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「まあ、私に任せてもらえば全て回復するから……」

サイクリック様は言いました。

「ならば早くやってくれ……頼む!!!」

「まあまあ、そんなに焦るなって……」

サイクリック様はいつでも冷静でした。これがいいのか悪いのか……まあ正直微妙なところではありました。

「ちょっと……いい加減にしてくれませんかね???」

エリザベートは相変わらずの物言いでした。

「あの……君はそんなに私を挑発して、一体どうするつもりなのかな???私に敵対してメリットなんか、何も無いと思うんだがね……」

「別に敵対しているわけではございません。ただ……あなた様のことが許せないだけなんです」

「ならばこうしよう。君の名誉にかけて、ランゲルハンス殿は助け……君は助けない。つまり、このまま死んでいく運命を受け入れるってことになるが……それでいいのかね???」

サイクリック様は質問しました。

「ええ、それで結構でございます」

エリザベートは答えました。

「そうかそうか……本当にそう思うんだな???ならば話は早い。そう言うことにしようじゃないか。ああ、そうなんだ……分かったぞ……」

サイクリック様にも段々と火がついたようでございました。まあ、これだけ挑発されたら、誰だって困るでしょう。当然のことなのです。

「お前は死んでしまえばいい!!!」

「結構です……」

お互いに譲らない戦い……大して意味があるとは思えませんでしたけれども……。

「これでいいな、マリア……」

サイクリック様は私の名前を告げました。

「マリア???ここにいるのか???」

「ええ、最初からここにおりますわよ」

「……その声は、まさしくマリア???」

エリザベートもようやく気が付いたようでした。

「毎度お騒がせしております……公爵令嬢のマリアでございます!!!」

ようやく私の出番が回って参りました。ああ、長かった……実に長かった。一体どれだけの月日が流れたと言うのでしょうか。サイクリック様が仕掛けた魔法のせいで……長い月日が一瞬に感じたのです。


「あなたたち……随分と年を取りましたわね……」

私は言いました。ええ、事実なんです。子供とは言いませんが、私はまだ幼かったと思います。正確に言えば、私以上に彼らが年を取ってしまった……まあ、そう言うことでしょうか。

よくある話ですね。こう言うのは。

「いやあ、これまた久しぶりだねえ……」

ランゲルハンス様も少し困惑しているご様子でした。

「お久しぶりですわね。それで……ランゲルハンス様だけ生き延びる未来を選ばれるわけなんですね???」

私は質問しました。

「なんで……そんなこと言ってないでしょう!!!」

エリザベートが急に反論を始めました。いくら反論したところで、事実を捻じ曲げることはできない……というわけですがね……。
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