ヤンデレという代償

岡暁舟

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ヤンデレ

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ヤンデレをこじらせた彼女……僕にとっては一応彼女ということになるのだろう。

はっきり言って、完全に自意識過剰。だけども、一度スイッチが入ってしまったら、むげに断ることなんてできないのだ。そう、断ってしまったら、どんな未来が待っているのか……ああ、想像するだけで怖くなってしまうものだから……。

「ああ、みーくんがいたよ!!!!」

僕のことを、彼女はみーくんと呼ぶ。僕の名前に、み、という要素は皆無なのだが、そんなことはどうでもいいのだ。彼女にとって、僕がみーくんであれば、僕はやっぱりみーくんなのだ。

「どうしたの???あーや???」

彼女の名前なんて知らない。とりあえず、あーやと呼んでおけばそれでいいみたいだ。理由は知らないが、それで幸せだと本人が言うんだから、それでいいじゃないか!!!

ああ、思わず声を荒げそうになってしまった。いや、正直に言うと、僕もよくわからないんだ。何がって、それはやっぱり、どうして僕がこれほど好かれているのか、ということ。

「あーやね、みーくんのことが好きすぎて、どうすればいいのかわからないんだ!!!」

それは結構。でも、僕としては、これ以上あーやに好かれる人生というのは迷惑極まりないことだから、可能であれば早く別れたいと思っているんだ。だから、僕はこの日、勇気を振り絞って言ってみようと思った!!!

「あーや!!!もう、僕は君とは別れようと思っているんだ……」

ええっと……僕がこんな感じに言い出すと、あーやはこくりと首を傾げて、

「なんで???」

と言い出した。いや、なんでもへったくれもないでしょう、と言いたかったのはやまやまなのだが、明らかにあーやの目線がやばかったので、何も言う気になれなかった。

「どうして???ねえ、どうして???どうしてどうしてどうしてどうしてどうどうしてどうしてどうしてどうして
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして!!!!!」

あーやの怒りはとてもすごかった。でも、だからこそ僕はこの現状を乗り越えようと思った。

「あーやのことが好きすぎて、僕は死にそうだ」

「いいや、それは私のセリフだから……」

「ああ、そうなんだ???じゃあ、僕のために死んで!!!」

先制攻撃!!!終われば後は普通なのだ。

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