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第一章
十六話 先にある悪夢
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レフトたちは墓地を進む。
構成員は作業をしており部外者が侵入しようがお構い無しのようだ。
まるでゾンビのように意識がないように見える。
「…以前来た時とはどこか違う…」
レフトは違和感があった。
最初に侵入した時の感覚に似ており、もしかしたらトラップの可能性がある。
「罠かもしれない、用心しよう」
だが、シフは構成員をみて疑問に思ってしまう。この状況を深く悲しみシーキヨの将来に不安を感じている。
「このままではシーキヨが滅んでしまう」
そんなことを想っているうちに、深部へ到着する。目の前には見るからにここから奥は危険ですよという門がある。
「この先は?」
レフトがシフに問う。
「わからない。幹部の部屋を通り過ぎたのだろうか」
二人は迷ったのかわからないが、とりあえず前進を決断し門の前に立つ。
すると門がいきなり崩れ液体となる。
「…これは門じゃない、モンスターです」
液体はゆっくりと固まり、とかげのような姿を形成する。その形成された鋭い爪が突如シフに襲いかかる。
「…くっ、動きが早い」
奇襲されたシフは手痛いダメージを受ける。左肩から右脇腹にかけての切り傷だ。出血し膝をついてしまう。
とかげはとどめとばかりに再びシフを襲う。
「くっ…避けれない」
死を覚悟したシフの前にレフトが立つ。
とかげは急な行動に動揺して攻撃を中止し距離をとる。
「…レフトさん…すみません」
申し訳なさそうなシフに、
にっこり笑い剣を構え右手に魔力を集中させるレフト。
それを察知し、攻撃を阻止すべく毒液らしきものでレフトを攻撃するとかげ。
毒液による遠距離攻撃と近接は鋭い爪や牙など死角のない強敵だ。
しかし…
毒液はレフトを包む青い魔力の前に消失し、右手を地面に向けると一帯がものすごい勢いで凍結する。とかげは一瞬で凍りつき通路にあるガラスは砕け、周囲は寒い地域のような別世界になった。
「…す…すごい…」
シフは圧倒的なレフトに驚いていた。
とかげは強い。そこらの戦士ではおそらく倒せないだろう。液体化すれば物理攻撃は無効だろうし、ダメージが与えられないからだ。
「このままでよいだろう。いずれ氷は溶けるが、今後人を襲おうとは思わないはずだ」
レフトはこのモンスターが改造モンスターであることや、好戦的でないことを理解していた。
「先に進もう」
シフを起こし奥へ進む。
「ゲーハの実験で造られたのでしょう」
「だろう…カレンといい、あの科学者は逮捕し罪を償わせねばならないね」
走りながら会話していた二人の前に巨大な扉が現れる。禍々しいその扉に鍵穴はなく魔法で封印されているようだ。
「シフ、この先は?」
「主の間でしょうか、墓地にこんな場所があったとは」
奥くまで来た二人。
「墓地というよりは研究所みたいだ。さらに目の前の扉は異界への出入りみたいだ」
恐怖を感じているシフ。
「心配ない、地獄へ繋がろうが凶悪な化け物が現れようが全て倒す。そして戦争を終わらす、それが復興機関の役目だよ」
シフは返す言葉が無かった。
とりあえず扉を押してみるシフ。
すると見た目に反して軽く、簡単に開けられる。
扉を開けて内部へ進むと、広間があり豪華な装飾画などが多数あり奥にはカレン、ゲーハ、そして主らしき人物がいる。
杖を持ち黒いローブ姿から判断できる。
魔法使いだろう。
ゆっくりと近づく二人。
「ようこそ、手荒なことをしてすまない。スコーピオンやレオンは少々扱いにくくてね。私が鋼鉄のさそりを束ねるソサリです」
「シフといいます。こちらは復興機関のレフトさんです」
「噂はよく耳にします。私の邪魔ばかりし、計画をめちゃくちゃにしたあなたはとても強いそうですね」
「えっ…計画ですか?」
シフは問う。
ガタンっと大きな音が響く。
扉が閉められたようだ。
「もう退路は無いです。ここを出るには我々を倒すことです」
複数の相手にシフは怯えている。
未知の戦闘力が恐ろしいソサリ。
精密機械のような剣術のカレン。
狂気の科学者ゲーハ。
この三人を倒すことができるのか。
「くっくっく、復興機関レフトや、いつぞやのお礼をせねばね」
「レフトお願い、大人しく従って。あなたを刺したくないの」
「人気者はつらいとこだねレフトさん」
レフトはシフにガード魔法をかけ下がっててくれと合図し、ゆっくり三人に近づく。
「退路が無いのはあなた方です。集落は機関に抑えられ四将軍は残り二人。私たちはあくまでも使者としてここへ来ました。それを拒否して滅亡が望みならそれもいいでしょう。追い詰められているのはあなた方です」
そういうとレフトは剣を地面に突き刺す。
すると剣から強烈な衝撃波が放たれ三人は吹き飛び、広間の壁や装飾画は粉々になった。
魔力のオーラを纏い戦闘態勢になったレフト。
「くっ、あれは本当に人間か…」
ゲーハは衝撃で頭部から出血している。
「レフト、もうやめて投降して」
カレンは意味がわからない説得をする。桁違いの戦闘力に意識が崩壊したらしい。
「ちっ…何故このような者が復興機関にいるんだ」
ソサリの杖は衝撃で折れ、なんとか耐えた、そういった感じだ。
「これ以上は怪我じゃすまない」
レフトはさらに魔力を強めた。
嵐のような衝撃波が周囲を徹底的に破壊する。三人はレフトに近寄ることすらできない。ゲーハは薬品を投げるが空中で分解され自分の腕にかかる。悲鳴をあげ右腕を失うゲーハ。
「…悪夢だ…」
シフはガタガタと震えていた。
次回へ続く
構成員は作業をしており部外者が侵入しようがお構い無しのようだ。
まるでゾンビのように意識がないように見える。
「…以前来た時とはどこか違う…」
レフトは違和感があった。
最初に侵入した時の感覚に似ており、もしかしたらトラップの可能性がある。
「罠かもしれない、用心しよう」
だが、シフは構成員をみて疑問に思ってしまう。この状況を深く悲しみシーキヨの将来に不安を感じている。
「このままではシーキヨが滅んでしまう」
そんなことを想っているうちに、深部へ到着する。目の前には見るからにここから奥は危険ですよという門がある。
「この先は?」
レフトがシフに問う。
「わからない。幹部の部屋を通り過ぎたのだろうか」
二人は迷ったのかわからないが、とりあえず前進を決断し門の前に立つ。
すると門がいきなり崩れ液体となる。
「…これは門じゃない、モンスターです」
液体はゆっくりと固まり、とかげのような姿を形成する。その形成された鋭い爪が突如シフに襲いかかる。
「…くっ、動きが早い」
奇襲されたシフは手痛いダメージを受ける。左肩から右脇腹にかけての切り傷だ。出血し膝をついてしまう。
とかげはとどめとばかりに再びシフを襲う。
「くっ…避けれない」
死を覚悟したシフの前にレフトが立つ。
とかげは急な行動に動揺して攻撃を中止し距離をとる。
「…レフトさん…すみません」
申し訳なさそうなシフに、
にっこり笑い剣を構え右手に魔力を集中させるレフト。
それを察知し、攻撃を阻止すべく毒液らしきものでレフトを攻撃するとかげ。
毒液による遠距離攻撃と近接は鋭い爪や牙など死角のない強敵だ。
しかし…
毒液はレフトを包む青い魔力の前に消失し、右手を地面に向けると一帯がものすごい勢いで凍結する。とかげは一瞬で凍りつき通路にあるガラスは砕け、周囲は寒い地域のような別世界になった。
「…す…すごい…」
シフは圧倒的なレフトに驚いていた。
とかげは強い。そこらの戦士ではおそらく倒せないだろう。液体化すれば物理攻撃は無効だろうし、ダメージが与えられないからだ。
「このままでよいだろう。いずれ氷は溶けるが、今後人を襲おうとは思わないはずだ」
レフトはこのモンスターが改造モンスターであることや、好戦的でないことを理解していた。
「先に進もう」
シフを起こし奥へ進む。
「ゲーハの実験で造られたのでしょう」
「だろう…カレンといい、あの科学者は逮捕し罪を償わせねばならないね」
走りながら会話していた二人の前に巨大な扉が現れる。禍々しいその扉に鍵穴はなく魔法で封印されているようだ。
「シフ、この先は?」
「主の間でしょうか、墓地にこんな場所があったとは」
奥くまで来た二人。
「墓地というよりは研究所みたいだ。さらに目の前の扉は異界への出入りみたいだ」
恐怖を感じているシフ。
「心配ない、地獄へ繋がろうが凶悪な化け物が現れようが全て倒す。そして戦争を終わらす、それが復興機関の役目だよ」
シフは返す言葉が無かった。
とりあえず扉を押してみるシフ。
すると見た目に反して軽く、簡単に開けられる。
扉を開けて内部へ進むと、広間があり豪華な装飾画などが多数あり奥にはカレン、ゲーハ、そして主らしき人物がいる。
杖を持ち黒いローブ姿から判断できる。
魔法使いだろう。
ゆっくりと近づく二人。
「ようこそ、手荒なことをしてすまない。スコーピオンやレオンは少々扱いにくくてね。私が鋼鉄のさそりを束ねるソサリです」
「シフといいます。こちらは復興機関のレフトさんです」
「噂はよく耳にします。私の邪魔ばかりし、計画をめちゃくちゃにしたあなたはとても強いそうですね」
「えっ…計画ですか?」
シフは問う。
ガタンっと大きな音が響く。
扉が閉められたようだ。
「もう退路は無いです。ここを出るには我々を倒すことです」
複数の相手にシフは怯えている。
未知の戦闘力が恐ろしいソサリ。
精密機械のような剣術のカレン。
狂気の科学者ゲーハ。
この三人を倒すことができるのか。
「くっくっく、復興機関レフトや、いつぞやのお礼をせねばね」
「レフトお願い、大人しく従って。あなたを刺したくないの」
「人気者はつらいとこだねレフトさん」
レフトはシフにガード魔法をかけ下がっててくれと合図し、ゆっくり三人に近づく。
「退路が無いのはあなた方です。集落は機関に抑えられ四将軍は残り二人。私たちはあくまでも使者としてここへ来ました。それを拒否して滅亡が望みならそれもいいでしょう。追い詰められているのはあなた方です」
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すると剣から強烈な衝撃波が放たれ三人は吹き飛び、広間の壁や装飾画は粉々になった。
魔力のオーラを纏い戦闘態勢になったレフト。
「くっ、あれは本当に人間か…」
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「レフト、もうやめて投降して」
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「ちっ…何故このような者が復興機関にいるんだ」
ソサリの杖は衝撃で折れ、なんとか耐えた、そういった感じだ。
「これ以上は怪我じゃすまない」
レフトはさらに魔力を強めた。
嵐のような衝撃波が周囲を徹底的に破壊する。三人はレフトに近寄ることすらできない。ゲーハは薬品を投げるが空中で分解され自分の腕にかかる。悲鳴をあげ右腕を失うゲーハ。
「…悪夢だ…」
シフはガタガタと震えていた。
次回へ続く
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