[完結]星空の下の図書館

桃源 華

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第1話: 不思議な出会い

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雨上がりの夜、町外れの古い図書館は
静けさを取り戻していた。
外の街灯が薄ぼんやりと照らし出す中、
ひとりの少女が図書館の扉をそっと押し開けた。

「こんばんは」

小さな声で挨拶した少女の名は、リナ。
彼女はこの町に引っ越してきたばかりで、
まだ友達もいない。
新しい環境に不安を抱きながらも、
この古びた図書館に惹かれるように足を運んだ。

中に入ると、
暖かい光に包まれた部屋が広がっていた。
古い本棚がずらりと並び、
その中に灯るランプの柔らかい光が心を和ませる。

「ようこそ、リナさん」

奥から現れたのは、
年配の図書館司書であるミアさん。
彼女は優しい笑顔でリナを迎えた。

「私のこと、知ってるんですか?」

リナは驚きと興味深げな表情で尋ねた。
ミアさんは静かに頷き、
古びた机の上に置かれた一冊の本を指差した。

「この図書館は、
訪れる人の心を読むことができるんです。
そして、その人にぴったりの本を
見つけてくれるんですよ」

リナは半信半疑ながらも、
ミアさんの話に引き込まれた。
彼女はそっと机の上の本を手に取った。
その本のタイトルは「星空の下の冒険」。

「これを読むと、
何か特別なことが起こるんですか?」

「ええ、
その本にはあなたの心が望む冒険が詰まっています。
そして、その冒険を通じてあなた自身を見つける
手助けをしてくれるでしょう」

リナは本を開き、
1ページ1ページをめくり始めた。
その瞬間、部屋の空気が変わったような気がした。
柔らかな光が一層輝きを増し、
リナの心は不思議な期待感で満たされた。
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