そして悪役令嬢の計画（姉と婚約者の婚約破棄）は失敗する

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結果気がつくとそこは見知らぬ部屋の中だったというわけである。
（ここはどこなんだろう……？）そんなことを考えているうちに扉が開いて誰かが入ってくる気配を感じ取った私は思わず身構えてしまったのだが、その人物を目にした瞬間緊張を解いた後でほっと胸を撫で下ろすことになった。なぜならそこに居たのは私のよく知る人物だったからだ。
「おはよう、気分はどうかしら？」そう言って微笑む彼女に対して私も微笑み返すことでそれに応えると安堵した様子を見せた後でこう言ってきたのである。
「ごめんなさいね、こんなことになってしまって……」申し訳なさそうに謝罪の言葉を述べる彼女に気にするなという意味を込めて首を横に振ってみせた後で気にしないで欲しいと伝えるために身振り手振りを交えながら話しかけようとしたところでふと違和感を覚えることになったのだがその原因はすぐに判明したので納得すると同時に安堵することが出来たのでホッと一息つくことが出来たのだがそれと同時に別の問題が浮上してきたことに頭を悩ませることになってしまったわけである。というのもそれはつまり、今現在自分がどういう状況にあるのかが全くわからない状態であるため迂闊に動くことが出来ないということを意味しているわけで下手に動いたりしたらそれこそ取り返しのつかないことになりかねないと判断したからである。とはいえこのままずっとこうしていても埒が明かない上に何も進展しないということも理解しているだけにどうしたものかと考えているとそんな彼女の様子を見ていた彼女がこんなことを言い出したのだった。
「心配しなくても大丈夫よ、ちゃんと説明してあげるつもりだから安心なさいな」その言葉を聞いた途端に安堵の溜息を漏らすことになった私であったが直後に続けられた言葉に驚きのあまり固まってしまうことになるとは夢にも思っていなかったのであった……
「まずは自己紹介からね、私の名前はリリィール・ウォーカーよ。よろしくね」
ニッコリ微笑みながら挨拶してくる彼女に対してこちらも笑顔で返しつつこちらも名乗りを上げることにしたわけだがその際に名前を聞かれたので素直に答えることにしたのだ。するとそれを聞いた彼女は何度か口の中で反芻した後に満足そうに頷いてみせると満足げな表情を浮かべた後で続けてこう言ったのだ。
「なるほどねぇ……いい名前じゃないの、気に入ったわ」
そう言って嬉しそうに笑う彼女につられて笑みを浮かべるとそれを見た彼女もまた嬉しそうな表情を浮かべるのだった。それからしばらくの間他愛のない話をした後で本題に入るべく口を開いたところで一旦言葉を区切ると深呼吸をしてから話し始めた。
「それじゃあ早速だけど本題に入るとしましょうか……まず最初に確認しておきたいのだけれど、あなたはここがどこだかわからないのよね？そして帰る場所もない……そうよね？」
その問いかけに無言で頷くとそれを見た彼女は納得したように頷き返した後で更に続けた。
「やっぱりそうなのね……それなら教えてあげるけどここはね、あなたが暮らしていた世界とは別の世界なのよ。つまり異世界ってことね。ここまではいいかしら？」
そう言われて一瞬戸惑ったもののすぐに落ち着きを取り戻すことに成功すると今度は首を縦に振ることで肯定の意を示した上で先を促すことにしたのである。それを見た彼女は満足げに笑うと話を続けた。
「よろしい、では続けようかしらね……単刀直入に言うとね、あなたにはこれからこの世界で生きていってもらいたいのよ。もちろんタダでとは言わないわよ？それなりの対価は用意するつもりだか