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その10
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「水をくれ!!!!!!!!」
老人はいきなり、そう言いました。
「そんなものはありませんよ…………」
「ああっ????ないのか????そうすると、お前さんは道中、全く水を飲まないのか?????」
「いや、別にそう言うわけじゃないですけど……」
「じゃあ、どうするつもりだ?????ああ、確かにこの先には大河が流れている……国境付近だがな、そこの水でも飲むつもりか?????残念ながら、あそこの水は汚いからな……お前さんのようななりをしたお嬢さんはたちまち腹を下すだろうな…………」
「いえ、心配ありませんわ……道中に必要そうなお金は持ち合わせておりますから……」
お金……私がこのように言いますと、老人は一度溜息をついて、ニヤリと不敵な笑みを浮かべるのでした。
「ああ、やはり、私の目に狂いはなかったようだな…………」
「どういうことですか?????」
私は思わず聞き返しました。
「いやね……お前さんは恐らく、貴族様の娘なのだろう?????だから、これほど世間知らずなのだ……」
世間知らず……まあ、そうなのかもしれません。でも、少なくとも、この老人よりは世間のことを分かっていると思いましたので、言い返してしまいました。
「少なくとも、あなたよりは分かっているつもりですが????????」
「ああ、そうかそうか。お前さんたちは利口だからな……じゃあ、どうして、国境の大河の水が飲めないのか、その理由を説明できるかな??????」
「そんなの……分かりませんわ……」
「ほら、やっぱり世間知らずじゃないか……。世間知らずと言うのは、庶民の苦しみを知らないってことさ……」
苦しみ……どういう結びつきなのか、私には分かりませんでした。
老人はいきなり、そう言いました。
「そんなものはありませんよ…………」
「ああっ????ないのか????そうすると、お前さんは道中、全く水を飲まないのか?????」
「いや、別にそう言うわけじゃないですけど……」
「じゃあ、どうするつもりだ?????ああ、確かにこの先には大河が流れている……国境付近だがな、そこの水でも飲むつもりか?????残念ながら、あそこの水は汚いからな……お前さんのようななりをしたお嬢さんはたちまち腹を下すだろうな…………」
「いえ、心配ありませんわ……道中に必要そうなお金は持ち合わせておりますから……」
お金……私がこのように言いますと、老人は一度溜息をついて、ニヤリと不敵な笑みを浮かべるのでした。
「ああ、やはり、私の目に狂いはなかったようだな…………」
「どういうことですか?????」
私は思わず聞き返しました。
「いやね……お前さんは恐らく、貴族様の娘なのだろう?????だから、これほど世間知らずなのだ……」
世間知らず……まあ、そうなのかもしれません。でも、少なくとも、この老人よりは世間のことを分かっていると思いましたので、言い返してしまいました。
「少なくとも、あなたよりは分かっているつもりですが????????」
「ああ、そうかそうか。お前さんたちは利口だからな……じゃあ、どうして、国境の大河の水が飲めないのか、その理由を説明できるかな??????」
「そんなの……分かりませんわ……」
「ほら、やっぱり世間知らずじゃないか……。世間知らずと言うのは、庶民の苦しみを知らないってことさ……」
苦しみ……どういう結びつきなのか、私には分かりませんでした。
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