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それからというもの、話はとんとん拍子に進んでいった。アンナ様にお城を案内されて、すぐさま皇帝陛下の元に連れていかれたのだ。居室とは思えないほど広々とした空間の中央に皇帝陛下がいらっしゃり、その近くには側近や恐らくは親戚筋と思われる上級貴族たちが、一斉に僕のことを凝視していた。別に見世物ではないし、あなた方と同じ人間である…身分は大きく離れているが…なんてことを考えながら、端っこに一先ず座った。
「あら、怖がることはありませんよ?」と、アンナ様は言った。
「だって…これからは、ここに居る者全てがあなたの僕となるのですから…」
アンナ様のこの発言、さすがに冗談だろうと思った。いや、皇帝陛下とアンナ様が話していた内容は覚えていけど…いきなり、ここにいる上級貴族たちを差し置いて最高位公爵の地位にまで上り詰めるとか…ただアンナ様を救っただけで、それはあり得ないと思ったのだ。
「ねえ、皆様方?身を挺してこの私目を救ってくださった子爵ロビンソンに対して…最高位公爵の爵位を差し上げようと思っているのですが…反論はありませんね???」
アンナ様がこう言って、実際のところどこからも異論は出なかった。それにしても…こうして爵位を私物化していいものなのか?まあ、王家の人間が貴族に対して爵位を授けるのだから、間違ってはいないのだろうが。
「異論はありませんね。それでは…皇帝陛下、いかがでしょうか?」
アンナ様が皇帝陛下に尋ねると、皇帝陛下は首を縦に振った。
「それでは…ええ、皇帝陛下の許可も頂きましたので…ええ、ロビンソン殿を最高位公爵の爵位を授けることにしまーす!」
全てはアンナ様の思い通り…最高位公爵になってしまったので、アンナ様と婚約することが出来てしまう…というわけなのだな。僕の意思はほとんど反映されない、ということなのだ。
新たに動き出すロビンソンとアンナの未来…ロビンソンは更にのし上がるのか?
「あら、怖がることはありませんよ?」と、アンナ様は言った。
「だって…これからは、ここに居る者全てがあなたの僕となるのですから…」
アンナ様のこの発言、さすがに冗談だろうと思った。いや、皇帝陛下とアンナ様が話していた内容は覚えていけど…いきなり、ここにいる上級貴族たちを差し置いて最高位公爵の地位にまで上り詰めるとか…ただアンナ様を救っただけで、それはあり得ないと思ったのだ。
「ねえ、皆様方?身を挺してこの私目を救ってくださった子爵ロビンソンに対して…最高位公爵の爵位を差し上げようと思っているのですが…反論はありませんね???」
アンナ様がこう言って、実際のところどこからも異論は出なかった。それにしても…こうして爵位を私物化していいものなのか?まあ、王家の人間が貴族に対して爵位を授けるのだから、間違ってはいないのだろうが。
「異論はありませんね。それでは…皇帝陛下、いかがでしょうか?」
アンナ様が皇帝陛下に尋ねると、皇帝陛下は首を縦に振った。
「それでは…ええ、皇帝陛下の許可も頂きましたので…ええ、ロビンソン殿を最高位公爵の爵位を授けることにしまーす!」
全てはアンナ様の思い通り…最高位公爵になってしまったので、アンナ様と婚約することが出来てしまう…というわけなのだな。僕の意思はほとんど反映されない、ということなのだ。
新たに動き出すロビンソンとアンナの未来…ロビンソンは更にのし上がるのか?
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