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「偉大なるボリス様の婚約者……その秘密を墓場まで持っていくと言ってるんだから……高くはないはずよ。それと、あなたのお家がどれだけあくどいことをしてきたのか、そう言うのも調べて分かっちゃったんだよねえ……」
「あくどいこと???お父様がそんなことをするはずない!!!でっち上げよ!!!」
「あら、そうかしら???まあ、いいわ。ともかく、あなたがしてきたことを暴露するのも、十分リスキーでしょう。そんなことをしたら……ボリス様が許しても、世間はあなたを赦さない……ああ、と言うか、もはやボリス様もあなたに興味がないのか……」
この女……言うだけ言っておいて、本当に許せない!!!でも、反論することはできなかった。今はひとまず、彼女の言う通りにする必要があると思った。
「それで……いくら欲しいのよ……」
「あらまあ、話が早いのね。そうねえ……今までの倍は払ってもらおうかしら……」
「倍ですって!!!」
「あなたにとって、それほど難しくはないでしょう???まあ、お父様からの支援が途絶えても、あなたには自分で稼ぐ手段を持っているからねえ。巷では人気なのよ。あなたを抱きたがる殿方は沢山いらっしゃるからねえ。今度紹介しましょうか???儲かるわよ。ああ、ボリス様より上流……つまり、王族の中にもいたりいなかったり……」
「いい加減にして。そう言う話はいいから、金を用意すればいいんでしょう。待ってなさい……」
「分かればいいのよ。あなたはまたとない金づるだからねえ……これを放す手はないから……」
様々な方向から降り注ぐ屈辱……狂いそうだった。
「まあ、すぐにとは言わないから。今度遊びに来るときでいいわ。それまで、楽しみに待っているから……」
そう言って、女は帰っていった。ああ、これほど気分が悪いことって……今まであったかしら???
「ティアが死んだ???」
それから3日後のこと……私の元にこんなニュースが舞い込んできた。私たちと同じく公爵令嬢であり、事件性があるかもしれない、ということで、また新たな話題になるところだった……。
「あくどいこと???お父様がそんなことをするはずない!!!でっち上げよ!!!」
「あら、そうかしら???まあ、いいわ。ともかく、あなたがしてきたことを暴露するのも、十分リスキーでしょう。そんなことをしたら……ボリス様が許しても、世間はあなたを赦さない……ああ、と言うか、もはやボリス様もあなたに興味がないのか……」
この女……言うだけ言っておいて、本当に許せない!!!でも、反論することはできなかった。今はひとまず、彼女の言う通りにする必要があると思った。
「それで……いくら欲しいのよ……」
「あらまあ、話が早いのね。そうねえ……今までの倍は払ってもらおうかしら……」
「倍ですって!!!」
「あなたにとって、それほど難しくはないでしょう???まあ、お父様からの支援が途絶えても、あなたには自分で稼ぐ手段を持っているからねえ。巷では人気なのよ。あなたを抱きたがる殿方は沢山いらっしゃるからねえ。今度紹介しましょうか???儲かるわよ。ああ、ボリス様より上流……つまり、王族の中にもいたりいなかったり……」
「いい加減にして。そう言う話はいいから、金を用意すればいいんでしょう。待ってなさい……」
「分かればいいのよ。あなたはまたとない金づるだからねえ……これを放す手はないから……」
様々な方向から降り注ぐ屈辱……狂いそうだった。
「まあ、すぐにとは言わないから。今度遊びに来るときでいいわ。それまで、楽しみに待っているから……」
そう言って、女は帰っていった。ああ、これほど気分が悪いことって……今まであったかしら???
「ティアが死んだ???」
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