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てしまっていたため川で洗い流してきたのだそうです。その時に着ていた服を乾かすために火を起こしていたら遅くなってしまったと言っていました。それを聞いた私はホッと胸をなで下ろすと共に安堵感を覚えていました。もし何かあったらどうしようかと思っていましたからね……。
それからというものの、二人での生活が始まりました。最初は不安ばかりでしたが今ではすっかり慣れてしまいましたし毎日楽しく過ごせています。ただ一つだけ問題があるとすればそれは夜になると襲ってくるあの衝動でしょうか……。どうしても我慢出来なくてこっそり一人で処理しているのですが、最近はそれだけでは満足できなくなってしまっている自分がいて怖いくらいです……このままだといつか一線を越えてしまう日が来るんじゃないかと考えると怖くて仕方がありません……いっその事打ち明けてしまおうかとも思いましたが勇気が出ず言い出せないままでいます……はぁ……どうしたらいいんでしょうか……?誰か助けてほしいなぁ……。そんなある日のこと、いつものように仕事を終えて家に帰る途中のことだった。ふと視線を上げると目の前に見覚えのある人影が見えたような気がしたのだが気のせいだろうか?そう思い目を凝らすとやはり見間違いではなかったようだ。そこにいたのは間違いなく彼女の姿だったからだ!しかし様子がおかしいことに気づいた私は慌てて駆け寄るとその体を抱きかかえるようにしながら声を掛けた!
「リリィール!しっかりして!」そう言って揺さぶってみるものの反応はない。よく見ると彼女の体は傷だらけになっており至る所から出血しているようだ。それを見て血の気が引いていくのを感じたものの今はとにかく治療をしなければと思い立ち上がると家に向かって走り出した!道中で何度も転びそうになったものの何とか踏ん張って走り続けるとようやく家が見えてきた!急いでドアを開けると寝室へ向かいベッドの上に寝かせてから服を脱がせると傷口を確認することにした!まずは背中の方から確認していくことにすると背中には大きな切り傷があり血が滲んでいた!他にもあちこち擦りむいたり打ち身になっていたりと酷い有様だったが幸いにも致命傷になりそうなものは無さそうだったのでひとまず安心することができた。だが問題はここからだ……これからどうすればいいのか考えていると不意に声を掛けられたので振り向くとそこには心配そうな表情をした彼女の姿があったのだった!
「大丈夫ですか?」と心配そうに尋ねられたので頷くと彼女は安堵した様子で胸を撫で下ろした後、こちらに近づいてくると隣に腰掛けてきた。それからしばらくの間沈黙が続いた後、先に口を開いたのは私の方だった!
「何があったの?」そう尋ねると彼女は申し訳なさそうに俯いた後、ぽつりぽつりと話し始めた。どうやら私が出かけている間に何者かに襲われたらしいのだが、その時のショックが原因で記憶を失ってしまったようなのだそうだ……自分の名前すら思い出せない状態だったらしく、唯一覚えていたのは私の名前だけだったらしい……つまり今の彼女は自分が誰なのかもわからない状態ということだ……これは困ったことになったぞと思いながら頭を抱えていると不意に袖を引っ張られたのでそちらに視線を向けると彼女がこちらをじっと見つめていることに気がついた。どうしたのかと尋ねると彼女は何かを訴えかけるような目で見つめ返してきたかと思うと不意に抱きついてきたかと思うと耳元で囁いたのである……その言葉を聞いた瞬間、心臓が大きく跳ね上がったのが分かった!
「好きです……愛しています……」
その言葉を聞
それからというものの、二人での生活が始まりました。最初は不安ばかりでしたが今ではすっかり慣れてしまいましたし毎日楽しく過ごせています。ただ一つだけ問題があるとすればそれは夜になると襲ってくるあの衝動でしょうか……。どうしても我慢出来なくてこっそり一人で処理しているのですが、最近はそれだけでは満足できなくなってしまっている自分がいて怖いくらいです……このままだといつか一線を越えてしまう日が来るんじゃないかと考えると怖くて仕方がありません……いっその事打ち明けてしまおうかとも思いましたが勇気が出ず言い出せないままでいます……はぁ……どうしたらいいんでしょうか……?誰か助けてほしいなぁ……。そんなある日のこと、いつものように仕事を終えて家に帰る途中のことだった。ふと視線を上げると目の前に見覚えのある人影が見えたような気がしたのだが気のせいだろうか?そう思い目を凝らすとやはり見間違いではなかったようだ。そこにいたのは間違いなく彼女の姿だったからだ!しかし様子がおかしいことに気づいた私は慌てて駆け寄るとその体を抱きかかえるようにしながら声を掛けた!
「リリィール!しっかりして!」そう言って揺さぶってみるものの反応はない。よく見ると彼女の体は傷だらけになっており至る所から出血しているようだ。それを見て血の気が引いていくのを感じたものの今はとにかく治療をしなければと思い立ち上がると家に向かって走り出した!道中で何度も転びそうになったものの何とか踏ん張って走り続けるとようやく家が見えてきた!急いでドアを開けると寝室へ向かいベッドの上に寝かせてから服を脱がせると傷口を確認することにした!まずは背中の方から確認していくことにすると背中には大きな切り傷があり血が滲んでいた!他にもあちこち擦りむいたり打ち身になっていたりと酷い有様だったが幸いにも致命傷になりそうなものは無さそうだったのでひとまず安心することができた。だが問題はここからだ……これからどうすればいいのか考えていると不意に声を掛けられたので振り向くとそこには心配そうな表情をした彼女の姿があったのだった!
「大丈夫ですか?」と心配そうに尋ねられたので頷くと彼女は安堵した様子で胸を撫で下ろした後、こちらに近づいてくると隣に腰掛けてきた。それからしばらくの間沈黙が続いた後、先に口を開いたのは私の方だった!
「何があったの?」そう尋ねると彼女は申し訳なさそうに俯いた後、ぽつりぽつりと話し始めた。どうやら私が出かけている間に何者かに襲われたらしいのだが、その時のショックが原因で記憶を失ってしまったようなのだそうだ……自分の名前すら思い出せない状態だったらしく、唯一覚えていたのは私の名前だけだったらしい……つまり今の彼女は自分が誰なのかもわからない状態ということだ……これは困ったことになったぞと思いながら頭を抱えていると不意に袖を引っ張られたのでそちらに視線を向けると彼女がこちらをじっと見つめていることに気がついた。どうしたのかと尋ねると彼女は何かを訴えかけるような目で見つめ返してきたかと思うと不意に抱きついてきたかと思うと耳元で囁いたのである……その言葉を聞いた瞬間、心臓が大きく跳ね上がったのが分かった!
「好きです……愛しています……」
その言葉を聞
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