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その後は何事もなく朝食を終えた私達はそれぞれ別の仕事に向かうことになったわけだがその際、エレンが声を掛けてきてくれたおかげで寂しさを感じずに済んだことを嬉しく思った私は笑顔で見送ることができたことでやる気に満ち溢れていたのだがそんな時、見知らぬ男性から声をかけられたことで戸惑ってしまうことになった――その男性は自分のことを勇者だと名乗っており、何でも最近になって魔王軍が活発に動いているという話を耳にしたため戦力を集めているのだという話を聞いた私は興味を持って話を聞くことにしたのだがその話の中で気になる単語を耳にしたことで思わず聞き返してしまったのだ――そう、それは『聖女』という言葉だったのだ。それを聞いた途端、私は直感的にそれが誰なのかを理解したような気がしていたのだ――そして、それと同時に彼女が狙われるかもしれないということを悟った私は彼女を守るためにも行動を起こさないわけにはいかなかったのだ――こうして、私はエレンを守る為にも旅を続けることを決意したのである。
その後、準備を整えた私はエレンと合流するとそのまま街を出発した後で街道を進み続けていく中で途中、何度か休憩を挟みつつも歩き続けた末に辿り着いた街で一泊することになった私達は宿屋に入るとそれぞれの部屋に分かれて休むことになった――翌日、目が覚めた私は軽く運動した後で朝食を済ませると出発の準備を始めたのだがそこでエレンに呼び止められたことで振り返るとそこには真剣な表情をした彼女が立っていたので何事かと思った次の瞬間、いきなり抱き締められてしまったことで混乱状態に陥ってしまった――一体何が起きているのか理解出来ないまま呆然としていた私だったがしばらくして落ち着きを取り戻したことでようやく解放されることになったがその直後に告げられた言葉によって更なる衝撃を受けることになったのである――それは何とエレンの口から告白されたからである!しかも、その内容というのが私のことを好きだというものだったのだから驚かないわけがないだろう――まさか、エレンの方からそんなことを言われるとは思っていなかっただけに余計に驚いていたわけだがそれ以上に嬉しかったという気持ちの方が強かったこともあり自然と涙が溢れ出してきたことで号泣してしまったのである――それを見たエレンは慌てて慰めてくれたお陰で何とか落ち着くことが出来たものの今度は恥ずかしさが込み上げてきてまともに顔を合わせることが出来なくなってしまったものの内心はとても幸せな気持ちで満たされていたのである――そうして、しばらくの間はそのままの状態が続いていたもののいつまでもこうしているわけにはいかないと思い直したことで気持ちを切り替えた後で出発することに決めた私達は今度こそ街の外を目指して歩き始めたのだった――
数日後、目的の街に辿り着いた私達はまず最初に冒険者ギルドへ向かうことにした――というのも今回の目的はこの街にいるとされているある人物に会うことが目的だったからだ――その相手というのはかつて魔王を倒したとされる伝説のパーティーの一員だったという女性であるらしく噂によればその実力は桁外れだったと言われているほどだったそうだが実際はどうだったのか今となっては知る由もないことだった――その為、実際に会って確かめてみるのが一番だという結論に至ったわけなのだが果たして会えるかどうか分からないまま受付嬢の案内に従って奥の部屋へと通されるとそこには一人の女性が待っていた――見た目は二十代前半といったところだろうか?長い黒髪を後ろで束ねており、青い瞳を持つ美しい顔立ちをしていた彼女はこちらに気付くなり立ち上がって会釈してきたところでこちらも同じように返すことにした――そして、互いに挨拶を交わしたところで本題に入ることにしたのだがその前にまずは名前を名乗ることにした――まずは私から名乗り出ることにすると続けてエレンも名乗ったところで次は相手の番になったところで彼女は自分の名前を口にした後で自身の職業についても教えてくれたところ、なんと驚いたことに彼女もまた治癒魔導士なのだということが分かった――それを聞いて納得した私は心の中で納得していた――なるほど、そういうことか。つまり、この二人は同じような境遇にあるというわけなんだな。それなら話が早いかもしれないなと考えた私は早速本題を切り出すことにしたのである。すると、向こうもそのつもりだったようで二つ返事で了承してくれたことから話はとんとん拍子に進んでいったわけだがここで一つ問題が発生した。それはどうやって探せばいいのか分からないという点であった。何しろ相手は伝説的な存在であり、 もはやお伽噺のような扱いになっているくらいなのだから手掛かりなど皆無に等しいと言っても過言ではないだろう
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