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26.雨の初体験

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帰宅ラッシュの時間
と重なり多くの人が
足早に歩いている

星那からお店の
リクエストを
聞かれたが、思い浮かば
なかったので、星那に
お願いしてしまった。

少し落ち着いた
雰囲気のビストロ
だった。

予約がされてたので
待つことなく個室に
案内された。

テーブルに着くなり

「すみません。麗美さん
おさそうして
おきながら遅れて」

「連絡をくれたので
大丈夫です。」

「好きな物、注文して
ください。」

メニューに見ると、
2名様限定コース
の文字に目が止まった。

「あのぉー!
この2名様限定コース
でお願いしたいですけど」

「僕もこれいいなて
思って、メインも
魚と肉選べるし……」

「じゃ!それで……」

食前酒で乾杯をして

「星那さん」

「麗美さん」

二人が同時に互いの名前を
呼んで、話始めようとした。
少し間が空いて

「麗美さんからどうぞ」

「いや星那さんから」

うつむく二人

「じゃー!僕から
麗美さんに連絡して
直ぐに緊急オファーが
来て遅れちゃいました。

待たせてごめんなさい。」

「そんなに気にしないで
平気ですよ」

「良かった。
やっと笑ってくれて」

食事をしながら、
たわいも無い天気
の話や最新コンビニ
スイーツの話などを
してると、ほのぼのと
した時間が過ぎてる
実感がした。

お店を出ると
小雨がパラと降り
始めた。

私は、折り畳み傘を
バックから取り出し
星那に傘をさすと

「用意がいいですね」

「僕は、いいから
麗美さんが……」

星那が傘を麗美に
刺し返すと
通行人とぶっかて
バランスを崩して
麗美の傘に星那が
入ってしまった。

「すみません。
麗美さん、
大丈夫でしたか」

言葉をかけながら
麗美から離れる星那

「駅まで近いから
一緒の傘で……」

「じゃー!お言葉に
甘えて……」

傘の中に入ると

「麗美さんと
アイアイ傘ですね」

互いの距離の近さに
無口なる二人

駅の改札に到着すると
麗美が電車に乗るのを
星那は見おくてくれた。

電車の窓ガラスに
雨が当たる音が
小さく聞こえる。

この雨で、今日の
激動の出来事が
幻の様に思えるほどに
洗い流さて行く穏やかな
時の流れを心地よく
思った。

アイアイ傘の初体験で
心臓がバクバクしてる。

デートの約束もしたし、
楽しみ~
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