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ふと昔を思い出し、メイロンは小さく笑う。あれから数年経った今でも交流があるなんて夢みたいだ。
「メイロン様?」
「なんでもないわ。ただ昔のことを思い出していただけですもの」
「昔のこと……ですか?」
「えぇ。まだ私が小さかった頃の話よ」
そう言うと、メイロンは自分の侍女であるアリスを呼んだ。
「アリス、今日の予定を教えてくれる?」
「はい、今日は午前中に陛下への謁見があり、午後からは学園へ向かわれます」
「わかったわ。では準備をしてちょうだい。それと私のことは様付けしなくていいと言ったでしょう?」
「いえ、そういうわけにはいきません。公爵家の方が王家の方を呼び捨てにするなんてできませんから」
「もう……相変わらず真面目なんだから。でもそこが好きだけどね」
「……っ!!︎ め、滅相もないです!!︎……コホンッ、そろそろ朝食のお時間でございますのでお部屋に戻りましょう」
「はいはい」
照れたように顔を背ける彼女を見てクツクツ笑いつつ、メイロンは後に続いた。
(さぁ……これから忙しくなるわね!!︎)
メイロンの心は既に決まっていたのだ。その背後にリリアーナがいたのは言うまでもなかっただろう。だがしかし、実際に彼女がメイロンのことを覚えていたか、と言われると、おそらくそれは別の問題だったのかもしれない。
だがしかし、これから始まるリリアーナの物語において、彼女の果たす役割は非常に大きかったといえよう。
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