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そして、ロンメル公爵に再び会う機会を得た。

ロンメル公爵はもはや誰からも糾弾されることなく、その残された日々を過ごしていた。

「カレン……」

ロンメル公爵はもう一度私の名前を呼んだ。

「お久しぶりですね。ロンメル公爵」

「ああ、あんまり時間はたっていないがな……」

確かにそれほど時間は空いていなかったのだが……ロンメル公爵は随分と老けた印象だった。

彼の身に何が起きたのか、私は大方知っていた。

「もう疲れた……」

「なるほど……そうなんですね???」

私は彼の姿を見ていると、もはや自分のほうが随分と優位なポジションに立っていることを確信した。

「ところで……ロールス地方はどうだった???」

「ええ、非常に面白いところでしたね。そして……新しい友人を作ることも出来ましたよ!!!」

「友人だって???」

ロンメル公爵は引っかかった。まあ、当然のことだった。
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