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13.婚約します

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ホープ国とペルソナ国で
森の入口にダイアナの神殿を
建て、水源も確保できたので、
ひと安心ししばらくは、
平穏な日々だったが、
ホープ国から信書が
ポルックスに届いた。

(ポルックスの執務室)
「ローザ姫、ウルラ国の
パクス王子がペルソナ国に
来るそうだ」
「えぇえー!なんで」
「ホープ国の干ばつを聞いて
ローザ姫に会いに来たが
ペルソナ国留学中と聞いて
こちらに……」
「はい!説明はもういいです。
殿下」
「ウラル国は、大国なので……」
「大丈夫です。たぶん」

神官長が息を切らして執務室に
入るなり
「た・た大変です。ウラル国の
第一王子が……女官が……」
<やっぱりそうなった。あぁあ>
「で……どこにフェロモン王子
いや、パクス王子はいるの」
「貴賓室で……」
「謁見の間の準備とピーチにも
支度させてください。」

(謁見の間)
「ウラル国第一王子パクス・
サピエンス様ご到着」
謁見の間の扉が開くと
女官が
「キャーキャー素敵」
パクスがウィンクで答えると
女官が失神してバタバタと倒れた。
<相変わらず……だわ!はぁ!>

「ご婦人方に礼を尽くして
しまい失礼しました。
(流れるように優雅に一礼をして)
はじめまして、ポルックス殿下。
ウラルの第一王子パクスです。」
「遠路はるばるお疲れでしょ
パクス王子、どうか歓迎の
晩餐までゆっくりされて
ください。」
「お言葉に甘えて、休ませて
頂きます。ローザ姫、元気そうで
良かった。」
「おかげ様で……パクス王子様も
フェロモン全開でなによりですわ。」

「お兄様、わたくちの紹介を……」
「そうだった。
神官長のカストル……」
「わたくち、ペルソナ第一王女の
ピーチです。」
「では、後ほどまた会いましょう」

(ローザの部屋)
「あぁあー!疲れた」
ベッドに倒れ込むと……

(ローザの夢)
「ローザ、
『郷に入れば郷に従え』」
「ローザ様お支度を」
侍女の声で寝落ちしたのだと
気付づいた。

(晩餐会)
ローザが会場に到着して
パクスの隣りに座ろうと
した時
「ローザ、パクス王子の
隣りにわたくちが座りたい
のですがよろしくて」
「ピーチ姫どうぞ」
「ありがとう!ローザ
「ローザは、お兄様の隣り
どうぞ」

苦笑いのパクスに
ポルックスが、
「妹は、美男子好きなので
どうかパクス王子
お許しください。」
<ポルックスなんて
ナイスフォロー>

会食中は、パクスの独断での
武勇伝が語られ、コース料理の
デザートになった時に唐突に
ピーチが
「パクス王子は、お付き合い
してる女性はおりますか」
と尋ねた。

不意をつかれた質問に
パクスも動揺したのか
とっさに
「今は、おりません。
ピーチ姫様」

「お兄様、わたくち
パクス王子と婚約します。
お許しください。」
「オマイガー!ピーチ」

「ピーチが認めた
相手なら喜んで快諾する。」
「ポルックス殿下、
そんなに簡単に
婚約を決めても……」
「パクス王子、
我が国では王族の
女性は、結婚相手に
婚約を申し出る式たり
なんです。」
「なるほど……」

さすがのパクス王子も
翌朝早くに
帰国をしてしまった。
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