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「個人的には……絶対に赦さないから!!!」

エリスは今でも怒っていた。

「亡くなった遺族の気持ちを考えたら、当然のことでしょう!!!」

エリスに言われなくても分かるんだが……。

まあ、いい。私にとって自由を得ると言うのは、それ以上の苦痛を背負うのと同義なのだ。いよいよ、帰る場所が無くなってしまった。実家に帰ることはもちろん無理だし、前の職場も、血で染めてしまったわけだから、無理だ。つまり、あの時解放されたとき以上に窮地に立たされている、ということになるわけなんだ。

「まあ、そんなことをいまさらあなたに言ったところで、意味はないでしょうけど……」

まあ、確かにそう言うことになる……。

「さあ、早く私たちの前から消えて!!!目障りよ!!!」

「まあ、そうよね。あなたに言われる前に、そうするわよ」

もちろん、行先は無い。でも、何時までも、ここにいても仕方がないのだ。ある意味、処刑よりも重たい刑罰かもしれない。生き恥を晒し続けることになるわけだからね。

「ところで、ナターシャ。君には行先があるのかな???」

ボリス様が質問してきた。まさか……私はこの瞬間、なにかを期待した。でもね、気体を抱くのはいいんだけど、それを実行すると、また最初に戻ってしまうというか……今まで私が犯してきた罪の意味が消えてしまうというか。まあ、そんなことはどうでもいいか。今更、考えることでもないし。

「ちょっと……ボリス様???いきなり、そんなことを言い出して!!!」

「いきなり、というわけではないさ。だって、現実問題、ナターシャには行く宛てが無いだろう???」

「だとしても……私たちが気にかける問題ではないでしょう!!!」

「君はどうして……消極的なのかなあ……」

「あなた様はお人好し過ぎですわ!!!」

エリスが怒るのも、ある程度は理解できた。本当に、どれほどお人好しなんだ。

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