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裁判に勝ったセインは、自分を取り巻く環境の変化に戸惑った。
夜会に参加すると表面上は友好的な態度を取るのに、話を切り上げようとするようになった。
明らかに、すり寄りたい人間だけが自分に近づくようになっていった。
明らかに、裁判の件が他所に漏れたのだろう。
しかし、グレーゾーンの不貞のせいだと彼は思っていて、時間が解決してくれると信じていた。
正妻が亡くなってすぐに愛人と再婚した貴族も、最初はよそよそしくても、日が経てば受け入れられていたので、自分もそうなるだろうと思っていた。
しばらくして、エリーは元気な女の子を産んだ。
「ありがとう。エリー」
抱き上げた身体はとても小さく、呼吸をしている事すら奇跡に思えて、セインは目頭が熱くなった。
名前はマリーにした。
この子には、絶対に幸せになってほしい。
セインは、強く願った。
メリッサとはチネロの件で、疎遠にして欲しいと父に言われたけれど、産まれてきた子供を見たら考えを改める筈だ。
セインは思い立って、エリーの体調が整い次第メリッサに逢いにいくことにした。
「お義母様は、私を認めてくれるかしら?」
メリッサの療養地に向かっている道中、エリーは不安げにため息を吐いた。
「大丈夫だ。子供も産んだしきっと、認めてくれるだろう」
「それも、そうね」
「きっと、今に君のことを可愛い娘だと認めてくれるよ」
「楽しみだわ」
エリーはうっとりと微笑む。その姿はなによりも愛おしかった。
「何も知らせもありませんでしたが……」
療養している屋敷に訪問すると、執事が戸惑う様子でセインを見る。
「メリッサ様は体調を崩しております。知らせもなくお会いさせることはできません」
執事は戸惑いつつも、冷めた目でセインの訪問を拒むような態度を示す。
「なんだと?家族なのになぜ?とにかく母さんに確認してくるんだ」
「わかりました。しかし、もしも、断られたらお引き取りください」
キッパリと言い切る執事にセインは怒りを覚えた。
その態度は、屋敷の主人の家族に向けるものとはとても思えなかった。
「奥様は、お会いしてもよろしいという事でした。お子様もいらっしゃりますし、そのままお返しするのはお子様に酷だということでした」
しばらく待たされて言われた言葉は、歓迎とは程遠いものだった。
色々と言いたいことはあったけれど、セインはそれを飲み込んだ。
マリーの姿を見ればきっと、セインやエリーに対しての凍てついた気持ちも溶けていくだろうと考えていた。
「来るな。と言ったのになぜきたの?」
メリッサは冷たく硬い声でセインに問いかけた。
「娘が生まれたのです。マリーです」
「そう、顔を見たら帰ってもらっていいかしら?」
メリッサは硬い表情のまま、セイン達に帰るように促した。その態度は、厄介な客への態度と同じだった。
「お義母さま、セイン様を責めないでください。私が悪いのです」
エリーはメリッサの冷たい態度に傷つき、けれど、セインを気遣うように涙を流して訴えかけた。
「本当にそう思ってるのかしら?」
「え?」
「セイン、いえ、貴女もそうね。親という立場になって少しも自分のしたことを怖いと思わないの?」
メリッサはすでに終わったことを持ち出して、セインとエリーを責め出した。
けれど、2人はチネロへの虐待に関わっていない。
無関係な事を責められても、と2人は戸惑う表情を浮かべるとメリッサは鼻で笑った。
「それは、メイドがした事を言っているのでしょうか?」
「閉じ込められて粗末な食事を出されて、酷い生活をさせられてる間に、夫は愛人と子供まで作って」
エリーの問いかけにメリッサは、2人を睨みつける。その鬼気迫る姿に2人は息を呑んだ。
「母さん!それは、言いがかりです。確かに婚姻するよりも先に妊娠はしましたが、それは、離縁が成立してからです」
グレーゾーンの不貞については、確かに2人にとっての落ち度だ。しかし、身体の関係を持ったのはチネロが別邸から居なくなったからなので全く問題はないとセインは思っていた。
しかし、次の一言に言葉を飲み込む。
「それを、娘の目を見て言えるの?自分は後ろ暗い事など何一つしていない。と、言い切れるの?」
普段のセインなら、すぐさま開き直っただろう。しかし、大きくなったマリーにこの事を知られたら、自分はなんと答えるのだろう。
『親切』な人は世の中に沢山いる。メリッサと父が、チネロの件を知ったのは口の軽い『親切』な人が教えてくれたからだ。
「……話をすり替えないでください。あれは、仕方なかった」
心を乱されてようやく出た言い訳は、裁判の時とは違い弱々しくて説得力もなかった。
「そこの娘がもしも、チネロさんと同じ生活をさせられてもセインは仕方のないことだと言えるのかしら?」
「酷いっ、私は、なにも悪いことなんてしていないのに、生まれてきたマリーにそんなことを言うなんてっ!」
エリーは、チネロがされてきた事を想像したのだろう。涙を浮かべてメリッサに向かって大声を出した。
「酷いのはどちらかしら?」
酷いのはエリーに残酷な事を言ったメリッサだ。セインはここまで母に庇われるチネロに腹を立てていた。
縁の切れた娘をなぜ、母は構うのだろう。それよりも、血の繋がったマリーと新しい妻のエリーを大切にして欲しいのに……。
「悪いけど、もう二度と来ないでちょうだい。私が死んでも葬儀には来ないで、おめでたい事だけれど、心から祝福できないの」
実質的な絶縁宣言に、セインは、心のままに母に怒りを向けた。
チネロの事が最初から気に入らなかった。
血の繋がった自分という存在がいるのに、時折、チネロを気にかけるメリッサが、勝手に縁談話を用意したこともそうだ。
楽しみにしていたメリッサの手前、自分はエリーという大切な恋人を打ち明けることができなかったのだ。
悪いのは全て、チネロとその母なのだ。
「なぜですか、なぜ、僕じゃなくてチネロを大切にするんだ!血の繋がりなんてないのに!僕は貴女が産んだ子供だ!」
「それが何?」
「親友だか、なんだか、わからないが、そんな女のわがままに付き合って、その娘を優先するなんてどうかしてる」
あの女のわがままさえ聞かなければ、セインは遠まわりしなくてもエリーと結婚できたのだ。再燃した怒りは深くて、自分でも抑え切れなかった。
こんな事を言ったら余計関係が拗れる事が分かっていても、言わずにはいられなかった。
「自分の産んだ大切な息子が、間接的に人殺しをしようとして、お金で揉み消してそれを庇う親の方がどうかしてるわ」
メリッサは、客観的に見るととてもいい親なのだろう。しかし、子供の立場として見ればどうだろう。
庇って欲しい局面で掌を返して自分を責めて……。
「だけど」
「チネロとの縁談を勝手にすすめた事、とても、悪かったと思ってるわ。だけど、貴方は誰かのせいになんてしないで私に相談すべきだったわ。そうしてくれれば、私はエリーさんを受け入れられた。だけど、もう無理なの。貴方達を見るのが怖い」
メリッサはメイドがチネロにした事を思い出したのか、顔色を悪くさせて震え始めた。
しかし、それにはセインは無関係だ。
結局、チネロを取るのか……。
「それが、母さんの答えか。僕よりもチネロをとるんだな」
「チネロは、私を許してなんてくれないわ。だけど、ケジメはつけたい。二度と逢うつもりはないわ。さようなら」
セインは、今日、この場で母が死んだと思うことにした。
逢いたいと願ったとしてもここまで言われて、マリーと会わせるつもりはなかった。
「もう来ない。アンタは自分から家族という縁を切り捨てたんだ」
吐き捨てるようにセインが呟くと、メリッサの冷めた目が一瞥した。
もうなにも話す事などない。と、言わんばかりに。
夜会に参加すると表面上は友好的な態度を取るのに、話を切り上げようとするようになった。
明らかに、すり寄りたい人間だけが自分に近づくようになっていった。
明らかに、裁判の件が他所に漏れたのだろう。
しかし、グレーゾーンの不貞のせいだと彼は思っていて、時間が解決してくれると信じていた。
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しばらくして、エリーは元気な女の子を産んだ。
「ありがとう。エリー」
抱き上げた身体はとても小さく、呼吸をしている事すら奇跡に思えて、セインは目頭が熱くなった。
名前はマリーにした。
この子には、絶対に幸せになってほしい。
セインは、強く願った。
メリッサとはチネロの件で、疎遠にして欲しいと父に言われたけれど、産まれてきた子供を見たら考えを改める筈だ。
セインは思い立って、エリーの体調が整い次第メリッサに逢いにいくことにした。
「お義母様は、私を認めてくれるかしら?」
メリッサの療養地に向かっている道中、エリーは不安げにため息を吐いた。
「大丈夫だ。子供も産んだしきっと、認めてくれるだろう」
「それも、そうね」
「きっと、今に君のことを可愛い娘だと認めてくれるよ」
「楽しみだわ」
エリーはうっとりと微笑む。その姿はなによりも愛おしかった。
「何も知らせもありませんでしたが……」
療養している屋敷に訪問すると、執事が戸惑う様子でセインを見る。
「メリッサ様は体調を崩しております。知らせもなくお会いさせることはできません」
執事は戸惑いつつも、冷めた目でセインの訪問を拒むような態度を示す。
「なんだと?家族なのになぜ?とにかく母さんに確認してくるんだ」
「わかりました。しかし、もしも、断られたらお引き取りください」
キッパリと言い切る執事にセインは怒りを覚えた。
その態度は、屋敷の主人の家族に向けるものとはとても思えなかった。
「奥様は、お会いしてもよろしいという事でした。お子様もいらっしゃりますし、そのままお返しするのはお子様に酷だということでした」
しばらく待たされて言われた言葉は、歓迎とは程遠いものだった。
色々と言いたいことはあったけれど、セインはそれを飲み込んだ。
マリーの姿を見ればきっと、セインやエリーに対しての凍てついた気持ちも溶けていくだろうと考えていた。
「来るな。と言ったのになぜきたの?」
メリッサは冷たく硬い声でセインに問いかけた。
「娘が生まれたのです。マリーです」
「そう、顔を見たら帰ってもらっていいかしら?」
メリッサは硬い表情のまま、セイン達に帰るように促した。その態度は、厄介な客への態度と同じだった。
「お義母さま、セイン様を責めないでください。私が悪いのです」
エリーはメリッサの冷たい態度に傷つき、けれど、セインを気遣うように涙を流して訴えかけた。
「本当にそう思ってるのかしら?」
「え?」
「セイン、いえ、貴女もそうね。親という立場になって少しも自分のしたことを怖いと思わないの?」
メリッサはすでに終わったことを持ち出して、セインとエリーを責め出した。
けれど、2人はチネロへの虐待に関わっていない。
無関係な事を責められても、と2人は戸惑う表情を浮かべるとメリッサは鼻で笑った。
「それは、メイドがした事を言っているのでしょうか?」
「閉じ込められて粗末な食事を出されて、酷い生活をさせられてる間に、夫は愛人と子供まで作って」
エリーの問いかけにメリッサは、2人を睨みつける。その鬼気迫る姿に2人は息を呑んだ。
「母さん!それは、言いがかりです。確かに婚姻するよりも先に妊娠はしましたが、それは、離縁が成立してからです」
グレーゾーンの不貞については、確かに2人にとっての落ち度だ。しかし、身体の関係を持ったのはチネロが別邸から居なくなったからなので全く問題はないとセインは思っていた。
しかし、次の一言に言葉を飲み込む。
「それを、娘の目を見て言えるの?自分は後ろ暗い事など何一つしていない。と、言い切れるの?」
普段のセインなら、すぐさま開き直っただろう。しかし、大きくなったマリーにこの事を知られたら、自分はなんと答えるのだろう。
『親切』な人は世の中に沢山いる。メリッサと父が、チネロの件を知ったのは口の軽い『親切』な人が教えてくれたからだ。
「……話をすり替えないでください。あれは、仕方なかった」
心を乱されてようやく出た言い訳は、裁判の時とは違い弱々しくて説得力もなかった。
「そこの娘がもしも、チネロさんと同じ生活をさせられてもセインは仕方のないことだと言えるのかしら?」
「酷いっ、私は、なにも悪いことなんてしていないのに、生まれてきたマリーにそんなことを言うなんてっ!」
エリーは、チネロがされてきた事を想像したのだろう。涙を浮かべてメリッサに向かって大声を出した。
「酷いのはどちらかしら?」
酷いのはエリーに残酷な事を言ったメリッサだ。セインはここまで母に庇われるチネロに腹を立てていた。
縁の切れた娘をなぜ、母は構うのだろう。それよりも、血の繋がったマリーと新しい妻のエリーを大切にして欲しいのに……。
「悪いけど、もう二度と来ないでちょうだい。私が死んでも葬儀には来ないで、おめでたい事だけれど、心から祝福できないの」
実質的な絶縁宣言に、セインは、心のままに母に怒りを向けた。
チネロの事が最初から気に入らなかった。
血の繋がった自分という存在がいるのに、時折、チネロを気にかけるメリッサが、勝手に縁談話を用意したこともそうだ。
楽しみにしていたメリッサの手前、自分はエリーという大切な恋人を打ち明けることができなかったのだ。
悪いのは全て、チネロとその母なのだ。
「なぜですか、なぜ、僕じゃなくてチネロを大切にするんだ!血の繋がりなんてないのに!僕は貴女が産んだ子供だ!」
「それが何?」
「親友だか、なんだか、わからないが、そんな女のわがままに付き合って、その娘を優先するなんてどうかしてる」
あの女のわがままさえ聞かなければ、セインは遠まわりしなくてもエリーと結婚できたのだ。再燃した怒りは深くて、自分でも抑え切れなかった。
こんな事を言ったら余計関係が拗れる事が分かっていても、言わずにはいられなかった。
「自分の産んだ大切な息子が、間接的に人殺しをしようとして、お金で揉み消してそれを庇う親の方がどうかしてるわ」
メリッサは、客観的に見るととてもいい親なのだろう。しかし、子供の立場として見ればどうだろう。
庇って欲しい局面で掌を返して自分を責めて……。
「だけど」
「チネロとの縁談を勝手にすすめた事、とても、悪かったと思ってるわ。だけど、貴方は誰かのせいになんてしないで私に相談すべきだったわ。そうしてくれれば、私はエリーさんを受け入れられた。だけど、もう無理なの。貴方達を見るのが怖い」
メリッサはメイドがチネロにした事を思い出したのか、顔色を悪くさせて震え始めた。
しかし、それにはセインは無関係だ。
結局、チネロを取るのか……。
「それが、母さんの答えか。僕よりもチネロをとるんだな」
「チネロは、私を許してなんてくれないわ。だけど、ケジメはつけたい。二度と逢うつもりはないわ。さようなら」
セインは、今日、この場で母が死んだと思うことにした。
逢いたいと願ったとしてもここまで言われて、マリーと会わせるつもりはなかった。
「もう来ない。アンタは自分から家族という縁を切り捨てたんだ」
吐き捨てるようにセインが呟くと、メリッサの冷めた目が一瞥した。
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