14 / 15
14
しおりを挟む
「こういうふざけた議論はやめてもらいたい!!!」
他の貴族たちの反感を買いながらも、お父様は話を強引に進めました。
「もうよろしいですね???皇帝陛下???」
皇帝陛下は頷きました。
「そんな……どうしてですか……」
人々が戸惑うのは当然でした。噂には聞いていたかもしれませんが、これほどまで、王家とランドン家に深いつながりがあることを知っている者はいなかったのでしょう。
「ランドン家に王位継承の権利を与える……」
皇帝陛下はあっさりと認めてしまいました。これで、話がどんどん進んでいきます。
家に帰って来たお父様は盛り上がっておりました。
「これで、全てが達成されたわけだ。我が家にとっての悲願がいよいよ叶うというわけだ……」
「ええ、本当に長い時間がかかりました。ですが……結局のところ誰も逆らうことはできないんですね」
次の皇帝陛下はお兄様……そして、妃となるのは???
やめましょう、私はこの議論から逃げたかったのです。私が少しずつ距離をとりはじめたのに気が付いた二人は、
「どこに行くんだ???」
と私に質問をしました。
「いやあ、あの、その……」
「逃げる必要はないだろう。これから重大な話があるんだ。心して聞いてくれ……」
お父様が再び話し始めました。
「知っての通り、マリアを王家に嫁がせたのは、次期皇帝の妃にマリアがなることで、我がランドン家と王家の繋がりをより強固なものにし、この世界の安寧を保つ、ということだった。だがな……その関係が崩れてしまった以上、この議論はもはや意味がないと思うんだ。分かるかね???王家は間もなく滅び、我がランドン家の時代がやって来る。パイプとか、そう言うめんどくさいしがらみはもはや不要なんだ。言い方は悪いが、君がこの家に生まれた瞬間、君の運命は決まっていた。だが、いい意味でも悪い意味でも、両方の考え方ができると思うけど……その運命はまた変わってしまった……さあ、君が婚約する相手と言うのは……」
「お兄様、ということですか???」
「なんだ、分かっているならそれでよろしい」
「お父様……あの、お兄様にも一応確認しますけど、本気でおっしゃっているんですよね???」
「本気に決まっているだろう。嘘をつく必要があるのか???これは非常に重要な話だからな……」
重要な話ということは分かっておりましたが……うーん、私は本当にお兄様と婚約することになってしまうのでしょうか???
他の貴族たちの反感を買いながらも、お父様は話を強引に進めました。
「もうよろしいですね???皇帝陛下???」
皇帝陛下は頷きました。
「そんな……どうしてですか……」
人々が戸惑うのは当然でした。噂には聞いていたかもしれませんが、これほどまで、王家とランドン家に深いつながりがあることを知っている者はいなかったのでしょう。
「ランドン家に王位継承の権利を与える……」
皇帝陛下はあっさりと認めてしまいました。これで、話がどんどん進んでいきます。
家に帰って来たお父様は盛り上がっておりました。
「これで、全てが達成されたわけだ。我が家にとっての悲願がいよいよ叶うというわけだ……」
「ええ、本当に長い時間がかかりました。ですが……結局のところ誰も逆らうことはできないんですね」
次の皇帝陛下はお兄様……そして、妃となるのは???
やめましょう、私はこの議論から逃げたかったのです。私が少しずつ距離をとりはじめたのに気が付いた二人は、
「どこに行くんだ???」
と私に質問をしました。
「いやあ、あの、その……」
「逃げる必要はないだろう。これから重大な話があるんだ。心して聞いてくれ……」
お父様が再び話し始めました。
「知っての通り、マリアを王家に嫁がせたのは、次期皇帝の妃にマリアがなることで、我がランドン家と王家の繋がりをより強固なものにし、この世界の安寧を保つ、ということだった。だがな……その関係が崩れてしまった以上、この議論はもはや意味がないと思うんだ。分かるかね???王家は間もなく滅び、我がランドン家の時代がやって来る。パイプとか、そう言うめんどくさいしがらみはもはや不要なんだ。言い方は悪いが、君がこの家に生まれた瞬間、君の運命は決まっていた。だが、いい意味でも悪い意味でも、両方の考え方ができると思うけど……その運命はまた変わってしまった……さあ、君が婚約する相手と言うのは……」
「お兄様、ということですか???」
「なんだ、分かっているならそれでよろしい」
「お父様……あの、お兄様にも一応確認しますけど、本気でおっしゃっているんですよね???」
「本気に決まっているだろう。嘘をつく必要があるのか???これは非常に重要な話だからな……」
重要な話ということは分かっておりましたが……うーん、私は本当にお兄様と婚約することになってしまうのでしょうか???
1
お気に入りに追加
341
あなたにおすすめの小説
婚約していないのに婚約破棄された私のその後
狭山ひびき@バカふり160万部突破
恋愛
「アドリエンヌ・カントルーブ伯爵令嬢! 突然ですまないが、婚約を解消していただきたい! 何故なら俺は……男が好きなんだぁああああああ‼」
ルヴェシウス侯爵家のパーティーで、アドリーヌ・カンブリーヴ伯爵令嬢は、突然別人の名前で婚約破棄を宣言され、とんでもないカミングアウトをされた。
勘違いで婚約破棄を宣言してきたのは、ルヴェシウス侯爵家の嫡男フェヴァン。
そのあと、フェヴァンとルヴェシウス侯爵夫妻から丁重に詫びを受けてその日は家に帰ったものの、どうやら、パーティーでの婚約破棄騒動は瞬く間に社交界の噂になってしまったらしい。
一夜明けて、アドリーヌには「男に負けた伯爵令嬢」というとんでもない異名がくっついていた。
頭を抱えるものの、平平凡凡な伯爵家の次女に良縁が来るはずもなく……。
このままだったら嫁かず後家か修道女か、はたまた年の離れた男寡の後妻に収まるのが関の山だろうと諦めていたので、噂が鎮まるまで領地でのんびりと暮らそうかと荷物をまとめていたら、数日後、婚約破棄宣言をしてくれた元凶フェヴァンがやった来た。
そして「結婚してください」とプロポーズ。どうやら彼は、アドリーヌにおかしな噂が経ってしまったことへの責任を感じており、本当の婚約者との婚約破棄がまとまった直後にアドリーヌの元にやって来たらしい。
「わたし、責任と結婚はしません」
アドリーヌはきっぱりと断るも、フェヴァンは諦めてくれなくて……。
今更あなたから嫉妬したなんて言われたくありません。
梅雨の人
恋愛
幼き頃に婚約したエルザと王太子ルーカス。
将来を語り合い寄り添い続けた二人は、いつしか互いに気持ちを通わせあい、夫婦になれる日を心から楽しみにしていた。
すべてが順調に行き、二人の婚姻式があと少しという所で、突然現れた聖女とルーカスが急接近していく。
そしてついに聖女と一線を越えてしまったルーカスは責任をとる為、浮気相手の聖女を王太子妃として娶ることになってしまった。
一方エルザは婚約破棄が王に認められず、王太子妃の代わりに執務に公務をこなすために第二王太子妃にされてしまう。
エルザを妻として娶ることを心待ちにしていたルーカスだったが、王太子妃である聖女の束嫉妬が激しくエルザを蔑ろにしてしまう。
心無い周囲の声にただ一人耐え続けるエルザのもとに、側近として現れたダグラス。
ダグラスのおかげで次第に笑顔を取り戻すエルザと、二人を見て嫉妬にかられるルーカス。
そんなルーカスに対してエルザは言い放った。
不貞の末に妻二人も娶ったあなたに------今更嫉妬したなんて言われたくはありません。
最愛の妻の元家族達が、ちょっかいを出しにやってくるので
柚木ゆず
恋愛
僕の妻は以前隣国でレベッカという名前の男爵令嬢として生きていて、家族達の醜悪な計画に反対して家を去ったという過去がある。
最愛の人が名前と貴族籍を捨ててから、11年後。マルスリーヌという名の平民として第2の人生を送っていた妻のもとに、かつて彼女の父と母と姉だった3人が現れたのだった。
厄介な人間達がわざわざ探して、会いに来るだなんて。放ってはおけないね。
百姓貴族はお呼びじゃないと言われ婚約破棄をされて追放されたので隣国で農業しながら幸せになります!
ユウ
恋愛
多くの女神が存在する世界で豊穣の加護というマイナーな加護を持つ伯爵令嬢のアンリは理不尽な理由で婚約を破棄されてしまう。
相手は侯爵家の子息で、本人の言い分では…
「百姓貴族はお呼びじゃない!」
…とのことだった。
優れた加護を持たないアンリが唯一使役出るのはゴーレムぐらいだった。
周りからも馬鹿にされ社交界からも事実上追放の身になっただけでなく大事な領地を慰謝料変わりだと奪われてしまう。
王都から離れて辺境地にて新たな一歩をゴーレムと一から出直すことにしたのだが…その荒れ地は精霊の聖地だった。
森の精霊が住まう地で農業を始めたアンリは腹ペコの少年アレクと出会うのだった。
一方、理不尽な理由でアンリを社交界から追放したことで、豊穣の女神を怒らせたことで裁きを受けることになった元婚約者達は――。
アンリから奪った領地は不作になり、実家の領地では災害が続き災難が続いた。
しかもアンリの財産を奪ったことがばれてしまい、第三機関から訴えられることとなり窮地に立たされ、止む終えず、アンリを呼び戻そうとしたが、既にアンリは国にはいなかった。
浮気中の婚約者が私には塩対応なので塩対応返しすることにした
今川幸乃
恋愛
スターリッジ王国の貴族学園に通うリアナにはクリフというスポーツ万能の婚約者がいた。
リアナはクリフのことが好きで彼のために料理を作ったり勉強を教えたりと様々な親切をするが、クリフは当然の顔をしているだけで、まともに感謝もしない。
しかも彼はエルマという他の女子と仲良くしている。
もやもやが募るもののリアナはその気持ちをどうしていいか分からなかった。
そんな時、クリフが放課後もエルマとこっそり二人で会っていたことが分かる。
それを知ったリアナはこれまでクリフが自分にしていたように塩対応しようと決意した。
少しの間クリフはリアナと楽しく過ごそうとするが、やがて試験や宿題など様々な問題が起こる。
そこでようやくクリフは自分がいかにリアナに助けられていたかを実感するが、その時にはすでに遅かった。
※4/15日分の更新は抜けていた8話目「浮気」の更新にします。話の流れに差し障りが出てしまい申し訳ありません。
側妃のお仕事は終了です。
火野村志紀
恋愛
侯爵令嬢アニュエラは、王太子サディアスの正妃となった……はずだった。
だが、サディアスはミリアという令嬢を正妃にすると言い出し、アニュエラは側妃の地位を押し付けられた。
それでも構わないと思っていたのだ。サディアスが「側妃は所詮お飾りだ」と言い出すまでは。
聖女じゃないからと婚約破棄されましたが計画通りです。これからあなたの領地をいただきにいきますね。
和泉 凪紗
恋愛
「リリアーナ、君との結婚は無かったことにしてもらう。君の力が発現しない以上、君とは結婚できない。君の妹であるマリーベルと結婚することにするよ」
「……私も正直、ずっと心苦しかったのです。これで肩の荷が下りました。昔から二人はお似合いだと思っていたのです。マリーベルとお幸せになさってください」
「ありがとう。マリーベルと幸せになるよ」
円満な婚約解消。これが私の目指したゴール。
この人とは結婚したくない……。私はその一心で今日まで頑張ってきた。努力がようやく報われる。これで私は自由だ。
土地を癒やす力を持つ聖女のリリアーナは一度目の人生で領主であるジルベルト・カレンベルクと結婚した。だが、聖女の仕事として領地を癒やすために家を離れていると自分の妹であるマリーベルと浮気されてしまう。しかも、子供ができたとお払い箱になってしまった。
聖女の仕事を放り出すわけにはいかず、離婚後もジルベルトの領地を癒やし続けるが、リリアーナは失意の中で死んでしまう。人生もこれで終わりと思ったところで、これまでに土地を癒した見返りとしてそれまでに癒してきた土地に時間を戻してもらうことになる。
そして、二度目の人生でもジルベルトとマリーベルは浮気をしてリリアーナは婚約破棄された。だが、この婚約破棄は計画通りだ。
わたしは今は二度目の人生。ジルベルトとは婚約中だけれどこの男は領主としてふさわしくないし、浮気男との結婚なんてお断り。婚約破棄も計画通りです。でも、精霊と約束したのであなたの領地はいただきますね。安心してください、あなたの領地はわたしが幸せにしますから。
*過去に短編として投稿したものを長編に書き直したものになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる