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すれ違い ⑧ 〜健side〜
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『うん…。健、本当に怒ってない?』
「怒ってない。…好きだよ、優斗」
優斗に対しての、愛おしい気持ちが溢れた。
『も~健、その声ずるい!すぐに会いたくなっちゃうじゃん!』
優斗が頬を膨らましただろうと思うと、ふっと微笑んでしまう。
「本当は俺も会いたけど、また明日、な。で、明日は一緒にお風呂入ろ」
『も~なんで健の方が余裕なの?さっきまでそんな感じじゃなかったのに~!』
優斗、子リスみたいに頬を膨らませてるんだろうな。
もう可愛くて可愛くてしかたない。
健はこんなに愛おしいのに、すぐに抱きしめられないのが寂しいかった。
「こんな俺のこと、嫌いになった?」
『そ、そんなこと…。健を嫌いになることなんてないよ!』
「じゃあ、何って思ってる?」
『え!?それは……』
この声は、顔を真っ赤にしながら照れてる時の声。
「言って欲しいな。言ってくれたら、今日の仕事も明日の仕事も頑張れる。な、お願い!」
こんなこと言うと、優斗が困ってしまうとわかっているが、どうしても言って欲しい。
『わかってるくせに…』
困った様子も可愛い。
「うん、わかってる。でも優斗の口から聞きたい」
『言って欲しい?』
「言って欲しい」
『言ったら頑張れる?』
「頑張れる」
『……、じゃあ、一回しか言わないからね…』
「うん!」
やった!
少し意地悪なわがままを聞いてもらえ、健は嬉しさでいっぱいだ。
『………。健、大好きだよ。本当に大好き。本当に本当に大好き。健の全部、大好きだよ。仕事大変だと思うけど…、明日、たくさんギュッてしてあげるから、頑張ってね』
………。
健の頭がフリーズする。
ちょっと待ってくれ…。
今…、なにって…?
優斗の言葉が、頭の中でリプレイされる。
まず「大好き」って言ってくれたよな。
それで「全部、大好き」って言ってくれたよな。
それから、確か…仕事頑張ったら『明日、たくさんギュッてしてあげる』ともいってた…。
そして、また頭がフリーズする。
「………」
こんな事あっていいのか?
こんな最高なことあって、いいのか?
『どう…だった…?』
はにかむ優斗の姿を想像してしまう。
「………」
健の帰りを心待ちにしている優斗の姿を、想像してしまう。
『あれじゃあ…元気、でなかった…?』
少し心配そうな優斗の声も愛おしい。
健の中の優斗の可愛さが、溢れ出し…、
「ヤバい…」
『?ヤバい?何がヤバいの?』
「優斗が可愛過ぎて、ヤバい…。え?ちょっと待って。本当にヤバい…。マジで可愛過ぎて、ヤバいんだけど…。可愛すぎる…ヤバい…。俺の優斗が可愛すぎる…」
もう優斗に言ってるのか、独り言なのか?わからない。
ただわかることは、健は優斗の可愛さにやられて、語彙力がなくなっていることだ。
完璧に健の脳内は『優斗、可愛すぎる』でいっぱいだ。
『もう!そんなに可愛い可愛い言わないで!恥ずかしいじゃん!』
「え?だってマジで可愛い。世界で一番可愛い。本当に可愛い」
どうしてこの可愛さがつたわらない?と、力説するが、力説している相手が優斗なので、どうもおかしな話になっている。
『もうわかったって!わかったから、もう「可愛い」って言わないで…。俺のこと可愛いって思ってくれてるなら、明日は…早く帰ってきて…』
恥ずかしながらも、健の帰りを待ってくれていることが、嬉しくてたまらない。
「!!優斗!!どうして会えない日に、そんな可愛いこと言うんだよ…。マジで会いたくなる!でも今日は仕事頑張って、明日の分も終わらせてくる!それで、明日、優斗の好きなケーキ買って帰る!優斗、何が食べたい?」
今日買ったケーキは一緒に食べられないけど、明日は絶対!なにがあっても早く帰って、一緒に食べる!
急な会議の招集がかかっても、絶対に行かない!
『レアチーズケーキが、食べたいです!』
元気な優斗の声がする。
「レアチーズケーキね。了解。絶対買って帰るから、待ってて。仕事、光の速さで終わらせてくるから」
すぐに優斗の元に帰るから。
だから、待ってて。
『光の速さって』
あははと、楽しそうに優斗が笑う。
『じゃあ仕事頑張ってる健にご褒美あげる』
「ご褒美?」
『うん。夕食の後、時間があったら膝枕してあげる』
「膝枕!?」
喜びのあまり、健の声がうわずる。
今、膝枕してくれるっていってた?
『膝枕で映画鑑賞だよ。どう?頑張れそう?』
「映画鑑賞ってことは、映画観てる間ずっと膝枕?」
映画鑑賞中、優斗を独り占め!?
『それじゃご褒美にならない?』
「最上級のご褒美!!ありがとう優斗!仕事頑張る!優斗のために、膝枕のために頑張ってくるよ!」
最高の提案に電話越しの健は、喜びで飛び跳ねそうになる。
『でも、あんまり無理しないでね。大好きだよ、健。またいっぱいイチャイチャしようね』
優斗は健に音が聞こえるように『チュッ』とキスをする。
「!!」
今、電話越しに、何が起こったのか、一瞬わからなかった。
でも…あの音は…、もしかして…!?
「今、スマホ越しにキスしてくれた!?!あー、ヤバい!マジヤバい!仕事頑張ってくる。優斗は大人しく寝てるんだぞ!俺が壊れるから、それ以上可愛くなるなよ!おやすみ優斗。愛してる!」
そういうと健は電話を切った。
健は目を閉じ、優斗との会話を思い出す。
照れたり、はにかんだり…。
可愛すぎて仕方ない。
言葉の行き違いで、悲しい思いをさせてしまったけど、これからはあんな思いはさせない。
いつまでも、優斗の笑顔を守っていきたい。
健の疲れ切った体と気持ちは、優斗との会話で一気に癒されていった。
「怒ってない。…好きだよ、優斗」
優斗に対しての、愛おしい気持ちが溢れた。
『も~健、その声ずるい!すぐに会いたくなっちゃうじゃん!』
優斗が頬を膨らましただろうと思うと、ふっと微笑んでしまう。
「本当は俺も会いたけど、また明日、な。で、明日は一緒にお風呂入ろ」
『も~なんで健の方が余裕なの?さっきまでそんな感じじゃなかったのに~!』
優斗、子リスみたいに頬を膨らませてるんだろうな。
もう可愛くて可愛くてしかたない。
健はこんなに愛おしいのに、すぐに抱きしめられないのが寂しいかった。
「こんな俺のこと、嫌いになった?」
『そ、そんなこと…。健を嫌いになることなんてないよ!』
「じゃあ、何って思ってる?」
『え!?それは……』
この声は、顔を真っ赤にしながら照れてる時の声。
「言って欲しいな。言ってくれたら、今日の仕事も明日の仕事も頑張れる。な、お願い!」
こんなこと言うと、優斗が困ってしまうとわかっているが、どうしても言って欲しい。
『わかってるくせに…』
困った様子も可愛い。
「うん、わかってる。でも優斗の口から聞きたい」
『言って欲しい?』
「言って欲しい」
『言ったら頑張れる?』
「頑張れる」
『……、じゃあ、一回しか言わないからね…』
「うん!」
やった!
少し意地悪なわがままを聞いてもらえ、健は嬉しさでいっぱいだ。
『………。健、大好きだよ。本当に大好き。本当に本当に大好き。健の全部、大好きだよ。仕事大変だと思うけど…、明日、たくさんギュッてしてあげるから、頑張ってね』
………。
健の頭がフリーズする。
ちょっと待ってくれ…。
今…、なにって…?
優斗の言葉が、頭の中でリプレイされる。
まず「大好き」って言ってくれたよな。
それで「全部、大好き」って言ってくれたよな。
それから、確か…仕事頑張ったら『明日、たくさんギュッてしてあげる』ともいってた…。
そして、また頭がフリーズする。
「………」
こんな事あっていいのか?
こんな最高なことあって、いいのか?
『どう…だった…?』
はにかむ優斗の姿を想像してしまう。
「………」
健の帰りを心待ちにしている優斗の姿を、想像してしまう。
『あれじゃあ…元気、でなかった…?』
少し心配そうな優斗の声も愛おしい。
健の中の優斗の可愛さが、溢れ出し…、
「ヤバい…」
『?ヤバい?何がヤバいの?』
「優斗が可愛過ぎて、ヤバい…。え?ちょっと待って。本当にヤバい…。マジで可愛過ぎて、ヤバいんだけど…。可愛すぎる…ヤバい…。俺の優斗が可愛すぎる…」
もう優斗に言ってるのか、独り言なのか?わからない。
ただわかることは、健は優斗の可愛さにやられて、語彙力がなくなっていることだ。
完璧に健の脳内は『優斗、可愛すぎる』でいっぱいだ。
『もう!そんなに可愛い可愛い言わないで!恥ずかしいじゃん!』
「え?だってマジで可愛い。世界で一番可愛い。本当に可愛い」
どうしてこの可愛さがつたわらない?と、力説するが、力説している相手が優斗なので、どうもおかしな話になっている。
『もうわかったって!わかったから、もう「可愛い」って言わないで…。俺のこと可愛いって思ってくれてるなら、明日は…早く帰ってきて…』
恥ずかしながらも、健の帰りを待ってくれていることが、嬉しくてたまらない。
「!!優斗!!どうして会えない日に、そんな可愛いこと言うんだよ…。マジで会いたくなる!でも今日は仕事頑張って、明日の分も終わらせてくる!それで、明日、優斗の好きなケーキ買って帰る!優斗、何が食べたい?」
今日買ったケーキは一緒に食べられないけど、明日は絶対!なにがあっても早く帰って、一緒に食べる!
急な会議の招集がかかっても、絶対に行かない!
『レアチーズケーキが、食べたいです!』
元気な優斗の声がする。
「レアチーズケーキね。了解。絶対買って帰るから、待ってて。仕事、光の速さで終わらせてくるから」
すぐに優斗の元に帰るから。
だから、待ってて。
『光の速さって』
あははと、楽しそうに優斗が笑う。
『じゃあ仕事頑張ってる健にご褒美あげる』
「ご褒美?」
『うん。夕食の後、時間があったら膝枕してあげる』
「膝枕!?」
喜びのあまり、健の声がうわずる。
今、膝枕してくれるっていってた?
『膝枕で映画鑑賞だよ。どう?頑張れそう?』
「映画鑑賞ってことは、映画観てる間ずっと膝枕?」
映画鑑賞中、優斗を独り占め!?
『それじゃご褒美にならない?』
「最上級のご褒美!!ありがとう優斗!仕事頑張る!優斗のために、膝枕のために頑張ってくるよ!」
最高の提案に電話越しの健は、喜びで飛び跳ねそうになる。
『でも、あんまり無理しないでね。大好きだよ、健。またいっぱいイチャイチャしようね』
優斗は健に音が聞こえるように『チュッ』とキスをする。
「!!」
今、電話越しに、何が起こったのか、一瞬わからなかった。
でも…あの音は…、もしかして…!?
「今、スマホ越しにキスしてくれた!?!あー、ヤバい!マジヤバい!仕事頑張ってくる。優斗は大人しく寝てるんだぞ!俺が壊れるから、それ以上可愛くなるなよ!おやすみ優斗。愛してる!」
そういうと健は電話を切った。
健は目を閉じ、優斗との会話を思い出す。
照れたり、はにかんだり…。
可愛すぎて仕方ない。
言葉の行き違いで、悲しい思いをさせてしまったけど、これからはあんな思いはさせない。
いつまでも、優斗の笑顔を守っていきたい。
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