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「これでは全く意味がない!!!!!」

再び皇帝陛下がやって来ることになりました。つまり、いくらエリーゼがスミス様に近づいたとしても、全く相手にしませんでした。

エリーゼが全く相手にされないとなると、子供はできないと考えたのでしょう。私の相手をしているだけでは、永遠に子供ができない。そこで、皇帝陛下はいよいよ動き出しました。

「エリーゼとスミスは必ず一緒に夜を共にすること、これは命令だ」

つまり、スミス様は今まで避けてきたのですが、さすがに皇帝陛下から命令されてしまったら逆らうわけにはいきませんでした。

「まったく、皇帝陛下は何を考えているんだ」

スミス様はずっと不満を言っていました。でも、これ以上待つことができなかったのでしょう。いよいよ、エリーゼがやってきました。

「スミス様!!」

「おいおい、鬱陶しいから近寄らないでくれるか。今は君の顔を見たくないんだ」

何とかして、エリーゼを遠ざけようとしていました。でも、今度は彼女の方が上手になっているようでした。

「スミス様、そんなことを言って大丈夫なんですか。皇帝陛下の命令を破るおつもりなのですか」

それを言われてしまうと、スミス様は反論することができませんでした。

「君と、これから暑苦しい夜を過ごすことになるのか」

「スミス様。それは違いますわ。私はあなた様を心地よい空間へ送れる自信があります」

「そんなことはできない。君と一緒に過ごす時間なんて、どれだけ苦痛だろうか」

最初から苦痛と定義していました。実際のところはわかりませんでした。でも、スミス様には私しかいなかったんです。

できることならば、私だってスミス様を見逃したくはありませんでした。でも、仕方がなかったんです。みんなが決めたことでした。だから、私が諦めるしかなかったんです。少なくとも、世界にとってはこの方が望ましかったのでしょう。私1人の望みよりも、世界の都合が優先されるべきでした。

「マリア⁈」

夜になると、エリーゼはスミス様を引っ張っていきました。

「さぁさぁ、夜も更けてきたことですし、今日も一緒に眠りましょう」

「もう少しマリアの顔を見ていたいんだ」

「昼間見ていらっしゃるじゃありませんか。夜のお勤めは私にしかできないですよ」

エリーゼはすっかり勝ち誇っていました。どこから、その余裕がやってくるのでしょうか。ひょっとして、エリーゼの計画はもう成功してしまったのでしょうか。

そんなに早く?やっぱりわかりませんでした。でもね、仕方ないと思いましたよ。私の予想が当たったとして、今更何も出来ませんでしたからね。何か行動するといっても、どうにもならなかったのです。
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