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「さあさあ、これ以上のいさかいは止めましょう。私だって、ランゲルハンス様を癒す方法は存じております。このまま放置したら……私が送り込んだ細菌がもっともっと悪さをすることになるでしょうね。そうしたら、いよいよ取返しのつかないことになってしまいますから……。

「あなた……私に隠れて、ランゲルハンス様とそこまで親密な???」

これ以上話が進むと、エリザベートは本気でこの女を殺すと思いました。彼女はそれだけ嫉妬深かった……でもそれ以上に女の方が深刻だったのです。

「ああ、仮にあなたが私を殺した場合、あなたも一緒に死ぬことになるんですよ。この病の治し方を知っているのは、世界で私しかいない……私に巣食う細菌たちの仕業なのですから……」

なるほど……女は人と交わる度に病気をばらまいていたというわけですか。

「あなたの目的は何なの???」

エリザベートは尋ねました。

「目的ですか……強いて言えば、あなたがたのような下らない人間を排除するお仕事、って感じですかね???」

「排除???」

エリザベートには理解できませんでした。

「そうです、排除です」

「どうして、私たちが排除されなきゃならないのよ???ランゲルハンス様は次期皇帝で、私はその妃となる人間なのよ???」

「いいえ、誰もそんな未来を望んでおりません」

「なんですって!!!!!」

怒るエリザベートに対し、女は冷静でした。

「ですから……何度も申し上げております通り、あなたがたはもうこの世界にはいらないのですよ……この件については皇帝陛下も納得されていらっしゃいますから……」

ああ、話が伝わっていくのは早いと思いました。それもそのはず、これは非常に重大な問題を抱えているわけですから。

「新しい世界の統治者に相応しいのは……マリア様だと確信しております……」

「マリアですって???」

ここで私の名前が登場するのは、予想外のことでした。

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