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第6章 守りたいもの、守るべきもの

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 窓を開けると外は、驚くくらいにしんと静まりかえっていた。
 あんなに溢れていた喧噪も音も、何ひとつ聞こえない。
 子どもの声も、海鳥の鳴き声さえも。
 静寂の中に響くのは、凛としたシアの声だけだ。

『シェルスフィアは建国以来900年、海の神々の加護と力を借り、本日まで繁栄してきた。しかし今のシェルスフィアはその加護と力を失った。残ったのは僅かばかりの結界と、最後の王であるおれと、そして皆だけだ』

 シアの姿までは見えない。
 見えるのは道沿いに並ぶ屋台の屋根や旗と、その隙間を埋め尽くす人の群れ。
 あたしは黙って耳を澄ませる。

『シェルスフィアは未だかつて無い危機を迎えている。それをくい止められなかったのは我々王族の責任だ。だがこれは、この国が再び新しい王国へと成る、機会なのではないかとおれは考える。…意味のあることなのだと。歴史の節目にあるように、時代の波間にあるように。その機会がこうして残酷な形を経て、おれ達の前に立ちはだかったのだ。それに立ち向かうには、国民皆の力と覚悟が必要だ。戦争とは、必ず誰かが死ぬものだからだ』

 その単語に目の前の空気がざわりと色を変える。
 予想をしていた者…夢にも思わなかった者。
 一概に沸くのは“死”への恐怖。

『おれは、この国から…シェルスフィアから逃げ出したいと思う者、去りたいと思う者を止めはしない。既におれの前からは多くの者が去っていった。呪いによって死んだ王族の者たち…王族と神々の加護を失った我が国が戦争に勝てるわけないと見切りをつけた臣下もいる。すべてがこの戦争の犠牲者だ。だけど、覚えておいて欲しい。忘れないでいて欲しい。戦争とは必ず誰かが死ぬ。だけど同時に、誰かを守り生かす為の手段でもある』

 シアの顔が浮かぶ。
 どんな顔でそれを話しているんだろう。
 語りかけているんだろう。
 だけどきっとその顔に、迷いは微塵も無いのだろう。
 それがシアの役目だから。

『おれはこの国と、そして民を守りたい。だがおれはこの通り未だ未熟な王だ。前王と比べれば頼りないことこの上ないだろう。だけどその心を継いだのは紛れも無くおれだ。それは、揺らぐことはない。このシェルスフィアの者として…共に戦ってくれるのであれば。この国を、共に守ってくれるのであれば…』

 理由は分からない。
 だけど涙が溢れていた。
 目の前の光景が歪む。
 錯覚のように空気に色がついているようにも見えた。

 錯覚だ。
 それでも良い。
 世界が、色を変えようとしている。
 シアの心に呼応して。

『この国は、皆の大切なものは死んでもおれが守り抜いてみせる。そしてまたここで、共に生きよう』

 その空気が膨れ上がって、歓声に替わる。
 泣きながら叫ぶように、破裂した空気がビリビリと窓を揺らした。
 両手で顔を覆った指の隙間から、涙が溢れる。
 それが自分の足元にパラパラと散らばった。
 小さな音を立てて床に転がるそれが、記憶の扉をノックする。

 お母さんのお葬式。
 無責任な大人たち。
 お母さんに生きていて欲しかった人と、あたしに生きて欲しかった人。
 多いのはどっちだろう。

 ――――あたしも。
 生きていて欲しかった。
 できることなら、一緒に。
 誰を恨めばいいのかわからない。
 奪ったのは他でもない、あたしなのだから。
 だけど、だけどそうじゃなくて――

 あたしはあたしの人生を生きることを、誰かに許して欲しかった。
 そしてその生を…共に生きていく人に
 出会いたかった。
 あたしのこと、必要だって言ってくれる誰かに。

  生きていて欲しい。
 ――――今度こそ。

 誰も犠牲にならないで。


 無意識にあたしはつい先ほど来た道をまた歩いていた。
 長い廊下に響く靴音はふたつなので、おそらくクオンがあたしから目を離すまいと追いかけているのだろう。
 背後で聞こえる歓声はまだ止まない。
 シアにもちゃんと、届いているだろうか。
 いつの間にか早足になって、息が上がっている。
 どくどくと脈打つ心臓。
 もう揺るぎはしない。

 勢いよく開けた扉の向こうには、くたりと椅子にもたれたシアと、その傍にはフードをとったリシュカさんが居た。
 シアは初めて会った時のように子どもの姿。
 どうしてだろう、何故だかこっちの姿の方があたしには馴染んでしまった。
 そう思ったら少しだけ口元が緩んだ。

「……マオ…?」

 ひどく頼りない子どもの声。
 最初はすっかり騙されてしまった。
 だけどシアがついた嘘などひとつもない。
 あたしが勝手に勘違いしただけなのだ。

 椅子にもたれるシアへと歩み寄るあたしの前に、リシュカさんがその身で阻む。
 その目には敵意が揺れていた。だけどあたしも逸らさなかった。

「良い、リシュカ。退け」
「…ですが」
「マオはおれの敵ではない」

 きっぱりと言ったシアの言葉に、少しばかりの躊躇を置いてリシュカさんがその身を退いた。
 その視線が今度は扉の方へ向く。おそらく追い付いてきたクオンがそこに居るのだろう。
 シアの目の前まで歩み寄り、あたしを見上げるその瞳を見つめ返す。
 まだどこか青い顔色。動こうとしない体。
 よほど余裕が無いのだろう。今度はもう笑っていなかった。

「…どうした。何故、戻ってきた」
「聞きたいことがあって」
「…おれに?」

 不思議そうに訊くシアに、こくりと頷く。
 膝を折って視線を合わせようかと思ったけれど止めた。
 シアはそんなこと望んでないし、あたしはあたしとして、向き合いたかった。

「あたし達がこの世界で…この国で出会えたことに、何か意味は、あると思う?」

 この国に起こった現状を、シアは意味のあることだと言った。
 その先の未来を見据えて、国民に問う。
 覚悟を決めろと、自分の意志で。
 あたしの問いにシアは口元をぎゅっと結び、それから開く。

「…わからん。その意味を返せるのかも、今のおれには断言できん。…だが。少なくともおれは、それを望む。おれはお前のことを、死んでも忘れないだろう。きっと、永遠に」

 あたしもきっと、忘れられない。
 だから。
 死ぬ、なんて。
 言わないでそんなこと。

「…あたしは…自分が死ぬよりも、誰かに死なれることの方が、こわい。目の前で大事なひとを失うことの方が、何十倍もこわいの。だから、シア。約束して、死なないって。そしたらあたしも、少しくらいならがんばってみる。シアの気持ちに応えられるよう。…こわいし、逃げ出したい気持ちだってまだあるけど、約束してくれるなら」
「…マオ…」
「あたしにこの国は守れない。この国を守れるのは、きっとまちがいなくシアだけだから。でも…それ以外のことなら、できるかもしれない。自信は、ないけど…あたしに、できると思う…?」
「…それは、おれが答えていいことなのかわからない、だが。…お前が傍に居てくれるなら…おれは今より少しだけ、強くなれる気がする。強くありたいと、そう思える。だから約束しよう、マオ。おれは決して、死んだりはしない」

 シアの言葉にあたしは、多分笑えていたと思う。
 シアも少しだけ、笑ってくれたから。

「なら、その約束の為に。あたしはシアを守る」

 胸に一粒の淡い光が灯る。
 これが何の感情なのか…
 良いことなのか悪いことなのか、今のあたしには分からない。
 だけどきっと後悔はしない。
 それだけは分かった。

「…戻ってきた人間は、お前が初めてだ」

 少し目線の下がったその瞳は、やっぱり優しく揺れる綺麗な青。
 小さく呟いたその言葉をあたしは上手く聞き取れなくて、だけどそれでも良いと思えた。
 もう殆ど動けないシアは、体を起こしているだけでやっとなのだろう。

「…しまったな。もう少しもとの姿で居れば良かった」
「どうして? 呪いが進んだらどうするのよ、もう」

 今さっき死なないと約束したばかりなのに。
 思わず憤慨するあたしに、シアは心底可笑しそうに笑った。

「それよりも今はお前を抱き締められないことの方がつらい。それにこの姿ではサマにならん」

 シアの言葉に面食らって、思わず顔に熱が走る。
 だけどまだ額に汗の滲むその姿に心が揺れた。
 抱き締めたい衝動はあたしにもあった。

「じゃああたしから、触れてもいい?」
「…ずるいな。そう言われて断る男はいない」

 シアの返事にあたしは笑って身を屈め、それからその小さな体を抱き締めた。
 振り絞るように震えるその手があたしの腰を抱き寄せる。
 あたしもその背をそっと撫でた。

「…言い忘れてた。誕生日おめでとう、シア」


 この温もりをあたしは、守れるのだろうか。
 分からない、だけど。
 どうしたってやっぱり、胸が疼く。
 心がその青に惹かれる。

 この心の行き着く先が、今はまだ見えなくとも。

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