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え?もう終わりなのかって?何言ってるんですかまだまだこれからですよ?だってまだ一回戦目が終わっただけじゃないですか?それに本番はここからなんですよ?さあ張り切っていきましょうか?頑張りましょうね? それでは早速始めたいと思いますがその前に一つだけ注意事項がありますのでよく聞いてくださいね?いいですか?絶対に途中でやめないことです!わかりましたか?分かりましたよね?はい、よろしいです!では改めて始めることにしましょうか?覚悟してくださいよ?

「ねえ、今日はどこに行くつもりなの?」
私が尋ねると、エレンは答えた。
「そうだなあ、じゃあ、あそこの森の奥にある洞窟に行ってみようか?」
それを聞いて、私は少し不安になった。
「えっ、また行くんですか?」
「ああ、そうだよ」
エレンは私の肩に手を置き、言った。
「大丈夫だ、安心しろ。俺が守ってやるからさ!」
そう言われると断れないし、何より嬉しいから困る。
(本当にこの人はずるいなあ)そう思いながらも、私は頷いた。
「うん、わかったよ!」
私たちは森の中へと入っていった。鬱蒼としている森だったが、道なき道を進んでいくうちに、開けた場所に出た。そこは崖になっていて下には川が流れているのが見えた。
「うわあ、綺麗!」思わず感嘆の声を漏らすと、隣でエレンが言った。
「そうだろう?ここは俺のお気に入りの場所でな、たまに来るんだ」そう言って微笑んだ彼の顔はとても美しかった。まるで絵画のようだと思いながら見惚れていると、彼がこちらを向いて目が合った。恥ずかしくなって顔を背けようとしたができなかった。何故なら彼の手によって顎を掴まれていたからだ。そして次の瞬間、唇に柔らかい感触が伝わってきたと思ったら口の中に何かが侵入してきた感触があった。
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