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貧乳だけどワンチャンありました1
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いい匂いがする。
パンが焼けるような美味しそうなものじゃなくて、綺麗な人が纏う上品な香り。
クンクンと私は鼻を動かしながら目を覚ました。
「あ、起きた」
控えめだが、少しだけ上擦った声が聞こえた。
その声は普段の物とは全く違い人に聞かれることを意識して、あえて高くしているものだ。
「結構酔ってたけど大丈夫?」
私の絶世の美女装子神様は、さっき拝んだ姿そのままで気遣わしげにこちらを見ていた。
私はベッドに横になっていたようだが、金原はそのすぐに近くのソファに座っている。
その耳に心地いい声を聞くだけで、私は飲んだことはないけれど、ウォッカを煽ったようにカッと胸が焼けつき、酔いが回り身動きが取れなくなっていくみたいだ。
「あぁ」
私が身悶えながら呻き声をあげると、女神様。金原は少しだけ頬を引きつらせていた。
もう、ダメだドン引きだ。
美しい女装子姿を見ただけで見悶えるような、変態部下なんて気持ち悪くて蛆虫以下の存在に決まってる。
素晴らしいものを見た瞬間に失恋なんてこの世界は地獄でしかない。
もう、私なんて生きている意味なんてないんだ。
飲んでいないはずのウォッカは私の胃を、この身体を焼き尽くすような激しい悲しみをくれた。
「うっ、うぅ」
私はその場で踞りながら静かに涙を流した。
可能ならその美しき姿をカメラに納めたい。なんなら、その魂も保管して一生肌身離さずに持ち歩きたいくらいだ。
「えっと」
金原は明らかに困惑したようにこちらに近づく。
「今どんな状況か分かってる?ここどこだと思ってるの?」
「へ……?」
言われてどこなのかわからず、顔を上げてキョロキョロすると、私はダブルベッドの上で寝そべっていた。
金原は少し離れた場所にあるソファに腰かけてタバコをふかしていた。のがついさっきだ。
たぶん私が起きるのを待っている間、ソファの向い側にあるテレビを観ていたのだろう。
タバコ吸うんだ。
的外れなのに私が真っ先に思ったのはそれで。
「タバコ吸うんですね」
金原は緊張感の全くない私の質問にズコッと頭を傾けた。
「うん、まぁね。意外?」
私の隣に座った金原は再びタバコを咥えて、「ふう」と真っ白な吐息を出した。
タバコには真っ赤な口紅の跡が着いていて、そのものがエロスな小道具に見える。
その口紅の上から咥えたい。無理ならタバコになりたい。
そんな思いを隠すように私は適当に応えた。
「そういうイメージないですから」
「真面目で通ってるからね」
金原は苦笑しているがその物憂げな雰囲気は、ついていない私のちんこを疼かせてしまう。
なんで今の科学の力で私の股間にちんこがにょっきりと生えて来ないのだろうか!
もし、もしも、生えてきたら金原さんをじゅぼじゅぼに犯してやるのに!
「見すぎ」
金原は普段みんなに見せる、穏和そうな笑顔を私に見せる。
それを見ただけで、一気に死にたい気分から『やっぱり生きよう。もしかしたらワンチャンあるかもしれないし。』なんて気持ちに傾き始めるのから彼は本当に唯一神だ。
「なんでそんな格好を?あの、男性がすき?」
野暮だなと思いながらも彼がこんな格好をしている理由が知りたかった。
「残念だけど、俺が好きなのは女の子だよ。ただの趣味」
趣味程度で男性ホルモンを無視した。この世に存在してはいけない、美女装子神様になれるなんて彼は何者なのだろ?
「そうなんですか」
良かったのか、よくなかったのか。なんだか複雑な気分だ。
そう、つまり私の理想の見た目なものの男とエッチが出来ないのだ。
だけど、女性が恋愛対象ならワンチャン。
なさそうだな。
真っ先に思ったのはそれだった。
「バレたのが君で良かったよ。言わないでしょ?」
「え、ええ。いいません」
そう言い切ってから私は一気に後悔した。
これ、脅したらエッチするくらいならワンチャンあったんじゃないの。
うわ、凄く勿体ない事をしちゃった。
だけど、その後金原がサラッと言った言葉に耳を疑った。
「俺の事好きだろう?いいよ」
金原はさっきまでの取り繕った女のような高い声をやめた。
つまりワンチャンありってこと!?
パンが焼けるような美味しそうなものじゃなくて、綺麗な人が纏う上品な香り。
クンクンと私は鼻を動かしながら目を覚ました。
「あ、起きた」
控えめだが、少しだけ上擦った声が聞こえた。
その声は普段の物とは全く違い人に聞かれることを意識して、あえて高くしているものだ。
「結構酔ってたけど大丈夫?」
私の絶世の美女装子神様は、さっき拝んだ姿そのままで気遣わしげにこちらを見ていた。
私はベッドに横になっていたようだが、金原はそのすぐに近くのソファに座っている。
その耳に心地いい声を聞くだけで、私は飲んだことはないけれど、ウォッカを煽ったようにカッと胸が焼けつき、酔いが回り身動きが取れなくなっていくみたいだ。
「あぁ」
私が身悶えながら呻き声をあげると、女神様。金原は少しだけ頬を引きつらせていた。
もう、ダメだドン引きだ。
美しい女装子姿を見ただけで見悶えるような、変態部下なんて気持ち悪くて蛆虫以下の存在に決まってる。
素晴らしいものを見た瞬間に失恋なんてこの世界は地獄でしかない。
もう、私なんて生きている意味なんてないんだ。
飲んでいないはずのウォッカは私の胃を、この身体を焼き尽くすような激しい悲しみをくれた。
「うっ、うぅ」
私はその場で踞りながら静かに涙を流した。
可能ならその美しき姿をカメラに納めたい。なんなら、その魂も保管して一生肌身離さずに持ち歩きたいくらいだ。
「えっと」
金原は明らかに困惑したようにこちらに近づく。
「今どんな状況か分かってる?ここどこだと思ってるの?」
「へ……?」
言われてどこなのかわからず、顔を上げてキョロキョロすると、私はダブルベッドの上で寝そべっていた。
金原は少し離れた場所にあるソファに腰かけてタバコをふかしていた。のがついさっきだ。
たぶん私が起きるのを待っている間、ソファの向い側にあるテレビを観ていたのだろう。
タバコ吸うんだ。
的外れなのに私が真っ先に思ったのはそれで。
「タバコ吸うんですね」
金原は緊張感の全くない私の質問にズコッと頭を傾けた。
「うん、まぁね。意外?」
私の隣に座った金原は再びタバコを咥えて、「ふう」と真っ白な吐息を出した。
タバコには真っ赤な口紅の跡が着いていて、そのものがエロスな小道具に見える。
その口紅の上から咥えたい。無理ならタバコになりたい。
そんな思いを隠すように私は適当に応えた。
「そういうイメージないですから」
「真面目で通ってるからね」
金原は苦笑しているがその物憂げな雰囲気は、ついていない私のちんこを疼かせてしまう。
なんで今の科学の力で私の股間にちんこがにょっきりと生えて来ないのだろうか!
もし、もしも、生えてきたら金原さんをじゅぼじゅぼに犯してやるのに!
「見すぎ」
金原は普段みんなに見せる、穏和そうな笑顔を私に見せる。
それを見ただけで、一気に死にたい気分から『やっぱり生きよう。もしかしたらワンチャンあるかもしれないし。』なんて気持ちに傾き始めるのから彼は本当に唯一神だ。
「なんでそんな格好を?あの、男性がすき?」
野暮だなと思いながらも彼がこんな格好をしている理由が知りたかった。
「残念だけど、俺が好きなのは女の子だよ。ただの趣味」
趣味程度で男性ホルモンを無視した。この世に存在してはいけない、美女装子神様になれるなんて彼は何者なのだろ?
「そうなんですか」
良かったのか、よくなかったのか。なんだか複雑な気分だ。
そう、つまり私の理想の見た目なものの男とエッチが出来ないのだ。
だけど、女性が恋愛対象ならワンチャン。
なさそうだな。
真っ先に思ったのはそれだった。
「バレたのが君で良かったよ。言わないでしょ?」
「え、ええ。いいません」
そう言い切ってから私は一気に後悔した。
これ、脅したらエッチするくらいならワンチャンあったんじゃないの。
うわ、凄く勿体ない事をしちゃった。
だけど、その後金原がサラッと言った言葉に耳を疑った。
「俺の事好きだろう?いいよ」
金原はさっきまでの取り繕った女のような高い声をやめた。
つまりワンチャンありってこと!?
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