婚約破棄の夜の余韻～婚約者を奪った妹の高笑いを聞いて姉は旅に出る～

その19

「お姉様の婚約相手は……どんな方がよろしいのですか？？？？ああ、王子様でしたっけ？？？？？？」

「まあね、正直、私のことを好きになってくれる人だったら、誰でもいいんだけどね……」

「なるほど……ならば、お城に行きましょうか？？？？」

「あなた、行き方を知っているの？？？？？」

「知っているも何も、もう見えているではありませんか？？？？」

「まあ、そうだけど。まさか、全部歩くつもり？？？？」

「ええ、そうですよ。さあ、お姉様、もうひと頑張りですよ！！！！」



ベリーは大胆……と思っていたが、先に疲れてしまうのは、ベリーの方だった。

「ねえ、お姉様？？？？？あちらの館で休憩しませんこと？？？？？？」

「なんだ、あなたの方が先に疲れちゃうの？？？？」

「申し訳ございません。ですが…………」


彼女の目的がやっぱり分からない……そう改めて思いました。でも、別に騙されている心地はしませんでした。まあ、このまま旅を続けるにしても、特別害にはならないと思いました。

従って、旅を続けることにしました。

「とは言っても……ここは娼婦の根城じゃないのかしら？？？？？」

「あら、ご名答ですわ。お嬢様。だって……お嬢様も溜まっているのではありませんか？？？？」

「あら、随分と野暮ったいのね。まあ、私もそれは大人だから……ってわけじゃないけど、まあ、溜まっていないと言えば、ウソになるかしら？？？？？」


結局のところ、男は自分本位であり、どんな相手でも、開かずの扉にたどり着くことはないのだと悟ったのでした。別に、それが必ずしも悪いことだとは思いませんでした。

「まあ、仕方ないか。たまには羽休め……かしらね？？？？？？」

「ええ、存分に愉しみましょう。こう言うところはね、マゾな男もたくさんおりますからね！！！！！」

なるほど……益々、ベリーの感覚が分からなくなったのですが、まあ、これはこれで一興だと思いました。