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「アンソニー様……こんなことをして許されると思っているんですか!!!!!」

ソーニャは叫んでいました。姿を見ることはできませんでしたが、おそらく非常に恥ずかしい思いをしたはずなのです。

「君が何を言っても……私には全く関係ないのだ。ただひとつだけ……わたしは未来永劫クレアを愛し続けるってことだけだから……」

「それは単なる自惚れじゃないんですか???」

「自惚れだって???ほざくな!!!!!」

「痛いですっ!!!!!」

「知ったことか!!!!!クレアが感じた痛みを考えれば……」

「どうして、私が悪いってことになってしまうんですか。だって、あなた様が私をここへ連れてきたわけじゃございませんか」

「そんな事は無い。お前が勝手についてきただけだ。私は1回も許可をしていない。思い返すだけでも、恐ろしいと感じるんだ。どうして私は、お前ほど汚れた人間を相手にしてしまったのだろうか。これ以上は我慢できないと言うのに……」

「そこまでおっしゃらなくても……」

「うるさい!!!!!お前に発言を許してはいない!!」

「痛いいいって!!!!!」

「いちいち口答えするな!!!!!」

「アンソニー様……」

聴き慣れたメイドたちの声がしました。

「なんだ???」

「いいえ、私どもも微力ながら協力させていただきますわ」

「協力???それはまた、どういう風の吹き回しなんだ???お前たちもソーニャとグルになって、話を大きくしていたじゃないのか???」

「あれはわざとです……」

「わざとだって???どういうことだ???」

「アンソニー様。主人とメイドには信頼関係が一番重要なんです。私どもは長年王家に使えるメイドです。アンソニー様と……正妻であられるクレア様をお支えするのが役割でございますゆえ……この泥棒猫の処分をアンソニー様がご希望なさるのであれば、私どもも協力させていただく所存です……」

「ふんっ、口ばかりは達者だな。それでは、これからこの女を始末するのに最も有効な方法はなんだと思う???」

アンソニー様は質問しました。

「そうですね。まずは薬を使って……この女に宿った子供の命を終わらせることでしょうか……」

それは流石に可哀想だと思いました。ソーニャに罪があるというのならば、せめて子供が産まれるまで執行を待つべきだと思いました。

「それだけは……おやめください!!!!!」

ソーニャも訴えました。

「なんだ、命乞いか???」

「わたしのことを罪人だとおっしゃるのでしたら、それで結構です。でも、お腹の中に宿った子供の命……わたしがアンソニー様に一度だけ愛された結晶なんです。ですから、子供の命だけは守ってください……」

親になってしまったなら、子供を守ろうとするのは当然のこと……ソーニャがいくらロクデモナイ女と言われても、そこだけは守りたいと、言っているのでした。真剣に訴えていたはず……だからこそ、この訴えはアンソニー様の心に響くと思っていました。

ところが、アンソニー様は不気味に笑うだけでした。

「一丁前に母親面しているのかな???ああ、本当にお前は惨めな女だよ……ここまで来ると救いようがない……そう思わないかな???」

アンソニー様はメイドたちに同意を求めているようでした。

「本当、どこまで図々しいのやら……」

メイドたちの反応は非常に冷ややかなものでした。

「あなた、そこまでして恥ずかしくないのかしら???」

「そんなことはない……わたしはただ命を守りたいだけ!!!!!」

わたしはこの時、ソーニャを応援してやりたくなりました。でもね、アンソニー様はソーニャの話を一切聞こうとはしませんでした。

「薬を持ってくるんだ……」

「承知いたしました……」

アンソニー様はメイドたちに堕胎するための薬を持ってくるように頼みました。

「やめて……それだけは本当にやめてください!!」

「だから、何度言ったらわかるんだ???お前がわたしに口答えする権利はないんだ!!!」

アンソニー様は非常に興奮しているようでした。

「ああ、わたしの愛しいクレアはゆりかごの中で静かに眠っている……その姿を拝むのはもちろんわたしだけに与えられた特権なのだが、どうしてもクレアは男女の交わりを好んでいないようなんだ。わたしは一向に構わないつもり……だったが、実際のところ我慢できずにムズムズしてくるんだ。クレアのことを想像して慰めるのは、クレアに申し訳ないと思うし……そう考えると……」

「アンソニー様???何をするおつもりですか???」

「お前の身体なんて、今さら娼婦以下の価値しかないだろうさ。だからな、わたしの性欲の吐口になってもらおうと思ってな……」

「どうして……わたしはこんなふうに……」

「このわたしに相手にしてもらうだけでもありがたいと思うんだな!!!」

「おやめください、本当に!!!!!」

「わたしが立ち止まる必要はない!!!!!これは、クレアを愛し続けるために必要なことなんだ!!!!!」

アンソニー様は言いました。
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