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「私はこの時を待っておりました……」

グリニッジ男爵の仕業なのか……そうだとしたら理由は???ルミナはミクリッツ様のメイドだったのか???

全てが謎だった。

「待っておりましたわ。これでようやく……私はミクリッツ様を救うことができますわ」

救うこと……このまま私が何も考えることなく死刑を許可したら、ミクリッツ様は明日死ぬことになったのだろうか???


***************************************


閉ざされた部屋……誰も入ることを許されない部屋……ルミナがここに辿り着ける理由が分からなかった。でも、そんなことはどうでもよかったのだ。

「ミクリッツ様。ルミナです……」

「ルミナ……ルミナか!!!」

この声……やっぱり、私はミクリッツ様のことを知っていると思った。

「おう、ルミナじゃないか!!!ああ、久しぶりだな!!!ひょっとして……もう君と会うことはできないのかな???いよいよ、死ぬ時が来たのか???」

「その運命を変えるかもしれない……あなた様にとっては強力な助っ人をお連れしましたよ」

「強力な助っ人???いや、誰が来ても私の人生を変えることはできないだろう!!!ああ、これほど腐った世界ならば、私はいっそ死んでしまったほうがいいと思うのだ!!!!」

ミクリッツ様はそんなことを言った。


***************************************


「死んだほうがいい。君のことをこれ以上愛せない……運命が君との出会いを許さないのであれば、私はこれ以上生きている意味がないじゃないか…………」

「ミクリッツ様???何を言っているのですか???私にはさっぱり……」

「ああ、分からなくていいさ。君は私と違い、運命を背負う必要がない。私とは違う世界で生きればいいんだ……」

ミクリッツ様は……私を抱き寄せて、こっそりとキスをした……。

「私は……死ぬまで君のことを愛し続けるだろうな……。なあ、カレン。それでもいいかな???私が君のことを愛し続けても……君が他の男を好きになっても、私は一生君のことを好きでいたいんだ。それでもいいかな???」

「ミクリッツ様……どうしてですか???」

「今の君には分からないか。それでいい。一生分からないまま終わった方が……お互いにいいからな……」


***************************************


始めてあった日……あのお花畑で、私はミクリッツ様のことを好きになり、ミクリッツ様もまた、直感的に私のことを好きになった……。ミクリッツ様は私にキスをした。でも……ミクリッツ様はその後姿を消した。理由を告げずに消えた。そのミクリッツ様がいま、私の前に座っている……。最初になんて声をかければいいのか、私は分からなかった。だからこそ、ミクリッツ様の方から声をかけてくれて、私はすっかり安心したのだった。
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