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ポワソン様は結局、私がいなくなってから2人の女を抱くことになりました。
「ああああんんっ、素敵ですわあああっ!!!!!」
女たちは声を張り上げました。本当に気持ちよかったのかどうかはわかりません。ですが彼から相手をされたくなるリスクを考えると、仕方なかったのでしょう。
( 私としてはこれでよかった。後は皇帝陛下に気づかれないようにしなければならない。もしこの事態がばれてしまったら大変なことになってしまう…)
既に大変なことになっていることを気づいていなかったのでしょう。
私はすぐさま家に帰りました。お父様とお兄様が私の帰りを待っていました。
「おお、マリア。久しぶりだな」
「お父様、お兄様。お久しぶりでございます」
「予定通り婚約破棄されたのかな???」
「ええ、その通りでございます」
「そうかそうか、それにしてもポワソン様というのは、なかなかこの世界を理解していらっしゃらないのだな……」
「歴史の勉強をあまりなさっていないのでしょうね……」
「だって、ポワソン様の成績はあまり良くないですからね」
「そりゃあ、マリアと比較したら誰も勝てないだろうさ」
「いえいえ、私と比較してと言うことではなく、本当に成績が良くないんですよ。彼はあまり勉強しないようです。女遊びの方が楽しいのでしょうねえ」
「そうかそうか、ロクデモナイ王子様だな……」
「まあまあ、仕方ないですよ……」
「この世界が意味のない方向へ向かってしまう。でも、どのみちそんな王子だったら仕方ないか。とりあえず皇帝陛下にはこの件について報告したほうがいいだろうね」
「お父様も人が悪いですね。そんなことをしてしまったら、ポワソン様が怒られてしまうではありませんか」
「マリア、それは君が心配することではないだろう」
「まあ、そうなんですけどね……」
「ならば、やる事はもう決まっているんだ……」
お父様はすぐさま登城しました。王宮に入る事は久しぶりだったようで、お父様の姿を知っている人が少なかったとのことでした。
「皇帝陛下に謁見したいのだが……」
「失礼ながら……あなた様は???」
「隠すこともない。ランドン公爵だ」
「ランドン公爵???」
皇帝陛下の付き人は、お父様のことをどうやら知らないようでした。
「君は……ひょっとすると新入りかね???」
話が通じなくていらだったお父様は他の付き人を呼ぶように言いました。すると、先程の付き人とは違って、お父様のことをよく知っている付き人が姿を現しました。
「これはこれは……ランドン公爵様!!!!!」
「おお、久しぶりだな。確か……」
「ロバートですよ。最後にお会いしたのは……確か10年前でしたか」
「ロバート……ああ、そうか。そうだったな……」
懐かしむ2人……表面上は和やかでした。でも、お父様はロバートの心の内を理解していました。
( ランドン公爵様がわざわざいらっしゃると言う事は、非常に大変なことが起こる前兆なのかもしれない!!!!!)
「ランドン公爵様が突然の登城にございます!!!!!」
ロバートはすぐさま、皇帝陛下の元に走りました。
「なんだって???ランドン公爵が???」
皇帝陛下も非常に焦っているようでした。
「ああああんんっ、素敵ですわあああっ!!!!!」
女たちは声を張り上げました。本当に気持ちよかったのかどうかはわかりません。ですが彼から相手をされたくなるリスクを考えると、仕方なかったのでしょう。
( 私としてはこれでよかった。後は皇帝陛下に気づかれないようにしなければならない。もしこの事態がばれてしまったら大変なことになってしまう…)
既に大変なことになっていることを気づいていなかったのでしょう。
私はすぐさま家に帰りました。お父様とお兄様が私の帰りを待っていました。
「おお、マリア。久しぶりだな」
「お父様、お兄様。お久しぶりでございます」
「予定通り婚約破棄されたのかな???」
「ええ、その通りでございます」
「そうかそうか、それにしてもポワソン様というのは、なかなかこの世界を理解していらっしゃらないのだな……」
「歴史の勉強をあまりなさっていないのでしょうね……」
「だって、ポワソン様の成績はあまり良くないですからね」
「そりゃあ、マリアと比較したら誰も勝てないだろうさ」
「いえいえ、私と比較してと言うことではなく、本当に成績が良くないんですよ。彼はあまり勉強しないようです。女遊びの方が楽しいのでしょうねえ」
「そうかそうか、ロクデモナイ王子様だな……」
「まあまあ、仕方ないですよ……」
「この世界が意味のない方向へ向かってしまう。でも、どのみちそんな王子だったら仕方ないか。とりあえず皇帝陛下にはこの件について報告したほうがいいだろうね」
「お父様も人が悪いですね。そんなことをしてしまったら、ポワソン様が怒られてしまうではありませんか」
「マリア、それは君が心配することではないだろう」
「まあ、そうなんですけどね……」
「ならば、やる事はもう決まっているんだ……」
お父様はすぐさま登城しました。王宮に入る事は久しぶりだったようで、お父様の姿を知っている人が少なかったとのことでした。
「皇帝陛下に謁見したいのだが……」
「失礼ながら……あなた様は???」
「隠すこともない。ランドン公爵だ」
「ランドン公爵???」
皇帝陛下の付き人は、お父様のことをどうやら知らないようでした。
「君は……ひょっとすると新入りかね???」
話が通じなくていらだったお父様は他の付き人を呼ぶように言いました。すると、先程の付き人とは違って、お父様のことをよく知っている付き人が姿を現しました。
「これはこれは……ランドン公爵様!!!!!」
「おお、久しぶりだな。確か……」
「ロバートですよ。最後にお会いしたのは……確か10年前でしたか」
「ロバート……ああ、そうか。そうだったな……」
懐かしむ2人……表面上は和やかでした。でも、お父様はロバートの心の内を理解していました。
( ランドン公爵様がわざわざいらっしゃると言う事は、非常に大変なことが起こる前兆なのかもしれない!!!!!)
「ランドン公爵様が突然の登城にございます!!!!!」
ロバートはすぐさま、皇帝陛下の元に走りました。
「なんだって???ランドン公爵が???」
皇帝陛下も非常に焦っているようでした。
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