」
「いつもは、優斗くん独り占めしてるでしょ？私も本当はしたいんだからね。その写メ送ってくれないと、今度のお休み、私、優斗くんにデートの申し込みするから」
「それは残念でした。次の休みは2人で俺の家族に会うことになってる」
　健は得意げ。
「とうとう家族に紹介！いいな～」
　優美と健、2人、優斗の話で盛り上がっていると、
「あの～、有馬さん、長野さん……、そろそろミーティングに帰って来てください…」
　他のメンバーに呼ばれ、
「！！…すみません…」
「！！…すみません…」
　慌てて会議室に戻ったのだった。