上 下
82 / 88

82 予想外の親睦会

しおりを挟む
先ずは仲を深めましょうと新学期早々にグループを作り学園内を見回ったりご飯を広い高級レストランみたいな食堂で一緒に食べたり、いつか貴族婦人になった時用にお茶会のホストを演習してみたりもする
王都住まいの貴族令嬢はお茶会その物へ呼ばれた経験は有るかも知れないが地方住みだとお茶会参加が先ずは貴重な経験になる

いつか私たちが産んだ子へ教える事も有るかも知れないと言われれば地方から離れる気の無い令嬢も学ぶ意欲が溢れると言うものだ
クラス内で何となく分かれたグループは私、イルア、ミクル姫です。

余り人数も居ないクラスでやはり姫様と組むのは敷居が高くて嫌煙されるのは想定内とは言え、クラス内外問わずこのメンバーで今後活動はとても気が重いし、気を遣うだろうイルアには申し訳無い

そもそもミカエリス第三王子殿下の事はさておき、側妃殿下様の事まで睨まれているのか全く心当たりが無い

義兄様への恋心に対する義妹への嫉妬なら分からないでも無いのだけど
ルアージュな時点でそれも違うと思われたのだろうか

義兄及び生徒会の皆様は皆、高位貴族で注目度が高い。
侯爵の義兄が一番低いが令息で無い時点で婚姻=侯爵夫人となれる訳で推しの欲目は除いてもひそかに一番人気なのでは無かろうか
令嬢から囲まれているのを見かけ、素直な令嬢方を少し羨ましく眺めている

カサンドラ様が側妃殿下になられ、ルシュミール様は少し肩の力が抜けた様にも見える。
第二王子殿下と仲睦まじいご様子で時々ミクル姫様が突撃しても意に介した気配すらない、お元気そうで何よりです。

週末、前国王陛下の法要でお祖父様が王都へ戻られたのを機にルアージュの義父様、義母様、同じく法要参加の義兄、ついでに居た従兄弟に入学から数日の出来事を報告がてら相談するととんでも無い事を義父様方から聞いてしまった

「ソニア側妃殿下のお姉様?」

「そうだ、本来は妃殿下教育をされていたのは姉のカナデ嬢だった。しかし結婚式前夜に忽然と姿を消してしまったのだ」

驚くべき事態に私は両手で口元を押さえた。出なければ淑女らしからぬ雄叫びをあげかねない程の衝撃だった

義兄も初めて知ったようでかなり驚かれている

反対にほー、ぐらいしか言わない従兄弟兼弟は呑気なものだ

余談だが何時も外交で多国に居がちな従兄弟兼兄の膝に座っているのがちょっと羨ましい
私も義兄様に甘えたい…

何時も私には生意気なアッシュがアイク義兄様にはとことん素直なのはアイク義兄様がセリア義母様の連れ子だからだろうか

「我が国の結婚式当日は両隣国から祝いの使者が参加された。既に祝いの品も届けられた後の破談は王家の威信に掛けても難しい。故にそっくりだった実の妹に当たるソニア側妃殿下が責任を取り婚姻された」

「一応、仮でだがな。姉が見付かれば良し、駄目でも白い婚姻でいずれ円満に解放する予定だったのだよ」

王家に親しいお祖父様は元より、義父様も学生時代は王の側近だったのも有り、親交深い

「しかし、妃殿下教育時代に貴族の家系図で習った時にソニア妃殿下様は2人姉妹になっていました」

貴族全てでは無いが、流石に王家に関わり深い家の事は覚えているものだ。貴族図鑑を思い浮かべたが確かに側妃殿下は2人姉妹になっていたはず。

「一年足らずでソニア側妃殿下懐妊に伴い、令嬢は戸籍を抹消されたのだ」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どう頑張っても死亡ルートしかない悪役令嬢に転生したので、一切頑張らないことにしました

小倉みち
恋愛
 7歳の誕生日、突然雷に打たれ、そのショックで前世を思い出した公爵令嬢のレティシア。  前世では夥しいほどの仕事に追われる社畜だった彼女。  唯一の楽しみだった乙女ゲームの新作を発売日当日に買いに行こうとしたその日、交通事故で命を落としたこと。  そして――。  この世界が、その乙女ゲームの設定とそっくりそのままであり、自分自身が悪役令嬢であるレティシアに転生してしまったことを。  この悪役令嬢、自分に関心のない家族を振り向かせるために、死に物狂いで努力し、第一王子の婚約者という地位を勝ち取った。  しかしその第一王子の心がぽっと出の主人公に奪われ、嫉妬に狂い主人公に毒を盛る。  それがバレてしまい、最終的に死刑に処される役となっている。  しかも、第一王子ではなくどの攻略対象ルートでも、必ず主人公を虐め、処刑されてしまう噛ませ犬的キャラクター。  レティシアは考えた。  どれだけ努力をしても、どれだけ頑張っても、最終的に自分は死んでしまう。  ――ということは。  これから先どんな努力もせず、ただの馬鹿な一般令嬢として生きれば、一切攻略対象と関わらなければ、そもそもその土俵に乗ることさえしなければ。  私はこの恐ろしい世界で、生き残ることが出来るのではないだろうか。

全てを諦めた令嬢の幸福

セン
恋愛
公爵令嬢シルヴィア・クロヴァンスはその奇異な外見のせいで、家族からも幼い頃からの婚約者からも嫌われていた。そして学園卒業間近、彼女は突然婚約破棄を言い渡された。 諦めてばかりいたシルヴィアが周りに支えられ成長していく物語。 ※途中シリアスな話もあります。

【完結】私がいる意味はあるのかな? ~三姉妹の中で本当にハズレなのは私~

紺青
恋愛
私、リリアンはスコールズ伯爵家の末っ子。美しく優秀な一番上の姉、優しくて賢い二番目の姉の次に生まれた。お姉さま二人はとっても優秀なのに、私はお母さまのお腹に賢さを置いて来てしまったのか、脳みそは空っぽだってお母様さまにいつも言われている。あなたの良さは可愛いその外見だけねって。  できる事とできない事の凸凹が大きい故に生きづらさを感じて、悩みながらも、無邪気に力強く成長していく少女の成長と恋の物語。 ☆「私はいてもいなくても同じなのですね」のスピンオフ。ヒロインのマルティナの妹のリリアンのお話です。このお話だけでもわかるようになっています。 ☆なろうに掲載している「私はいてもいなくても同じなのですね ~三人姉妹の中でハズレの私~」の本編、番外編をもとに加筆、修正したものです。 ☆一章にヒーローは登場しますが恋愛成分はゼロです。主に幼少期のリリアンの成長記。恋愛は二章からです。 ※児童虐待表現(暴力、性的)がガッツリではないけど、ありますので苦手な方はお気をつけください。 ※ざまぁ成分は少な目。因果応報程度です。

婚約解消は君の方から

みなせ
恋愛
私、リオンは“真実の愛”を見つけてしまった。 しかし、私には産まれた時からの婚約者・ミアがいる。 私が愛するカレンに嫌がらせをするミアに、 嫌がらせをやめるよう呼び出したのに…… どうしてこうなったんだろう? 2020.2.17より、カレンの話を始めました。 小説家になろうさんにも掲載しています。

0歳児に戻った私。今度は少し口を出したいと思います。

アズやっこ
恋愛
 ❈ 追記 長編に変更します。 16歳の時、私は第一王子と婚姻した。 いとこの第一王子の事は好き。でもこの好きはお兄様を思う好きと同じ。だから第二王子の事も好き。 私の好きは家族愛として。 第一王子と婚約し婚姻し家族愛とはいえ愛はある。だから何とかなる、そう思った。 でも人の心は何とかならなかった。 この国はもう終わる… 兄弟の対立、公爵の裏切り、まるでボタンの掛け違い。 だから歪み取り返しのつかない事になった。 そして私は暗殺され… 次に目が覚めた時0歳児に戻っていた。  ❈ 作者独自の世界観です。  ❈ 作者独自の設定です。こういう設定だとご了承頂けると幸いです。

悪役令嬢に転生!?わたくし取り急ぎ王太子殿下との婚約を阻止して、婚約者探しを始めますわ

春ことのは
恋愛
深夜、高熱に魘されて目覚めると公爵令嬢エリザベス・グリサリオに転生していた。 エリザベスって…もしかしてあのベストセラー小説「悠久の麗しき薔薇に捧ぐシリーズ」に出てくる悪役令嬢!? この先、王太子殿下の婚約者に選ばれ、この身を王家に捧げるべく血の滲むような努力をしても、結局は平民出身のヒロインに殿下の心を奪われてしまうなんて… しかも婚約を破棄されて毒殺? わたくし、そんな未来はご免ですわ! 取り急ぎ殿下との婚約を阻止して、わが公爵家に縁のある殿方達から婚約者を探さなくては…。 __________ ※2023.3.21 HOTランキングで11位に入らせて頂きました。 読んでくださった皆様のお陰です! 本当にありがとうございました。 ※お気に入り登録やしおりをありがとうございます。 とても励みになっています! ※この作品は小説家になろう様にも投稿しています。

【完結】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います

結城芙由奈 
恋愛
浮気ですか?どうぞご自由にして下さい。私はここを去りますので 結婚式の前日、政略結婚相手は言った。「お前に永遠の愛は誓わない。何故ならそこに愛など存在しないのだから。」そして迎えた驚くべき結婚式と驚愕の事実。いいでしょう、それほど不本意な結婚ならば離婚してあげましょう。その代わり・・後で後悔しても知りませんよ? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載中

処理中です...