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エリーゼはそれでも、スミス様に対する接触は続いたようでした。

「スミス様!!!!!」

スミス様の帰宅時に待ち構え、何か話をしようとしました。もちろん、スミス様の警護は厳重ですので、声をかけることも簡単ではありませんでした。ですが、スミス様は時折耳を傾けることがありました。

「どうしたんだ。私は忙しいんだ。それに、これ以上君と付き合うのはやめようと思っているんだ……」

「そんなこと言ったって、本当は私の事に興味があるんじゃないんですか???」

「何を言っているんだ。君のように嘘をつく人間は好きじゃない。それに比べて、私が婚約者にしたいと思っているマリアはいつも正直なんだ」

「婚約者にしたいって、彼女はまだあなた様の気持ちを受け入れてないんですか???」

これに関しては、エリーゼが驚くのももっともなことだと思いました。

「なかなか返事をしてくれないんだ。私は待つことにしている」

「それって、なかなか辛いんじゃありませんか???」

「辛い……そんなことはないさ」

「本当ですか???」

エリーゼは首をかしげました。

「いつか、私のことを好きになってくれる日が来ると信じているからな……」

スミス様は言いました。

「それって、本当にくるんですかね???」

「私は来ると信じているよ。いつか、私の魅力に気づいてくれる日が来るとね」

「でも、もしもマリアがあなた様のことをあまり気に入らなかったら、その時はどうするおつもりなんですか???」

「そんなことは考えてもいないな。でも、もしそういうことがあったら、私は未来永劫誰とも婚約しないつもりだね……」

「スミス様、本気でおっしゃっているんですか???」

まさかの発言に、エリーゼは驚いてしまいました。

「私はいつでも本気だよ。それくらい、彼女のことを好きでいるんだ……」

「はああっ……そうなんですか……」

スミス様が帰っていって、エリーゼは1人になりました。

「だとしたら……ますます、スミス様を魅力したいと思いますわ……」

エリーゼは昔から人のものを奪うのが好きでした。だからこそ、この時も同じような発想になったのでしょう。

「ああ、すばらしいこと。私の力で、スミス様を振り向かせてみよう!!!!!」

エリーゼは誓いました。まあ、スミス様を振り向かせるために色々な努力をしたのでしょう。そういう女の方が、結果としては男を魅了することができるというのは、当然のことだったのかもしれません。私は最初からスミス様に愛されていました。だからこそ努力を怠ったのかもしれません。そして、最終的には愛されない女になってしまったのかもしれません。
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