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フレディ3
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フレディ3
フレディが落ちていくのはゆっくりだった。
フレディは、アストラが居なくなると、ライザとの幸せの時間を噛み締めた。
両親からは強い反対を受けているが、レオナルドが説得したらすぐに賛成すると信じていた。
フレディは、レオナルドとの約束を軽く考えていた。
なぜなら、ライザもアストラと同じレオナルドの妹だからだ。
確かに結婚相手は変わったがライザの幸せのためにアストラが身を引いたのだ。それのどこに問題があるのかと、フレディは考えてすらいた。
長年、親友だったゆえの甘えがあった。手紙のやり取りもあったせいで、友情は変わらずある物だと信じていた。
しかし、フレディがライザの美しさに惑わされ変わってしまったのと同じように、レオナルドも変わっていた。
久しぶりに会ったレオナルドの目は信じられないほどに冷たかった。
フレディは、約束を破った事に対して怒っているのだと思った。しかし、それを軽く捉えていた。
その約束がどれほど重要な物だったのか考えもしなかったのだ。
しばらくは、禊の時間も必要だろう。
時間が経てば元に戻る物だと信じて疑わなかった。
「フレディ、ライザを絶対に幸せにしてみせろよ。できるものならな」
レオナルドが、嘲笑している事にフレディは気が付かなかった。
「終わりだ……」と、つぶやく両親をフレディはどこか他人事のように見ていた。
違和感を持ったのは早かった。
フレディは、将来のために小さな事業をしているのだが、銀行の融資が受けられなくなった。
言葉を選びつつも「その程度の事業のために融資はしたくない」と融資を断られた。
フレディの事業は手堅く、失敗する確率は低い。しかし、儲けも少ない。規模も小さい。
それでも今までは、融資が受けられたのだ。
それが突然なくなった。
フレディは、この時はたまたまだと思っていた。
フレディが今まで優遇され続けてきたのは、レオナルドが背後についていたからだ。
フレディに協力する事で、レオナルドに恩を売るという考えがあったのだ。
フレディの事業は儲けは少ないが失敗もしないため、融資しやすかったのもある。
それが無くなったのならフレディには何の価値もない。
それどころか、レオナルドを怒らせた存在など疫病神でしかなかった。
こういった噂はすぐに広がる物だ。
レオナルドがフレディと絶縁した事を、銀行に伝えて回ったのも大きいかもしれないが。
デンプシー家は、じわじわと真綿で首を絞められるように、裕福な生活から離れて行った。
それでも、名産品もある小さな領地からの収入はそれなりにあるため、馬鹿な事さえしなければそれなりの生活ができはたずだった。
馬鹿な事さえしなければ。
ゆっくりと生活の質が落ちていく感覚にフレディの気分は落ち込んでいった。
フレディの心の拠り所はライザだった。
しかし、ライザはアストラが居なくなっても表情は暗かった。
「私……、私がいけないんです」
ライザは会うたびに、自分を責めながらクリスタルのような涙を流す。
どうやら、ライザの屋敷の使用人が悉く辞めて居なくなり、世話をしてくれる人がいないようだ。
求人を出しているが、人は集まらずギリギリの人数で屋敷の中を回していると聞いた。
艶やかな金糸のような髪の毛は、傷み乾燥し艶を失っていた。
「お兄様が、仕送りを止めたようでデビュタントのお披露目に着ていくドレスが作れないんです」
泣きながら訴えるライザにフレディはその願いを叶えたいと思った。
自分自身がアストラにした事すら忘れて。
フレディが落ちていくのはゆっくりだった。
フレディは、アストラが居なくなると、ライザとの幸せの時間を噛み締めた。
両親からは強い反対を受けているが、レオナルドが説得したらすぐに賛成すると信じていた。
フレディは、レオナルドとの約束を軽く考えていた。
なぜなら、ライザもアストラと同じレオナルドの妹だからだ。
確かに結婚相手は変わったがライザの幸せのためにアストラが身を引いたのだ。それのどこに問題があるのかと、フレディは考えてすらいた。
長年、親友だったゆえの甘えがあった。手紙のやり取りもあったせいで、友情は変わらずある物だと信じていた。
しかし、フレディがライザの美しさに惑わされ変わってしまったのと同じように、レオナルドも変わっていた。
久しぶりに会ったレオナルドの目は信じられないほどに冷たかった。
フレディは、約束を破った事に対して怒っているのだと思った。しかし、それを軽く捉えていた。
その約束がどれほど重要な物だったのか考えもしなかったのだ。
しばらくは、禊の時間も必要だろう。
時間が経てば元に戻る物だと信じて疑わなかった。
「フレディ、ライザを絶対に幸せにしてみせろよ。できるものならな」
レオナルドが、嘲笑している事にフレディは気が付かなかった。
「終わりだ……」と、つぶやく両親をフレディはどこか他人事のように見ていた。
違和感を持ったのは早かった。
フレディは、将来のために小さな事業をしているのだが、銀行の融資が受けられなくなった。
言葉を選びつつも「その程度の事業のために融資はしたくない」と融資を断られた。
フレディの事業は手堅く、失敗する確率は低い。しかし、儲けも少ない。規模も小さい。
それでも今までは、融資が受けられたのだ。
それが突然なくなった。
フレディは、この時はたまたまだと思っていた。
フレディが今まで優遇され続けてきたのは、レオナルドが背後についていたからだ。
フレディに協力する事で、レオナルドに恩を売るという考えがあったのだ。
フレディの事業は儲けは少ないが失敗もしないため、融資しやすかったのもある。
それが無くなったのならフレディには何の価値もない。
それどころか、レオナルドを怒らせた存在など疫病神でしかなかった。
こういった噂はすぐに広がる物だ。
レオナルドがフレディと絶縁した事を、銀行に伝えて回ったのも大きいかもしれないが。
デンプシー家は、じわじわと真綿で首を絞められるように、裕福な生活から離れて行った。
それでも、名産品もある小さな領地からの収入はそれなりにあるため、馬鹿な事さえしなければそれなりの生活ができはたずだった。
馬鹿な事さえしなければ。
ゆっくりと生活の質が落ちていく感覚にフレディの気分は落ち込んでいった。
フレディの心の拠り所はライザだった。
しかし、ライザはアストラが居なくなっても表情は暗かった。
「私……、私がいけないんです」
ライザは会うたびに、自分を責めながらクリスタルのような涙を流す。
どうやら、ライザの屋敷の使用人が悉く辞めて居なくなり、世話をしてくれる人がいないようだ。
求人を出しているが、人は集まらずギリギリの人数で屋敷の中を回していると聞いた。
艶やかな金糸のような髪の毛は、傷み乾燥し艶を失っていた。
「お兄様が、仕送りを止めたようでデビュタントのお披露目に着ていくドレスが作れないんです」
泣きながら訴えるライザにフレディはその願いを叶えたいと思った。
自分自身がアストラにした事すら忘れて。
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