[完結]幻の伯爵令嬢～運命を超えた愛～

第19話: 王都を揺るがす窃盗団

暗黒騎士団の支配から解放された
王都の復興にリリスたちも尽力
つくしていた。

「リリス様、
街の修復作業は順調に
進んでいます。
市民たちも協力的で、
本当に感謝しています。」
エドモンド団長が報告した。

「素晴らしいわ。
これからも皆と力を合わせて、
この街を再建していきましょう。」
リリスは力強く答えた。

復興作業が一段落したある日、
リリスはアレクシスと共に
王都の広場を歩いていた。
美しい夕焼けが街を染め、
平和の象徴として輝いていた。

「リリス様、
こうして平和な日々が
訪れるなんて、
本当に夢のようです。」
アレクシスが感慨深げに
言った。

「そうね。あなたと共に戦い、
ここまで来られたこと、
本当に感謝しているわ。」
リリスは微笑んで答えた。

「僕も同じです、リリス様。
あなたの勇気と優しさに、
いつも励まされています。」
アレクシスはリリスの手を
優しく握った。


しかし、平和な日々が続くと
思われたその矢先、
貴族の屋敷を狙った窃盗事件が
頻発し始めた。
リリスはこの事態を重く受け止め、
すぐに調査に乗り出した。

「リリス様、
この事件は一筋縄ではいきません。
窃盗団は非常に巧妙で、
我々の警備網をことごとく
突破しています。」
エドモンド団長が報告した。

「わかりました。
私たちも調査に協力します。
彼らの動きを封じるために、
計画を立てましょう。」
リリスは冷静に答えた。


リリスは窃盗団の動きを予測し、
彼らを罠にかけるための計画を
練り上げた


「まず、窃盗団が狙いそうな屋敷に
見せかけの宝石を配置します。
そして、屋敷周辺に監視の兵を隠し
配置します。
彼らが現れたら、
一斉に包囲して捕らえます。」
リリスは詳細な計画を説明した。

「さすがリリス様、
見事な作戦です。これなら彼らを
確実に捕らえられるでしょう。」
アレクシスが感嘆の声を上げた。


リリスたちは計画を実行に移し、
貴族の屋敷に見せかけの宝石を
配置した。
そして、屋敷周辺には
兵士たちが隠れ、
窃盗団の到来を待った。

「リリス様、
窃盗団が動き始めました。」
フェリクスが報告した。

「よし、皆、準備を整えて。
彼らが罠にかかったら
一斉に動くわ。」
リリスは指示を出した。


夜が更けた頃、
窃盗団が屋敷に忍び込んできた。
リリスたちは静かに
その動きを見守り、罠
にかかるのを待った。

「今だ！皆、動け！」
リリスの号令で、
兵士たちは一斉に動き出し、
窃盗団を包囲した。

「くそっ、罠か！」
窃盗団のリーダーが叫んだ。

「あなたたちの悪事もここまでよ。
おとなしく捕まりなさい。」
リリスは剣を構え、
リーダーに向かって言った。


リーダーは剣を抜き、
リリスに向かって突進してきた。
しかし、リリスは冷静に彼の攻撃を
かわし、見事な剣技で反撃した。
リーダーの剣が弾き飛ばされ、
彼は膝をついた。

「負けた…」
リーダーは息を切らしながら言った。

「これ以上の悪事は許さない。
あなたたちには法の裁きを
受けてもらいます。」
リリスは冷ややかに言い放った。

兵士たちは次々に窃盗団のメンバーを
取り押さえ、彼らを連行していった。
リーダーも力尽きて観念し、
捕らえられた。

「リリス様、お見事です。
これで王都も少しは安心できますね。」
エドモンド団長が感謝の意を示した。

「ありがとうございます。
でも、これが終わりではありません。
王都の平和を守るために、
まだやるべきことがたくさんあります。」
リリスは毅然とした表情で答えた。