1 / 17
1
しおりを挟む
「アンソニー様……こんなことをして許されると思っているんですか!!!!!」
ソーニャは叫んでいました。姿を見ることはできませんでしたが、おそらく非常に恥ずかしい思いをしたはずなのです。
「君が何を言っても……私には全く関係ないのだ。ただひとつだけ……わたしは未来永劫クレアを愛し続けるってことだけだから……」
「それは単なる自惚れじゃないんですか???」
「自惚れだって???ほざくな!!!!!」
「痛いですっ!!!!!」
「知ったことか!!!!!クレアが感じた痛みを考えれば……」
「どうして、私が悪いってことになってしまうんですか。だって、あなた様が私をここへ連れてきたわけじゃございませんか」
「そんな事は無い。お前が勝手についてきただけだ。私は1回も許可をしていない。思い返すだけでも、恐ろしいと感じるんだ。どうして私は、お前ほど汚れた人間を相手にしてしまったのだろうか。これ以上は我慢できないと言うのに……」
「そこまでおっしゃらなくても……」
「うるさい!!!!!お前に発言を許してはいない!!」
「痛いいいって!!!!!」
「いちいち口答えするな!!!!!」
「アンソニー様……」
聴き慣れたメイドたちの声がしました。
「なんだ???」
「いいえ、私どもも微力ながら協力させていただきますわ」
「協力???それはまた、どういう風の吹き回しなんだ???お前たちもソーニャとグルになって、話を大きくしていたじゃないのか???」
「あれはわざとです……」
「わざとだって???どういうことだ???」
「アンソニー様。主人とメイドには信頼関係が一番重要なんです。私どもは長年王家に使えるメイドです。アンソニー様と……正妻であられるクレア様をお支えするのが役割でございますゆえ……この泥棒猫の処分をアンソニー様がご希望なさるのであれば、私どもも協力させていただく所存です……」
「ふんっ、口ばかりは達者だな。それでは、これからこの女を始末するのに最も有効な方法はなんだと思う???」
アンソニー様は質問しました。
「そうですね。まずは薬を使って……この女に宿った子供の命を終わらせることでしょうか……」
それは流石に可哀想だと思いました。ソーニャに罪があるというのならば、せめて子供が産まれるまで執行を待つべきだと思いました。
「それだけは……おやめください!!!!!」
ソーニャも訴えました。
「なんだ、命乞いか???」
「わたしのことを罪人だとおっしゃるのでしたら、それで結構です。でも、お腹の中に宿った子供の命……わたしがアンソニー様に一度だけ愛された結晶なんです。ですから、子供の命だけは守ってください……」
親になってしまったなら、子供を守ろうとするのは当然のこと……ソーニャがいくらロクデモナイ女と言われても、そこだけは守りたいと、言っているのでした。真剣に訴えていたはず……だからこそ、この訴えはアンソニー様の心に響くと思っていました。
ところが、アンソニー様は不気味に笑うだけでした。
「一丁前に母親面しているのかな???ああ、本当にお前は惨めな女だよ……ここまで来ると救いようがない……そう思わないかな???」
アンソニー様はメイドたちに同意を求めているようでした。
「本当、どこまで図々しいのやら……」
メイドたちの反応は非常に冷ややかなものでした。
「あなた、そこまでして恥ずかしくないのかしら???」
「そんなことはない……わたしはただ命を守りたいだけ!!!!!」
わたしはこの時、ソーニャを応援してやりたくなりました。でもね、アンソニー様はソーニャの話を一切聞こうとはしませんでした。
「薬を持ってくるんだ……」
「承知いたしました……」
アンソニー様はメイドたちに堕胎するための薬を持ってくるように頼みました。
「やめて……それだけは本当にやめてください!!」
「だから、何度言ったらわかるんだ???お前がわたしに口答えする権利はないんだ!!!」
アンソニー様は非常に興奮しているようでした。
「ああ、わたしの愛しいクレアはゆりかごの中で静かに眠っている……その姿を拝むのはもちろんわたしだけに与えられた特権なのだが、どうしてもクレアは男女の交わりを好んでいないようなんだ。わたしは一向に構わないつもり……だったが、実際のところ我慢できずにムズムズしてくるんだ。クレアのことを想像して慰めるのは、クレアに申し訳ないと思うし……そう考えると……」
「アンソニー様???何をするおつもりですか???」
「お前の身体なんて、今さら娼婦以下の価値しかないだろうさ。だからな、わたしの性欲の吐口になってもらおうと思ってな……」
「どうして……わたしはこんなふうに……」
「このわたしに相手にしてもらうだけでもありがたいと思うんだな!!!」
「おやめください、本当に!!!!!」
「わたしが立ち止まる必要はない!!!!!これは、クレアを愛し続けるために必要なことなんだ!!!!!」
アンソニー様は言いました。
ソーニャは叫んでいました。姿を見ることはできませんでしたが、おそらく非常に恥ずかしい思いをしたはずなのです。
「君が何を言っても……私には全く関係ないのだ。ただひとつだけ……わたしは未来永劫クレアを愛し続けるってことだけだから……」
「それは単なる自惚れじゃないんですか???」
「自惚れだって???ほざくな!!!!!」
「痛いですっ!!!!!」
「知ったことか!!!!!クレアが感じた痛みを考えれば……」
「どうして、私が悪いってことになってしまうんですか。だって、あなた様が私をここへ連れてきたわけじゃございませんか」
「そんな事は無い。お前が勝手についてきただけだ。私は1回も許可をしていない。思い返すだけでも、恐ろしいと感じるんだ。どうして私は、お前ほど汚れた人間を相手にしてしまったのだろうか。これ以上は我慢できないと言うのに……」
「そこまでおっしゃらなくても……」
「うるさい!!!!!お前に発言を許してはいない!!」
「痛いいいって!!!!!」
「いちいち口答えするな!!!!!」
「アンソニー様……」
聴き慣れたメイドたちの声がしました。
「なんだ???」
「いいえ、私どもも微力ながら協力させていただきますわ」
「協力???それはまた、どういう風の吹き回しなんだ???お前たちもソーニャとグルになって、話を大きくしていたじゃないのか???」
「あれはわざとです……」
「わざとだって???どういうことだ???」
「アンソニー様。主人とメイドには信頼関係が一番重要なんです。私どもは長年王家に使えるメイドです。アンソニー様と……正妻であられるクレア様をお支えするのが役割でございますゆえ……この泥棒猫の処分をアンソニー様がご希望なさるのであれば、私どもも協力させていただく所存です……」
「ふんっ、口ばかりは達者だな。それでは、これからこの女を始末するのに最も有効な方法はなんだと思う???」
アンソニー様は質問しました。
「そうですね。まずは薬を使って……この女に宿った子供の命を終わらせることでしょうか……」
それは流石に可哀想だと思いました。ソーニャに罪があるというのならば、せめて子供が産まれるまで執行を待つべきだと思いました。
「それだけは……おやめください!!!!!」
ソーニャも訴えました。
「なんだ、命乞いか???」
「わたしのことを罪人だとおっしゃるのでしたら、それで結構です。でも、お腹の中に宿った子供の命……わたしがアンソニー様に一度だけ愛された結晶なんです。ですから、子供の命だけは守ってください……」
親になってしまったなら、子供を守ろうとするのは当然のこと……ソーニャがいくらロクデモナイ女と言われても、そこだけは守りたいと、言っているのでした。真剣に訴えていたはず……だからこそ、この訴えはアンソニー様の心に響くと思っていました。
ところが、アンソニー様は不気味に笑うだけでした。
「一丁前に母親面しているのかな???ああ、本当にお前は惨めな女だよ……ここまで来ると救いようがない……そう思わないかな???」
アンソニー様はメイドたちに同意を求めているようでした。
「本当、どこまで図々しいのやら……」
メイドたちの反応は非常に冷ややかなものでした。
「あなた、そこまでして恥ずかしくないのかしら???」
「そんなことはない……わたしはただ命を守りたいだけ!!!!!」
わたしはこの時、ソーニャを応援してやりたくなりました。でもね、アンソニー様はソーニャの話を一切聞こうとはしませんでした。
「薬を持ってくるんだ……」
「承知いたしました……」
アンソニー様はメイドたちに堕胎するための薬を持ってくるように頼みました。
「やめて……それだけは本当にやめてください!!」
「だから、何度言ったらわかるんだ???お前がわたしに口答えする権利はないんだ!!!」
アンソニー様は非常に興奮しているようでした。
「ああ、わたしの愛しいクレアはゆりかごの中で静かに眠っている……その姿を拝むのはもちろんわたしだけに与えられた特権なのだが、どうしてもクレアは男女の交わりを好んでいないようなんだ。わたしは一向に構わないつもり……だったが、実際のところ我慢できずにムズムズしてくるんだ。クレアのことを想像して慰めるのは、クレアに申し訳ないと思うし……そう考えると……」
「アンソニー様???何をするおつもりですか???」
「お前の身体なんて、今さら娼婦以下の価値しかないだろうさ。だからな、わたしの性欲の吐口になってもらおうと思ってな……」
「どうして……わたしはこんなふうに……」
「このわたしに相手にしてもらうだけでもありがたいと思うんだな!!!」
「おやめください、本当に!!!!!」
「わたしが立ち止まる必要はない!!!!!これは、クレアを愛し続けるために必要なことなんだ!!!!!」
アンソニー様は言いました。
0
お気に入りに追加
124
あなたにおすすめの小説
貴方の子どもじゃありません
初瀬 叶
恋愛
あぁ……どうしてこんなことになってしまったんだろう。
私は眠っている男性を起こさない様に、そっと寝台を降りた。
私が着ていたお仕着せは、乱暴に脱がされたせいでボタンは千切れ、エプロンも破れていた。
私は仕方なくそのお仕着せに袖を通すと、止められなくなったシャツの前を握りしめる様にした。
そして、部屋の扉にそっと手を掛ける。
ドアノブは回る。いつの間にか
鍵は開いていたみたいだ。
私は最後に後ろを振り返った。そこには裸で眠っている男性の胸が上下している事が確認出来る。深い眠りについている様だ。
外はまだ夜中。月明かりだけが差し込むこの部屋は薄暗い。男性の顔ははっきりとは確認出来なかった。
※ 私の頭の中の異世界のお話です
※相変わらずのゆるゆるふわふわ設定です。ご了承下さい
※直接的な性描写等はありませんが、その行為を匂わせる言葉を使う場合があります。苦手な方はそっと閉じて下さると、自衛になるかと思います
※誤字脱字がちりばめられている可能性を否定出来ません。広い心で読んでいただけるとありがたいです
少し先の未来が見える侯爵令嬢〜婚約破棄されたはずなのに、いつの間にか王太子様に溺愛されてしまいました。
ウマノホネ
恋愛
侯爵令嬢ユリア・ローレンツは、まさに婚約破棄されようとしていた。しかし、彼女はすでにわかっていた。自分がこれから婚約破棄を宣告されることを。
なぜなら、彼女は少し先の未来をみることができるから。
妹が仕掛けた冤罪により皆から嫌われ、婚約破棄されてしまったユリア。
しかし、全てを諦めて無気力になっていた彼女は、王国一の美青年レオンハルト王太子の命を助けることによって、運命が激変してしまう。
この話は、災難続きでちょっと人生を諦めていた彼女が、一つの出来事をきっかけで、クールだったはずの王太子にいつの間にか溺愛されてしまうというお話です。
*小説家になろう様からの転載です。
【完結】新皇帝の後宮に献上された姫は、皇帝の寵愛を望まない
ユユ
恋愛
周辺諸国19国を統べるエテルネル帝国の皇帝が崩御し、若い皇子が即位した2年前から従属国が次々と姫や公女、もしくは美女を献上している。
既に帝国の令嬢数人と従属国から18人が後宮で住んでいる。
未だ献上していなかったプロプル王国では、王女である私が仕方なく献上されることになった。
後宮の余った人気のない部屋に押し込まれ、選択を迫られた。
欲の無い王女と、女達の醜い争いに辟易した新皇帝の噛み合わない新生活が始まった。
* 作り話です
* そんなに長くしない予定です
どうして私にこだわるんですか!?
風見ゆうみ
恋愛
「手柄をたてて君に似合う男になって帰ってくる」そう言って旅立って行った婚約者は三年後、伯爵の爵位をいただくのですが、それと同時に旅先で出会った令嬢との結婚が決まったそうです。
それを知った伯爵令嬢である私、リノア・ブルーミングは悲しい気持ちなんて全くわいてきませんでした。だって、そんな事になるだろうなってわかってましたから!
婚約破棄されて捨てられたという噂が広まり、もう結婚は無理かな、と諦めていたら、なんと辺境伯から結婚の申し出が! その方は冷酷、無口で有名な方。おっとりした私なんて、すぐに捨てられてしまう、そう思ったので、うまーくお断りして田舎でゆっくり過ごそうと思ったら、なぜか結婚のお断りを断られてしまう。
え!? そんな事ってあるんですか? しかもなぜか、元婚約者とその彼女が田舎に引っ越した私を追いかけてきて!?
おっとりマイペースなヒロインとヒロインに恋をしている辺境伯とのラブコメです。ざまぁは後半です。
※独自の世界観ですので、設定はゆるめ、ご都合主義です。
溺愛される妻が記憶喪失になるとこうなる
田尾風香
恋愛
***2022/6/21、書き換えました。
お茶会で紅茶を飲んだ途端に頭に痛みを感じて倒れて、次に目を覚ましたら、目の前にイケメンがいました。
「あの、どちら様でしょうか?」
「俺と君は小さい頃からずっと一緒で、幼い頃からの婚約者で、例え死んでも一緒にいようと誓い合って……!」
「旦那様、奥様に記憶がないのをいいことに、嘘を教えませんように」
溺愛される妻は、果たして記憶を取り戻すことができるのか。
ギャグを書いたことはありませんが、ギャグっぽいお話しです。会話が多め。R18ではありませんが、行為後の話がありますので、ご注意下さい。
結婚までの120日~結婚式が決まっているのに前途は見えない~【完結】
まぁ
恋愛
イケメン好き&イケオジ好き集まれ~♡
泣いたあとには愛されましょう☆*: .。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
優しさと思いやりは異なるもの…とても深い、大人の心の奥に響く読み物。
6月の結婚式を予約した私たちはバレンタインデーに喧嘩した
今までなら喧嘩になんてならなかったようなことだよ…
結婚式はキャンセル?予定通り?それとも…彼が私以外の誰かと結婚したり
逆に私が彼以外の誰かと結婚する…そんな可能性もあるのかな…
バレンタインデーから結婚式まで120日…どうなっちゃうの??
お話はフィクションであり作者の妄想です。
ハイパー王太子殿下の隣はツライよ! ~突然の婚約解消~
緑谷めい
恋愛
私は公爵令嬢ナタリー・ランシス。17歳。
4歳年上の婚約者アルベルト王太子殿下は、超優秀で超絶イケメン!
一応美人の私だけれど、ハイパー王太子殿下の隣はツライものがある。
あれれ、おかしいぞ? ついに自分がゴミに思えてきましたわ!?
王太子殿下の弟、第2王子のロベルト殿下と私は、仲の良い幼馴染。
そのロベルト様の婚約者である隣国のエリーゼ王女と、私の婚約者のアルベルト王太子殿下が、結婚することになった!? よって、私と王太子殿下は、婚約解消してお別れ!? えっ!? 決定ですか? はっ? 一体どういうこと!?
* ハッピーエンドです。
好きな人と友人が付き合い始め、しかも嫌われたのですが
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
ナターシャは以前から恋の相談をしていた友人が、自分の想い人ディーンと秘かに付き合うようになっていてショックを受ける。しかし諦めて二人の恋を応援しようと決める。だがディーンから「二度と僕達に話しかけないでくれ」とまで言われ、嫌われていたことにまたまたショック。どうしてこんなに嫌われてしまったのか?卒業パーティーのパートナーも決まっていないし、どうしたらいいの?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる