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きたというわけなのだが一体何の用事だろうか?疑問に思いつつ待っていると何やら言いづらそうにしていたので黙って見守っているとようやく決心がついたのか意を決したように話し始めたのだ!その内容というのが「最近元気がないみたいだけど何かあったのかしら?もしよかったら相談に乗るわよ?」というものであったので思わず苦笑してしまったものである。まあ確かにここ最近は色々あって忙しかったから疲れているように見えるのかもしれないなと思った私は素直に打ち明けることにしたのである。話を聞いた彼女は考え込むような仕草を見せた後、何か思いついたらしくポンッと手を叩くと言った。「それなら良いものがあるわよ!ちょっと待っててね!」それだけ言い残して走り去っていく彼女の後ろ姿を見送った私は呆然と立ち尽くしていたが数分後に戻ってきた彼女が手にしていた物を見て目を丸くした。何故ならそこにあった物がどう見ても野菜にしか見えないものだったからだ。戸惑う私に構わず差し出してくるそれを受け取ってみるとズッシリとした重みを感じた。試しに振ってみるとカラカラという音が聞こえてきてますます困惑した私はリリィールの方を向いた。すると彼女はニッコリと笑って言ったのである。「それを使って美味しい料理を作ってくれたらきっと元気になると思うわ!」それを聞いて納得した私は早速調理に取り掛かることにしたのである! さて、まずは何を作るべきか迷った挙句、無難にカレーを作ることにしたのだ!材料を用意した後、鍋を用意して水を入れて火にかける。沸騰したら切った野菜を投入して煮込んでいく。ある程度火が通ったところで肉を加えて更に炒めていく。ある程度火が通ったところでルーを入れ、かき混ぜてから弱火にして数分間煮込むことにする。最後に味見をして調整してから完成させることにする。出来上がったものをお皿に移し替えてからテーブルへと運ぶことにする。そしてリリィールと一緒に食べることにする。一口食べた瞬間、口の中に広がるスパイシーな味わいに思わず頬が緩んでしまった。その様子を見ていたリリィールも同じように笑みを浮かべているのが見えた。その後はあっという間に平らげてしまい満足感に浸りながら食後のお茶を飲んでいる最中、ふとあることを思い出した私は彼女に尋ねてみることにした。「そういえばさ、私達って付き合ってるんだよね?」唐突な質問にキョトンとした表情を浮かべた彼女であったがすぐに笑顔を浮かべると頷いたのを見て安堵した私だったのだが次の言葉で一気に現実に引き戻されてしまったのである!
「でも、まだ恋人関係になったばかりですよね?」そう言われてしまっては何も言えなくなってしまった私は黙り込むしかなかった。そんな様子を見てクスクスと笑った後に続けてこう言ったのである。
「だからもっとお互いを知る必要があると思うんです」そう言って迫ってくる彼女に対して後退りしようとしたものの壁際まで追い詰められてしまったことで逃げ場を失ってしまった私は観念して受け入れることにした。その結果どうなったかというと、そのまま押し倒されてしまった上にキスされてしまったというわけだが不思議と嫌な気持ちにはならなかったので寧ろ心地良さすら感じていたくらいである。暫くの間、されるがままになっていた私だったがやがて満足した様子のリリィールが離れていくのを見て名残惜しく感じてしまった自分に戸惑いを覚えずにはいられなかったわけだが、それ以上にドキドキしていることを自覚した瞬間、顔が熱くなっていくのを感じた私は恥ずかしくて堪らなかったので顔を背けてしまったのだがそれがいけなかっ
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