愛され南田くんは、寂しがり屋の甘えたです 〜無自覚甘えたが止まりません〜

本当は嬉しいんだ

「健、忙しいのに今日はありがとう。帰り気をつけてね」
優斗は健の頬に『おやすみ』のキスをしようとしたが、風邪がうつるかも…と、途中でやめた。
「え？俺帰らないよ」
健はさも当たり前のように言った。
「え⁉︎だって早く帰らないと、明日の仕事に響くよ‼︎」

本当は一緒にいたいけど、そんな事をしたら風邪うつすかもしれないし、仕事に支障が出ると思うから…

「俺は元気になったから大丈夫‼︎」
優斗は健に心配かけないようにと、気持ちを隠すように元気に振る舞う。
「優斗の家に泊まれるように、歯ブラシとかコンビニで買ってきたし」
健はコンビニで揃う、お泊りセットを優斗に見せた。
「な。だから今日は付きっきりで優斗の看病。早く元気になって」
そういうと、健は優斗の唇にチュッと軽いキスをした。
「‼︎俺、風邪ひいてるんだからキスしたら、健にうつしちゃうよ‼︎」
優斗は急いでティッシュで健の唇を拭こうとすると、それを健が阻止する。
「優斗、今日はいつもみたいに甘えないの？」
健は少し意地悪そうに優斗を見た。
「…甘えたい…」

そんなの、したいに決まってるじゃん…

「してもいいよ」
「いいの？」
「いいよ。ほら、おいで」
健が腕を大きく開いた。
その瞬間、優斗は健の胸に飛び込んだ。
「これが一番元気になりそう」
胸の高鳴りを噛みしめつつ、優斗は嬉しそうに健を見上げる。
「健ありがとう。好き」
無意識のうちに優斗が健の頬にキスをした。
「俺もだよ。だから早く良くなれよ」
健がまた優斗の唇にキスをしようとしたのを、
「それはダメ」
こんどは優斗が阻止した。
「ここにして欲しいな」
優斗が自分の頬を指差すと、健は優斗のいう通り頬にキスをした。

「じゃあもう寝たほうがいい。おやすみ優斗」
健は優斗をベッドに寝かせる。
「優斗が眠るまでそばに居るから、安心して寝ていいよ」
「うん。おやすみ健」
健が見守る中、優斗は眠りについた。