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ローディンの拒絶にセインは腹が立った。
じゃあ、なぜ、ここに来たのだろう?セインには理解できなかった。
それに、ローディンはセインの頼みすら聞こうとはしなかった。それは、明確な拒絶を表していた。
「なぜ、なぜ断るんだ!聞きもしないで、ここに来てくれたって事は話をするために来てくれたんだろう!?」
「違います。医師としての責務を果たすためにきました」
医師としての責務。
それは裁判の時、セインがローディンを愚かでバカだと思った物だった。
彼は愚直にそれを守り続けたのだろう。だからこそ、セインとは違って周囲からの信頼も厚く名医になれたのだ。
セインとローディンの明確な差はチネロに向けた誠意でいつのまにか出来上がっていた。
けれど、セインは、なりふり構っていられなかった。自分が早く引退するという事は、マリーに早くに爵位を譲る事になるのだ。
マリー一人で領地経営などできないだろう。夫にはちゃんと支えになってくれる人を探し出さないといけない。
それに、自分がもしも、早く死ぬのなら残す二人が気がかりで仕方なかった。
「頼む、頼むから、エリーとマリーを気にかけて欲しい」
セインが頭を下げると、ローディンは、なんの感情もなくそれを見ていた。
「なぜ、僕が?」
「親友だっただろう?」
不思議そうに首を傾けるローディンに、セインは、情に訴えるように青春時代の話を持ち出そうとした。しかし……。
「過去の話ですよ。今は、無関係ではありませんか」
それすらも、捨てたのはセインだと言わんばかりのローディンの目は、裁判の後に向けられた物と同じだった。
そうか、あの時から、ローディンは自分のことを切り捨てたのだと気がつく。
「だが、私が貴族としても責務が果たせなくなるのなら、マリーにちゃんとした婚約者をつけてやりたい」
セインは、自分の事はどうでもいいと思った。
チネロがされたことと同じことをされても、マリーとエリーを助けてくれるなら、ローディンに感謝すらできそうだった。
「それが、僕に何の関係があるんですか?妻にチネロにあれだけのことをしておいてよく言えますね」
「あれは、悪かったと思ってる。それに、私は罪を償った筈だ」
ローディンは、チネロにしたことをやはり持ち出してきた。しかし、それは、和解が済んでいる。一方的に逆恨みされてもどうしようもない。
「慰謝料ですか?確かにそうかもしれませんね」
「だったら……」
過去の事は水に流して助けてくれ、セインはそう言おうとした。
しかし、自分のした罪は逃げきったつもりでいても、後を追ってくる。
「襲撃した事は?不貞は?どう弁明します?貴方は逃げ切りましたね」
「あれも、悪かったと思ってる」
セインは、自分の罪を認めるしかなかった。下手に否定したところで、なんの意味もない。
自分にできることはローディンの信用を少しでも勝ち取ることだけだ。それ以外にマリーとエリーを救える方法はない。
「じゃあ、娘のマリーさんに、チネロにしたことと同じことをしてください。そうすれば、僕はマリーさんとエリーさんを気にかけてあげることができます」
それを言われた瞬間、セインは身体の血液が沸騰しそうになった。
あんな悍ましいことなど、マリーにできるわけがない。罪人や奴隷ですらあのような扱いなんて受けない。
「そんな事できるわけがないだろう!不幸にさせるような事なんて!」
「そうだろうね。チネロのお母様もそんな気持ちで無念だったから、メリッサさんに頼ったんでしょうね」
身体が弱りだしてようやく、セインは、チネロの母の気持ちが少しだけわかるようになった。
このまま、エリーとマリーを残して死ぬなんてとてもではないが耐えられない。だからこそ、ローディンを頼りにしているというのに……。
しかし、セインはチネロの母ほど自分は身勝手ではないと思っていた。
「チネロの母と同じにするな」
「同じじゃないですか、いや、それよりもタチが悪い。彼女はよかれと思ってしたことで結果的にチネロは不幸になった。けど、君は違う。ただ、人にいい顔がしたいばかりに、チネロとその母のせいにしてそのツケを払わせた。君のした事は悪意だ」
自分がチネロにしたことが回り回って今、マリーとエリーを不幸にしようと降りかかっている。
そして、それを止める手立てはセインにはない。
いや、本当はあったのだ。
「あの時、自分の罪を認めて罰を受けたら僕は今の君を助けただろう。だけど、君は罰を受けなかった。だから、僕は君を助けない」
あの時、罪を認めれば……、チネロを襲おうとしなければ……、不貞など起こさなければ……。
そして、自分の罪を認めていれば。
ローディンはあの時、証拠をあえて不十分な状態で提出したのではないのか、罪を白状して償うか試していたのではないか、と、セインは思った。
ローディンはこうなることをきっと予想していたのだろう。
あの時、セインはローディンを馬鹿にして逃げおおせたと思っていた。それは違う。
後になって自滅という形で自分やそして、大切な人に襲いかかってきた。
悪いのは甘い言葉に乗せられた自分自身だ。大切な人によく見られたいがために、沢山の人を見下し踏みつけにしてきた。
「うわぁぁあぁ!!」
セインは、顔を両手で押さえて慟哭を上げる。
ローディンはその背中に手すら乗せてはくれない。
「じゃあ、さようなら。診察以外の用事で呼び出すのは絶対にやめてくれ」
ローディンはそう言い残して、セインの、屋敷から出ていった。
数年後、エセクター家は、セインが亡くなり程なくして、マリーの手で爵位を返上した。
マリーは与えられた遺産を寄付して、修道院に入り人々に尽くした。両親の罪を償うように。
「爵位を返上する?ダメよ。形でもいいから婿を取りなさい」
夫のサインが亡くなり程なくして、娘のマリーが『爵位を返上する』と言い出してエリーは戸惑った。
「嫌ですよ。こんな家に婿に来たがる人などいません」
確かに、明らかな乗っ取り目的の家以外の縁談話は来ないけれど、お金を積めば形だけの婿は来るはずだとエリーは思っていた。
それに、マリーが爵位を返上したら、自分の生活が立ち行かなくなる。
「前妻がを死ぬ寸前まで虐待して、離縁が成立する前に不貞。私という悍ましい子供を作って何をいうんですか?」
マリーの言葉にエリーは驚いて息を呑んだ。
なぜ、それを知っているの?
「何を言って……?」
「親切な人に父の葬儀の時に教えてもらいました。あの人と貴女の血が流れてるって思うだけで死にたくなる。私はあの人以上に貴女に吐き気がします」
「それは、嘘よ。妬んだ人なら勝手に言ってるのよ」
エリーは嘘だと取り繕うけれど、マリーは冷めた目でこちらを見て信じる様子はなかった。
「じゃあ、なぜ、まともな婿が来ないの?なぜ、みんなから遠巻きにされているの?なぜ……前の奥さんを襲おうとしたの……?」
血を吐くような言葉に、エリーは震え上がった。
それは、過去のことですべて終わったことだ。それなのに、なぜ今さら掘り返してくるのだろう?
エリーは確かにセインを唆した。けれど、あれを実行したのはセインだ。自分は悪くない。
「もうやめて!私が悪いわけじゃないわ。お父様が悪いのよ!爵位を返上したら私はどう生活したらいいの?」
「知りませんよ。自分で考えたらいいんじゃないですか?」
「お前は、なんて身勝手で自分の事しか考えられないの?今に後悔するわよ」
マリーは、修道院に行くその日まで自室から出ることはなかった。
爵位は滞りなく返上されてエリーは一人ぼっちになった。
マリーの最後の温情で残されたお金は、少なくはなかったけれど多くはなかった。
エリーは侯爵家にいた時よりも質素な生活をしていた。傲慢で身勝手な所のあるエリーは、近所の人間から遠巻きにされた。
友人もいないのでエリーの家には誰も尋ねては来ない。けれど、彼女は自分が特別な人間だと信じて疑わなかった。
特別な人間の彼女も歳には勝てなかった。風邪をひいて寝たきりになってもしばらくは発見されなかった。
最近見かけない。勝手に死なれたら後処理が面倒だ。という、理由で近所の人間が様子を見にきたところでようやく保護された。
痩せ細りかつて貴族だったなんて誰も信じてもらえない姿だった。
保護されて手厚く看護されても、エリーは自分の最期を悟っていた。
もう、死ぬのだ。
エリーが最期に逢いたいのは娘のマリーだ。
けれど、何度手紙を書いても彼女が来る気配ない。
「お手紙の返事が届きました」
看護人がようやく、マリーからの手紙を持ってきてくれた。
「なんて、なんて書いてあるの?」
看護人は、エリーの言葉に何か言いたげに視線を巡らせて、口を開いた。
『私は、爵位を返上したその日から、貴女の娘ではありません』
「あの子に会いたい……。あの子に……」
エリーはマリーは二度と自分に逢いに来ないだろうと思った。
お腹を痛めて産んだ娘は、他人だと自分の事を言った。
私は、一人で死ぬ。
セインと結婚した時は、家族に看取られて幸せな最期を迎えると信じて疑わなかった。
それなのに、なぜ?
エリーは自問自答を繰り返して、答えを見つけられないまま一人で息を引き取った。
じゃあ、なぜ、ここに来たのだろう?セインには理解できなかった。
それに、ローディンはセインの頼みすら聞こうとはしなかった。それは、明確な拒絶を表していた。
「なぜ、なぜ断るんだ!聞きもしないで、ここに来てくれたって事は話をするために来てくれたんだろう!?」
「違います。医師としての責務を果たすためにきました」
医師としての責務。
それは裁判の時、セインがローディンを愚かでバカだと思った物だった。
彼は愚直にそれを守り続けたのだろう。だからこそ、セインとは違って周囲からの信頼も厚く名医になれたのだ。
セインとローディンの明確な差はチネロに向けた誠意でいつのまにか出来上がっていた。
けれど、セインは、なりふり構っていられなかった。自分が早く引退するという事は、マリーに早くに爵位を譲る事になるのだ。
マリー一人で領地経営などできないだろう。夫にはちゃんと支えになってくれる人を探し出さないといけない。
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「過去の話ですよ。今は、無関係ではありませんか」
それすらも、捨てたのはセインだと言わんばかりのローディンの目は、裁判の後に向けられた物と同じだった。
そうか、あの時から、ローディンは自分のことを切り捨てたのだと気がつく。
「だが、私が貴族としても責務が果たせなくなるのなら、マリーにちゃんとした婚約者をつけてやりたい」
セインは、自分の事はどうでもいいと思った。
チネロがされたことと同じことをされても、マリーとエリーを助けてくれるなら、ローディンに感謝すらできそうだった。
「それが、僕に何の関係があるんですか?妻にチネロにあれだけのことをしておいてよく言えますね」
「あれは、悪かったと思ってる。それに、私は罪を償った筈だ」
ローディンは、チネロにしたことをやはり持ち出してきた。しかし、それは、和解が済んでいる。一方的に逆恨みされてもどうしようもない。
「慰謝料ですか?確かにそうかもしれませんね」
「だったら……」
過去の事は水に流して助けてくれ、セインはそう言おうとした。
しかし、自分のした罪は逃げきったつもりでいても、後を追ってくる。
「襲撃した事は?不貞は?どう弁明します?貴方は逃げ切りましたね」
「あれも、悪かったと思ってる」
セインは、自分の罪を認めるしかなかった。下手に否定したところで、なんの意味もない。
自分にできることはローディンの信用を少しでも勝ち取ることだけだ。それ以外にマリーとエリーを救える方法はない。
「じゃあ、娘のマリーさんに、チネロにしたことと同じことをしてください。そうすれば、僕はマリーさんとエリーさんを気にかけてあげることができます」
それを言われた瞬間、セインは身体の血液が沸騰しそうになった。
あんな悍ましいことなど、マリーにできるわけがない。罪人や奴隷ですらあのような扱いなんて受けない。
「そんな事できるわけがないだろう!不幸にさせるような事なんて!」
「そうだろうね。チネロのお母様もそんな気持ちで無念だったから、メリッサさんに頼ったんでしょうね」
身体が弱りだしてようやく、セインは、チネロの母の気持ちが少しだけわかるようになった。
このまま、エリーとマリーを残して死ぬなんてとてもではないが耐えられない。だからこそ、ローディンを頼りにしているというのに……。
しかし、セインはチネロの母ほど自分は身勝手ではないと思っていた。
「チネロの母と同じにするな」
「同じじゃないですか、いや、それよりもタチが悪い。彼女はよかれと思ってしたことで結果的にチネロは不幸になった。けど、君は違う。ただ、人にいい顔がしたいばかりに、チネロとその母のせいにしてそのツケを払わせた。君のした事は悪意だ」
自分がチネロにしたことが回り回って今、マリーとエリーを不幸にしようと降りかかっている。
そして、それを止める手立てはセインにはない。
いや、本当はあったのだ。
「あの時、自分の罪を認めて罰を受けたら僕は今の君を助けただろう。だけど、君は罰を受けなかった。だから、僕は君を助けない」
あの時、罪を認めれば……、チネロを襲おうとしなければ……、不貞など起こさなければ……。
そして、自分の罪を認めていれば。
ローディンはあの時、証拠をあえて不十分な状態で提出したのではないのか、罪を白状して償うか試していたのではないか、と、セインは思った。
ローディンはこうなることをきっと予想していたのだろう。
あの時、セインはローディンを馬鹿にして逃げおおせたと思っていた。それは違う。
後になって自滅という形で自分やそして、大切な人に襲いかかってきた。
悪いのは甘い言葉に乗せられた自分自身だ。大切な人によく見られたいがために、沢山の人を見下し踏みつけにしてきた。
「うわぁぁあぁ!!」
セインは、顔を両手で押さえて慟哭を上げる。
ローディンはその背中に手すら乗せてはくれない。
「じゃあ、さようなら。診察以外の用事で呼び出すのは絶対にやめてくれ」
ローディンはそう言い残して、セインの、屋敷から出ていった。
数年後、エセクター家は、セインが亡くなり程なくして、マリーの手で爵位を返上した。
マリーは与えられた遺産を寄付して、修道院に入り人々に尽くした。両親の罪を償うように。
「爵位を返上する?ダメよ。形でもいいから婿を取りなさい」
夫のサインが亡くなり程なくして、娘のマリーが『爵位を返上する』と言い出してエリーは戸惑った。
「嫌ですよ。こんな家に婿に来たがる人などいません」
確かに、明らかな乗っ取り目的の家以外の縁談話は来ないけれど、お金を積めば形だけの婿は来るはずだとエリーは思っていた。
それに、マリーが爵位を返上したら、自分の生活が立ち行かなくなる。
「前妻がを死ぬ寸前まで虐待して、離縁が成立する前に不貞。私という悍ましい子供を作って何をいうんですか?」
マリーの言葉にエリーは驚いて息を呑んだ。
なぜ、それを知っているの?
「何を言って……?」
「親切な人に父の葬儀の時に教えてもらいました。あの人と貴女の血が流れてるって思うだけで死にたくなる。私はあの人以上に貴女に吐き気がします」
「それは、嘘よ。妬んだ人なら勝手に言ってるのよ」
エリーは嘘だと取り繕うけれど、マリーは冷めた目でこちらを見て信じる様子はなかった。
「じゃあ、なぜ、まともな婿が来ないの?なぜ、みんなから遠巻きにされているの?なぜ……前の奥さんを襲おうとしたの……?」
血を吐くような言葉に、エリーは震え上がった。
それは、過去のことですべて終わったことだ。それなのに、なぜ今さら掘り返してくるのだろう?
エリーは確かにセインを唆した。けれど、あれを実行したのはセインだ。自分は悪くない。
「もうやめて!私が悪いわけじゃないわ。お父様が悪いのよ!爵位を返上したら私はどう生活したらいいの?」
「知りませんよ。自分で考えたらいいんじゃないですか?」
「お前は、なんて身勝手で自分の事しか考えられないの?今に後悔するわよ」
マリーは、修道院に行くその日まで自室から出ることはなかった。
爵位は滞りなく返上されてエリーは一人ぼっちになった。
マリーの最後の温情で残されたお金は、少なくはなかったけれど多くはなかった。
エリーは侯爵家にいた時よりも質素な生活をしていた。傲慢で身勝手な所のあるエリーは、近所の人間から遠巻きにされた。
友人もいないのでエリーの家には誰も尋ねては来ない。けれど、彼女は自分が特別な人間だと信じて疑わなかった。
特別な人間の彼女も歳には勝てなかった。風邪をひいて寝たきりになってもしばらくは発見されなかった。
最近見かけない。勝手に死なれたら後処理が面倒だ。という、理由で近所の人間が様子を見にきたところでようやく保護された。
痩せ細りかつて貴族だったなんて誰も信じてもらえない姿だった。
保護されて手厚く看護されても、エリーは自分の最期を悟っていた。
もう、死ぬのだ。
エリーが最期に逢いたいのは娘のマリーだ。
けれど、何度手紙を書いても彼女が来る気配ない。
「お手紙の返事が届きました」
看護人がようやく、マリーからの手紙を持ってきてくれた。
「なんて、なんて書いてあるの?」
看護人は、エリーの言葉に何か言いたげに視線を巡らせて、口を開いた。
『私は、爵位を返上したその日から、貴女の娘ではありません』
「あの子に会いたい……。あの子に……」
エリーはマリーは二度と自分に逢いに来ないだろうと思った。
お腹を痛めて産んだ娘は、他人だと自分の事を言った。
私は、一人で死ぬ。
セインと結婚した時は、家族に看取られて幸せな最期を迎えると信じて疑わなかった。
それなのに、なぜ?
エリーは自問自答を繰り返して、答えを見つけられないまま一人で息を引き取った。
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