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「それでは、アンソニー様にお願いします!!!」

アンソニー様は真ん中に立ちました。そして……私はアンソニー様の一歩後ろに立ちました。

「私はこれから……ここにいる公爵令嬢クレアと婚約することを誓います!!!」

この発表を聞いて、観衆の大部分は拍手喝采でした。それは、ソーニャも例外ではありませんでした。


「さて……クレアにもこの場で宣誓してもらおうかな……」

アンソニー様は言いました。

「私がですか???」

こう言った場所で女が何か言葉を発することはありませんでした。私どもに決定権はなかったのです。

「いいじゃないか。君の誓いを聞かせてほしいなあ……」

アンソニー様に言われてしまったので、私も宣誓することを決意しました。

「ええ……それでは……」

私は大部恐縮してしまいました。このような機会が初めてでした。

「私もこの場におきまして、第一王子アンソニー様と婚約することを誓いたいと思います!!!」

誓った以上は破ることができない……どちらかに重大な問題が発生しない限りはです。


披露宴が無事に終わって、私とアンソニー様はそのまま王宮に入りました。

「君の趣味は把握していないが……一応、作ってみたんだが。どうかね???」

アンソニー様によってつくられた部屋……非常に簡素でありましたが落ち着きのある、まるで湖のほとりに立つ別荘のような静けさを醸し出しておりました。

「あの日会って……君の趣味を勝手ながら推測してみた。お気に召しただろうか???」

「ええ、十分すぎるくらいだと思います……私にしては……」

「おお、そうなのか。そう言ってくれると嬉しいなあ!!!」

アンソニー様も随分喜んでいました。これから二人の生活が始まる……二人だけの。そう思っておりました。

「私を除け者にしていませんか???」

この声は……ご想像の通りソーニャでした。

「ソーニャ……あなた、どこから入って来たの???」

だって、誰も彼女がこの王宮に入ることを許可するとは思えませんでした。アンソニー様以外は。

「アンソニー様……ひょっとして、あなた様が許可したのですか???」

「いや、私が直接許可したわけではないんだが……私たちの様子を見ていた皇帝陛下が、お認めになったとこういうわけなんだ……」

「皇帝陛下が御認めになった???それは本当ですか???」

「ああ、皇帝陛下もソーニャのことをご存じだったんだ。そして……早便で私がソーニャを助けたことを知ってな、これも何かのご縁だと。だから……私の希望次第ではあるが、彼女を側室に迎え入れるか……」

なんで、話が勝手に進んでいるのでしょうか。私には分かりませんでした。

「これからよろしくお願いしますね。クレア」

私は彼女にかける言葉が見つかりませんでした。
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