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「おいおい、本当にこれからどうなってしまうんだ!!!」

 皇帝陛下の脅える声が聞こえた。私を巻き込んだ嵐は私の思い通りに破壊を続けた。神様が許してくれた通りに。皇帝陛下の隣にはやはり脅えるテレサやロベルトの姿があった。

「おーい、聖女なんだからどうにかしろよ!!!」

 皇帝陛下は憤っていた。仕方がない……テレサの聖女力はほとんど無効になっている。私が聖女として段々と復活してきているのだ。

「こうなったら、ソフィアに戻ってきてもらうか!!!」

 皇帝陛下は言った。皇帝陛下の取り巻きたちも、その意見に賛成した。



 下らない……本当に下らない。神様が言う通り、この世界は一度壊したほうがいいと思った。

「どうしてですか?」

 テレサは皇帝陛下に反論した。

「何度も言う通り……聖女は私一人で十分なのですっ!!!」

 まだ言っている……私はとっくに悪女だが、それ以上に悪女なのは間違いなくテレサである。

 私はそっと溜息をついた……この溜息が更に嵐を大きくして、いよいよ王宮の破壊に取り掛かった。

「壊れていく……誰か、あの嵐を止められないのか!!!」

 皇帝陛下が最後にテレサに期待するのだが……神様を、私を怒らせてしまったらどうにもならないのだ。


 そのまま消えてしまえばいい……命乞いする人々を嵐が呑み込んでいく。

 お姉様、ソフィア、と私のことを信じる人間たちの声が聞こえた。私は耳を傾けなかった。だって、そんなことをしても意味がないから。


「ソフィア……」

 最後に、静かに私の名を呼ぶ男がいた。その名はロベルト。

 私は彼だけを助けた。根拠はない。突発的だった。

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