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その5

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「私が……次女だから。お姉様よりも後に生まれたからっていう理由だけで……お姉様の何倍も優れていると言いますのに、私は今まで一度も浮かばれたことがなかったのですよ!!!!!!!」

アリシアは、私に対する当てつけが酷くなってきました。まあ、その気持ちは分かりますが……この世界にはルールがありますから、誰しもがそのルールにのっとって行動しなければならないわけです。

公爵家の長女として王家と婚約する……私だって、本来ならばこのような重苦しい運命を受け入れたくはないのです。でも、私だってそういうルールに従って生きないといけない……ずっとそう考えてきたわけでございます。

いまこの瞬間……そのルールが無効になったとすれば、私は今まで何をしてきたのか、本当に分からなくなってしまうのです。どうして……だって、それだったら、私が今まで何をしても意味がなかったということになりませんか?????私だって、もっと自分の考えた楽しい人生を歩みたかった……結局、みんなが感情を押し殺して、それぞれの運命を受け入れようとするから、そこに亀裂が生じて、結局この様になってしまうのですね。

ああ、そうだとしたら、これまで歩んできた人生は何も意味がなかったってことですね。

よく分かりましたよ。
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