74 / 104
第九章
禁忌とはじまりの魂たちよ
しおりを挟む------------------------------
この国では“双子”は、魂と肉体を分けて生まれてくると信じられていた。
本来人は聖穢の気を等しく宿し、正しい心と邪な心をあわせもってこそ人とされる。
けれども双子の場合、一方には聖の気が、もう一方には穢の気がそれぞれ分かたれ、穢れた魂を持つ者はもう一方にとって必ず災厄の種となる。はるか昔から、そう信じられてきたのだ。
魔力を持つ者は、胎に宿る魔力の気配で双子を察知することも可能だった。
望まれない子だ。片方は殺すことになる。災厄を家族に抱えられない。
特別なクスリを用いて早期の内に流すことが暗黙の掟となっていた。
だけど生まれ持った魔力には個人差がある。
魔力を殆ど持たない者も居て、生き方は自ずと決まっていった。魔力の有無は人生を分ける。
持つ者と持たざる物同士で生活基盤が分かれ、持たない者同士で協力しながら生きていく。
魔力は生まれ持つ資質ではあるが、その多くは血に継がれる。稀に例外も居るが、王家や貴族の血筋に偏るのも事実だった。
持たざる者は閉鎖的な場所で閉ざされて生活していくしかない。そうして人の生き方は生まれた時から分かたれていった。
そんな閉ざされた場所で、災厄を宿した双子が生まれてしまったら。
――ふたりとも、生かしておけなかった。
魔力を持たない両親に、どちらが“ただしい子”なのか判別もできない。魔導師による鑑定にも金が要る。だから。
ふたりとも諦める他なかったのだ。
『……だから、ごめんなさい。仕方ないの』
――なにが、ごめんなのか。仕方ないのか。
理解できるはずもなかった。
皮肉なことに、子ども達には両親と似つかない膨大な魔力を宿していた。
森に捨てられた双子の子どものうち、ひとりは通りがかりの魔導師がその才を見出し連れて帰った。
ひとりは既に手遅れだった。森に魂をもっていかれた後だったのだ。
残された体は朽ちて森の贄となった。その膨大な魔力と共に、森に喰われて礎となる。
そうして分かたれた双子の魂。
それがすべてのはじまりだった。
------------------------------
「…っ、セ、レナ…」
「あなたの内に、まだ残ってるもの…それが…これが、欲しいわ」
馬乗りになったセレナが体重をかけ、戸惑うゼノスの体を更に押し倒す。
目の前に居るのはセレナのかたちをした別のモノだ。そう思うのにゼノスの体は思うように拒絶を示せなかった。
月明かりがセレナの黒髪に煌めいて、その瞳には見たこともない色が宿っている。
まっすぐ自分を見ているようでいて、だけど自分の内に見ているのは自分ではない。
何が引き金になったのか。“彼女”は呼び覚まされてしまった。――昏い呪いの底より。
ゼノスは知っている。
“セレナ”、それは“夜伽聖女”に与えられる名前。先の聖女もその名前だった。古い文献で読んだのだ。
だけどどうして気付かなかったのだろう。それは誰かが与えた仮初の名前だということに。
本当の、名が。彼女にもあるはずなのだ。
セレナにも、それを与えられる前の本当の名前が。
「…貴女、は…呪いを、欲しているんですか…?」
ゼノスはなんとか目の前の相手と自分の知るセレナとを切り離そうと努力する。けれども呪いを宿したままの身は、彼女の体に否応なく反応してしまう。
そうでなくとも目の前の相手は何故か自分を押し倒し素肌を晒そうとしているのだ。意識がどうしても散らされる。その手を掴むも上手く力が入らない。心も伴っていないのに、急激に熱が溜まっていくのを感じて眉を寄せた。
今までとは明らかに異なる自身の体の反応に、ただ戸惑い躊躇い臆することしかできない。
「…呪い…? なんのこと? わたしが、欲しいのは…」
覆い被さるセレナの影で、ゼノスの瞳の色が陰る。
それを覗き込んでいたセレナの、瞳が大きく見開かれた。そこにようやくゼノスの顔が映る。
「…わたし、は……」
ふるりと彼女が首を振る。
悪い夢を振り払うように、取り戻されかけていた正常がまた夜の片隅に追いやられた。一瞬だけ緩められた彼女の放つ異様な気配が、また夜に満ちていく。ゼノスの体に纏わりつきながら。
「わたしが欲しいのは、彼だけ」
その瞳に宿る決意の色。ゼノスはぞくりと背筋が凍るのを感じ、咄嗟に腹の上にセレナを乗せたまま後ずさる。だけどすぐに本棚に行き当たり逃げ場を失った。
“セレナ”は今度こそ迷いなく、ゼノスに胸元へと這い上がってくる。じわりとそこに熱が誘導される。触れる肌を求めるように。互いの呪いが共鳴する。
今までセレナに触れてきたのとはどこか違う、言いようのない感覚に眩暈がした。
「…ッ」
“彼女”の説得を諦めたゼノスは、部屋を出る為に自身にかけていた防護の魔法を解き、同時にこの状況を回避する為の魔法を素早く脳内で展開する。
城には魔法を制限する為の結界と魔法感知の魔法があわせて施されている。決められた場所での決められた魔法以外は禁止されているのだ。特に相手への捕縛と攻撃魔法は固く制限されている。
その一切の権限を持つのは王族と高官、騎士団の上官と神官の管理職のみ。規則を破る者への処罰は重い。
だけどこれは非常事態だ。言い訳はいくらでもたつ。
なにより結界の術者のひとりはゼノスだ。大事を避けるならこの部屋だけに別の結界を張り、切り離す方法もある。一切の感知を避けて。
「すいません、セレナ」
一言零すのと同時に、床にはゼノスを軸として魔法陣が浮かび上がり光を放つ。その光景にようやく“セレナ”の動きが止まった。
とにかく、彼女の動きを止めなくては。なるべく傷つけずに、できるだけ意識を残したまま穏便に。
可能なら情報を引き出したい。セレナの内から這い出てきた彼女の正体が、一体何者なのか――呪いに関する情報は、今のゼノス達にとって最も得たい情報だ。
冷静に判断し魔法を発動したように思えていて、その実その胸中は冷静ではいられなかった。
だから油断していた。城の中でゼノスの魔法を凌ぐ者はそう居ないという過信があった。
「…それ、は…わたしには、効かないわ」
魔法が効かない相手が居るなど。
ゼノスが想像できるはずもなかったのだ。
「……!」
セレナの瞳に、光が宿る。それはゼノスの下から浮かび上がる光と同じ色。
まるで吸い込まれていくかのように。消えていく光の色。
思わず目を瞠る。
魔法は確かに発動しているはずだ。捕縛の魔法。空気は確かにゼノスの魔力を伝えている。
だけどセレナは意に介せず、再び動き出しゼノスに手を伸ばした。
「…まさか…! どう、して…」
「…異なる世界を、生きているから…」
さらりと、セレナの黒髪がゼノスの頬を掠める。
覆い被さるようにその両手がゼノスの頬を捕えて離さない。
動けなくなったのは、ゼノスの方だった。
知らず息が上がり鼓動が速くなる。
頭が、心臓が、指先が。上手く動かない。体はいつのまにか震えていた。
欲情ではない。呪いではない。これは――
「あなたにわたしは、捕まえられない」
ゆっくりとその顔が自分へと落ちてくる。
触れる寸前吐息が唇を濡らした。
ふと、場違いにも思い出したのは、セレナと出会ったあの日のこと。
はじめは兄に言われて仕方なくだった。一度きり会ってしまえば、それで終わる関係のはずだったのに。それ以上も以下も、なにも求めてなんかいなかった。
自分の姿を自ら晒して、まっすぐ自分と向き合ってくれた。触れることを拒まずに、受け容れてくれた。そんな相手は初めてだった。異なる世界からきた少女。
唇は駄目と、頑なに。触れたくても触れられなかったそれ。
あの時にはもうきっと、ゼノスの内はセレナのことでいっぱいになっていた。
許された時は本当に嬉しくてうれしくて幸せで。あのまま死んでも良いとさえ思った。
だけどきっともう自分は、彼女にまた触れる為に生きるんだと思った。彼女なしでは生きられないとさえも。
何かを繋ぐように守るように、それでも手を伸ばした彼女の小さな手。
それ以外のすべてを差し出して。受け入れて。穢されて。
できるならもう二度と…例え一生、この身に呪いを宿したままでも。
もう二度と彼女を傷つけることだけは。したくないと誓ったのに。
「…だ、めです…セレナ、それは……!」
ざわざわと、体に残る呪いが彼女へと引き寄せられて体を這う感覚に体が熱で炙られる。
求めているのは彼女の体なのか心なのか。ずっとそれが分らなかった。それでも良いから傍に居たかった。
触れた唇は、どうしてか。
ただ苦しくて胸が潰れてしまいそうだった。
再び月の光と移す琥珀色の瞳から涙が零れた。セレナはその瞳を見つめながらゼノスの下腹部に手を這わせる。それから探り当てた帯革を外す金属音に、思わずゼノスの体がびくりと撥ねた。咄嗟に首を振り抵抗しようとするのに体はやはり動かない。
その間にも自分の意思を置いて自分の欲が外気に曝け出されるのを感じて、すべて拒むようにかたく目を瞑った。必死に頭の中で思いつく限りの魔法を紡ぐけれど、どれひとつとして彼女の動きを止めることは叶わない。
心とは裏腹に炙り出される熱と欲を、彼女の手が闇のなか蠢いて導いて。
セレナが僅かに浮かせた自らの腰を、ぴたりとその入り口に宛がった。
思わずゼノスの喉が震える。やめてくれと、声にならない言葉がそこで潰れた。
心と体が引き千切られそうだった。
いっそ本当に、そうなってしまえたら良かったのに。
「…おいで、わたしの内に。ひとつになって、今度こそ…」
ずぷり、と。彼女の内側へと沈んでいく。
腰と喉の奥が痺れるように震えて漏れる声を抑えるがやっとだった。
必死に歯を食いしばり息を詰め、僅かながら動いた指先が床を掻く。爪が割れて血が滲む痛みも今は感じない。与えられる快楽に
やめてくれ。
セレナと同じ顔で。同じ声で。
初めて会った時と同じような台詞を吐かないでくれ。
いっそ今だけでも浸りたくなる。だけど残酷な現実はそれを許さない。
自分の上で自ら腰を揺らし、ゆっくりとでも確実に、その体を使ってゼノスを導いて押し上げるその体。求めてやまないはずのそれ。だけどこんなことは微塵も望んではいなかった。
なのに体は正直に、快楽の一番深くを目がけて突き上げられる。
耐えられるはずもない最果てで、そのすべてを持って行かれる。奪われるように、為す術もなく。
「…ッ、ぅ、あ……! セレナ……!」
ここに居ないひとの名を呼んで。無理やり導かれる果てに呻くように息を漏らす。抗いようのないそれは苦痛そのものだった。
泣きながらゼノスはそのすべてを譲り渡してしまった。
自分の内《なか》から引き剥がされる、痛みと快楽と呪いの根源。今まで自分を苦しめていたもの。
そのすべてから、今。解放される。自分でも望まぬまま。
それを受け止めてセレナは笑っていた。涙を零しながら月の光に照らされて。
愛しいひとの名前をその唇が紡ぐのを、ゼノスは濡れた瞳で呆然と見つめていた。
「…どこに居るの……ルシウス…」
小さく呟きを零してその瞳から、みるみる光が失われていく。
それと同時に自身の体に魔力の戻る気配を感じてゼノスは息を呑んで拳を握る。
動かせる。彼女に支配されていたこの場から、彼女の存在が消えていく。おそらくその目的を果たしてまた眠りにつく為に。
セレナの濡れた瞳がゆっくりと閉じられ意識が離れていくのを感じ、咄嗟にゼノスは身を起こした。倒れかけたセレナの身体を寸でのところで抱きとめる。
「…っ、セレナ…!」
「……ぁ、…れ、ゼノ、ス…?」
焦点の定まらない視界がようやく自分の顔を写し、安堵と共に涙が滲んだ。
もとに戻った。いつものセレナだ。
それを実感してゼノスは、ぐちゃぐちゃの感情のままその体を強く抱き締める。加減などしていられずに、腕の中で小さな声が上がるもすべて押し込めてゼノスは泣いた。
まだ体は繋がったまま。セレナは状況を理解できずにゼノスにただ抱かれたままだ。
触れるだけで歓喜した欲は、呪いは。もうこの身にないのだと嫌でも感じた。ただふたつの体の境界が、夜に溶けているだけの体。かさむ熱はひとり彷徨うだけ。
たったひとつの、繋がりだった。自分で思うよりもずっと。それに縋っていた自分が居たんだと初めて気づく。
それを失くしてようやく。他人になって、ようやく。
自分に彼女を繋ぎとめる術のない無力さに、ただ泣くことしかできなかった。
------------------------------
『――駄目だよ、セレナ。この森では長くは生きられない』
『…でも…まだ、生きてるのに…』
『連れて帰ってどうする気だい。くだらない家族ごっこでもする気? 付き合わされる赤子が可哀そうだ。楽に死なせてやった方が良い』
『……』
『きみもはやく、慣れた方が良い。ここはそういう場所なんだ。望まれぬ行き着く場所。ぼくも、きみも。そうだろう?』
『……でも』
そっと、腕の中で。ひとつの命がまた潰えるのを、彼女は最後まで見つめていた。哀しそうに、悔しそうに。
もともと保たない命だったのだ。この森に捨てられた瞬間から、命の灯は削られている。
そうしてこの森に住まうモノたちの贄となる。
やがてカタチをもったモノは最期に残った感情のまま、“外”で人を襲う。それ以外のすべてを忘れる異形のモノとなって。
『わたしは、望んでいるわ。捨てられた命が、生きることを』
魔力も魔術も万能ではない。その中でも最たるものが“命”の領域だ。
だから自分はその分野は好まない。一番難解で一番単純。そして一番誰もが望むものだからだ。
一番厄介で面倒くさい。関わらないに限る。
『この森での生き物は、もはやぼく達だけだよ。それも普通からは大分外れた、ね。増やさない方が良い。面倒なだけさ、赤ん坊なんて』
『…だからあなたは、わたしを抱かないの…?』
セレナの言葉の意味を、はじめ理解できなかった。
彼女がこの森にきて数か月。正気と肉体を保てる人間はごく稀だ。流石王家が差し出しただけある。
“聖女”の名を冠され国の為に犠牲となった偽りの乙女。
はじめはただの気まぐれだった。条件を満たせぬのなら、約束を反故にすべて壊すつもりだった。この森もこの国も。
なのにどうしてか彼女は、こうして自分の傍に居る。
聖女でもない彼女は、いったい何者なのか。面白いから傍に置くことにしただけなのに。
『…自分で何を言っているか、分かっているの?』
『…分かっているわ』
『べつにぼくは、慰めの為にきみを寄越せと言ったわけじゃないよ。きみだって嫌だろう、こんなぼくに――』
『嫌だったら…! こんなこと、口にするわけ、ないでしょう…!』
そう叫んだ彼女の顔は、耳まで赤く染まっていた。まるで昨日口にした果実のように。
女性である彼女からそれを口にするのはよほど勇気のいることだっただろう。
胸が痛かった。彼女がなにを求めて欲しているのか、解ってしまうから余計に。
そして愛しくて堪らなかった。決して口にはしないと決めていたのに。必死に平静を、保ってきたのに。
触れたら最後だと、自分でわかっていたから。
『…おそらく。ぼくとの子は、望めないよ。ぼくはもう、ただの人ではないから』
『…いつもそうやって、諦めてばかり。そんなの、やってみなければ、分からないわ』
そこまで言わせたら、もう。
彼女の意を汲む以外の選択はなかった。
ぼくの心の袂を掴む、きみの手が震えていて。
引き返せないところまで来てしまったんだなとようやく覚悟を決める。
ちがう、きっと。
彼女がぼくを連れてきてくれたんだ。
気付いたらもう、触れてしまっていた。
『…なら、やってみて。生きる為の本能を、とうに諦めたこのぼくの…欲をきみが、呼び覚まさせてみて』
――けっきょく、最期まで。
セレナの望みは叶えてあげられなかったけれど。
ぼくは何度でも思い出すんだ。
初めてきみを抱いたあの日を。
ただのぼくときみとして、求め合ったあの日を。
きっとずっと、忘れないだろう。
ぼくのものだという証をきみに灼きつけ、ふたりで境界を越えた夜。
いまぼくはどっち側に居るのだろう。たったひとりで。
きみだけは失いたくないと初めて泣いた。
きみだけは失いたくないと初めて泣いた。
置いていかないで、セレナ。
ぼくらはきっと、同じ場所にはいけない。
だから、きみの魂だけは。
繋ぎ止めておきたかったんだ。
――もう一度だけ。きみに会いたい。
会って訊きたいことがある。
世界が終わる前にまた
あの果実の木の下で。
0
お気に入りに追加
992
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
【完結】虐げられオメガ聖女なので辺境に逃げたら溺愛系イケメン辺境伯が待ち構えていました(異世界恋愛オメガバース)
美咲アリス
BL
虐待を受けていたオメガ聖女のアレクシアは必死で辺境の地に逃げた。そこで出会ったのは逞しくてイケメンのアルファ辺境伯。「身バレしたら大変だ」と思ったアレクシアは芝居小屋で見た『悪役令息キャラ』の真似をしてみるが、どうやらそれが辺境伯の心を掴んでしまったようで、ものすごい溺愛がスタートしてしまう。けれども実は、辺境伯にはある考えがあるらしくて⋯⋯? オメガ聖女とアルファ辺境伯のキュンキュン異世界恋愛です、よろしくお願いします^_^ 本編完結しました、特別編を連載中です!
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
【短編】冤罪が判明した令嬢は
砂礫レキ
ファンタジー
王太子エルシドの婚約者として有名な公爵令嬢ジュスティーヌ。彼女はある日王太子の姉シルヴィアに冤罪で陥れられた。彼女と二人きりのお茶会、その密室空間の中でシルヴィアは突然フォークで自らを傷つけたのだ。そしてそれをジュスティーヌにやられたと大騒ぎした。ろくな調査もされず自白を強要されたジュスティーヌは実家に幽閉されることになった。彼女を公爵家の恥晒しと憎む父によって地下牢に監禁され暴行を受ける日々。しかしそれは二年後終わりを告げる、第一王女シルヴィアが嘘だと自白したのだ。けれど彼女はジュスティーヌがそれを知る頃には亡くなっていた。王家は醜聞を上書きする為再度ジュスティーヌを王太子の婚約者へ強引に戻す。
そして一年後、王太子とジュスティーヌの結婚式が盛大に行われた。
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい
梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。
転生幼女具現化スキルでハードな異世界生活
高梨
ファンタジー
ストレス社会、労働社会、希薄な社会、それに揉まれ石化した心で唯一の親友を守って私は死んだ……のだけれども、死後に閻魔に下されたのは願ってもない異世界転生の判決だった。
黒髪ロングのアメジストの眼をもつ美少女転生して、
接客業後遺症の無表情と接客業の武器営業スマイルと、勝手に進んで行く周りにゲンナリしながら彼女は異世界でくらします。考えてるのに最終的にめんどくさくなって突拍子もないことをしでかして周りに振り回されると同じくらい周りを振り回します。
中性パッツン氷帝と黒の『ナンでも?』できる少女の恋愛ファンタジー。平穏は遙か彼方の代物……この物語をどうぞ見届けてくださいませ。
無表情中性おかっぱ王子?、純粋培養王女、オカマ、下働き大好き系国王、考え過ぎて首を落としたまま過ごす医者、女装メイド男の娘。
猫耳獣人なんでもござれ……。
ほの暗い恋愛ありファンタジーの始まります。
R15タグのように15に収まる範囲の描写がありますご注意ください。
そして『ほの暗いです』
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる